【統合版】なぜ50を過ぎても人間ドックが待ち遠しいのか?
ご案内
本記事は、2021年11月7日から2022年1月10日にかけて、合計11回にわたり「なぜ50を過ぎても人間ドックが待ち遠しいのか?」のタイトルで投稿してきた記事の統合版です。
統合に合わせ一部の文章に微修正を加えました。
記事内容に大きな変更はありません。
記事が統合されたことで、一層読みやすくなったかと思います。
よろしければご一読ください。
よろしくお願いします。
はじめに
人間ドックは好きですか?
こう聞かれて「はい」と答える方は、少ないのではないでしょうか。
人間ドックの現状
厚生労働省が2019年に実施した国民生活基礎調査によると、健康診断や人間ドックの未受診率はおよそ30%(注1)。
ということは受診されている方が70%いらっしゃることになりますね。ただこの中には、会社で義務的に受けさせられている方がかなりの割合いらっしゃるので、人間ドックが好きという方は相当少ないと思います。
注1:
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/04.pdf
また最近では、人間ドックは受けない方がいい、という意見を聞くことも多くなりました。
人間ドックが待ち遠しい
一般的には人気のない人間ドックですが、わたしは毎年受けるのを楽しみにしています。
現在民間企業に勤務しており、その会社では人間ドックを申し込める時期が決まっているのですが、受付が開始になったら速攻で申し込みをしています。
人間ドックが楽しみというと、「なんであんなものが楽しいの?マズいバリュームを飲まされて、グラビアアイドルみたいにベッドの上でポーズを変えて写真を撮られて、ツラいことばっかりじゃない」と驚かれます。
確かにバリュームの前にシュワシュワするものを飲んで、ゲップを我慢するのはイヤですね(笑)。
それでもわたしが人間ドックを心待ちにできるのは、人間ドックの捉え方によるところが大きいんだと思います。
わたしの周りにも人間ドックの受診が決まると、悪いところを指摘されないようにお酒や食べるものを気をつけはじめたり、休んでいたフィットネスクラブ通いを復活する人が結構います。
しかしわたしは人間ドックを悪いところを指摘されたり、生活習慣の改善を指導されるところとは捉えていません。
わたしにとっては、一年間自分で考えて取り組んできたことが良かったのか・悪かったのかの評価をしてくれる場なのです。
肥満児だった子供時代
こんなことをいうと、小さい頃から健康的に過ごしてきた人ではないかと思われることが多いです。いまでもストイックな生活をしてるのではないかと。
この記事を投稿した2022年1月28日時点で年齢は55歳、身長168cm、体重は55kg前後、体脂肪率は10~15%前後です。50代の男性としてはかなりスリムなほうでしょう。
ところが子供の頃はかなりの肥満児で、小学校6年生の頃には身長148cmしかないのに、体重は68kg、ウエストは86cm!もありました。
中学生後半になって、自身の体型のみっともなさがイヤになったことをきっかけにダイエットを開始。体重を15kgほど落とし、それ以降はおおむね50kg台をキープしています。
肥満児の頃から変わらず食べることは大好きで、いまでも食べたいものを我慢することはありません。
とくに甘いものは大好きで、たまにビュッフェに行ったときはスイーツを皿一杯に何度もおかわりしています。まさに“スイーツパラダイス”状態です(笑)。
一方痩せたあとも身体を動かすことはあまりなく、学生の頃はほぼ帰宅部、大人になってからも「横断歩道で赤信号になっても走らない」といわれるほどでした。
ダイエットは難しくない
自身の経験からいえば、運動をしなくてもダイエットする(一時的に体重を落とす)ことは、それほど難しいことではありません。食べる絶対量を減らしたり、炭水化物を抜いたりすれば比較的簡単に体重を落とすことはできます。
難しいのは、その落とした体重を維持することです。
ダイエットで有名なライザップ社の2019年2月の調査では、ダイエットを試した方のうち男性で約35%、女性ではおよそ60%の方がリバウンドを経験したそうです(注2)。
アメリカでは、なんと95%がリバウンドする!との調査結果もあるのだとか。
注2:
なぜリバウンドしてしまうのか?
せっかく苦労してダイエットしたのに、なぜリバウンドしてしまうんでしょう?
わたしは、最大の原因は「達成感」だと考えています。
「こうなりたい!」とあるべき姿を設定し、目標に向かって努力するのは素晴らしいことです。しかしあるべき姿に向けての努力は、往々にしてツライこと・やりたくないことを無理してやらなければいけない状況が発生します。いわゆるストイックさを求められます。
「イヤなことを無理してやる」のは誰にとっても楽しいことではないので、いちど「なりたい」を実現してしまうと、そこで達成感を味わってしまい、もうそれ以上続けようと思わなくなってしまうのです。
すると気がつけば生活は元の状態に戻り、いつのまにか体重はリバウンドしてしまっているのです。
“イヤなこと”を避ける
“イヤなこと”を避けるのは、なにもダイエットに限ったことではありません。親の希望する学校に合格するために遊ばずに勉強をした、会社に指示された資格試験に受るためにプライベートを犠牲にした、家族に欲しいといわれた品物を手に入れるために我慢して貯金した、など。
みなさんにもこんな経験があるのではないでしょうか。
その目標を達成したあと、どうなりましたか?
それに対して、“イヤなこと”には達成するということがありません。ずっと“イヤ”な気持ちを持ち続けることができるのです。
わたしにとって運動よりも“イヤなこと”、それが「太る」ことです。
子供時代に太っていたことで楽しくない経験もたくさんしましたので、もう2度とあの姿には戻りたくないという気持ちがものすごく強いのです。
50歳を過ぎても体型を維持し、人間ドックを心待ちにできるのは、「痩せたい」という“あるべき姿”があるからではなく、「太りたくない」という“イヤなこと“を避けたいという強い動機があるからです。
“イヤ”を楽しみに変える
では、“イヤなこと”を避けるには、どうすればいいか?
それを考え、実践し、成果に結びつけるというサイクルを回してきたことで、“イヤなこと”を楽しみに変えるための学びを得ることができました。
“イヤなこと”を避けるというと、後ろ向き(ネガティブ)な印象を受けるかもしれません。
楽なほうに逃げてるんじゃないか、そんなことじゃ成長しない、と。
しかし、やりたいことができないでツラい思いをしている方より、イヤなことをさせられてツラい思いをしている方のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。
個人的には日本を覆う閉塞感は、この辺りに大きな原因があるのではないかと感じています。
一時的になら我慢できるかもしれませんが、人間である以上、自分の気持ちを押し殺してイヤなことをし続けるのは難しいのが現実です。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授の提唱したプロスペクト理論に、損得の感じ方を表す「価値関数」があります。
その理論によれば、人は同じ金額であれば、損を得の2.25倍重く感じるため、得を追うより損を回避しようとするそうです。これを「損失回避性」といいます。
まずは自分がハッピーになる
人間は感情の生き物です。必ずしも合理的に行動するとは限りません。
親(子)のため、夫(妻)のため、友人のため、会社のためといって、あるいは周りの目(空気)を気にして自分を偽り、心から望んでいないことをやっても周囲の人をハッピーにすることはできません。
肝心なのは、おのれに嘘をつかぬことです。おのれに嘘をつき、おのれの嘘に耳を傾ける者は、ついには自分の内にも、周囲にも、いかなる真実も見分けがつかなくなって、ひいては自分をも他人をも軽蔑するようになるのです。
周囲の人たちの役に立つためにも、まずは自分の気持ちに素直になって、自分がハッピーになることから考えませんか。
あなたにとって、心の底から”イヤなこと”はなんですか?
ディアログとは
まずは自分の気持ちに素直になって自分がハッピーになり、周囲の人たちの役に立つ。
そのために考え出したのが、今回ご紹介する「ディアログ(dearlog)」です。はじめて聞かれる言葉だと思いますので、まずはディアログの定義からご紹介します。
ディアログ(dearlog)の定義
ディアログ(dearlog)の定義:
「観察」、「記録」、「対話」を通じた学びを習慣化することにより、主体的・自発的・自律的 な生き方を追求するフィロソフィ。
ディアログは私が作った造語で、以下の4つの言葉の意味を込めています。
「親愛な」「愛しい」を意味する英語のディア(dear)
「記録」を意味する英語のログ(log)
「対話」を意味する英語のダイアログ(dialogue)、ギリシャ語ではディアロゴス(dialogos)
「論理的」を意味する英語のロジカル(logical)
心から“イヤなこと”をやらないために、やることを決める。
決めたことを実際に行い、それを「記録」する。
行ったことで、どんな変化が起こったか(起こらなかったか)、どの程度の変化かを「観察」する。
なぜそのような変化が起こったのか「対話」を通じて確認し、フィードバックから学びを得る。
この一連のプロセスを継続していくことにより、主体的・自発的・自立(自律)的な生き方を追求していきます。
なぜ必要なのか?
では、なぜ「ディアログ」が必要なのでしょうか。
私は以下にあげる時代の変化が大きな理由だと考えています。
1. 先の見通せない、正解のない時代がきた
2. 多様性(個性)が尊重されるようになった
3. 自分で自分の生き方を決められる世の中になった
1. 先の見通せない、正解のない時代がきた
VUCA(ブーカ)と呼ばれる不確実で先の見通せない時代になりました。※VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)
テクノロジーの進展や、自然環境等の変化、グローバル化などにより5年後、10年後はもちろんのこと、来年・再来年ですらどうなっているか見通せない時代になっています。
10年前に今の社会や生活を予想できた方はどれだけいたでしょうか。
比較的安定し過去のトレンドが続くと思われる状況であれば、過去の経験や知見を今後の予測に活かすことができます。年長の人や先輩に過去の成功体験や失敗談を聞けば、ある程度うまくいく生き方を勉強することができるでしょう。
しかし、VUCAの時代には過去のトレンドから未来を見通せなくなってしまいました。誰も正解を知らず、誰も答えを教えてくれません。
そういった時代には自分で考えて、自分なりの正解を出しながら進んでいくことが求められます。
2. 多様性(個性)が尊重されるようになった
工業製品では自動車のT型フォードが典型的な例であるように、以前は少品種大量生産が中心でした。その後、技術の進歩や顧客嗜好の多様化に対応するため徐々に多品種少量生産が進み、現在ではかなり多様なカスタマイズができるようになっています。ビジネス用のスーツでも、オーダーメイドが以前よりも一般的になってきました。
インターネットの時代になり、この傾向はさらに進んでいます。Amazonなどの通販サイトでよくみられるレコメンデーション機能(個人ごとの閲覧履歴や購買履歴をもとに、その方が興味を持つ商品をおすすめする機能)によって同じ通販サイトを見ていても、個人ごとに違う内容が表示されることは一般的になっています。
さらにそう遠くない将来には、医薬品の世界でも個人のDNAに基づくオーダーメイドの薬が処方されるようになるといわれています。
生活の面でも、同様の流れが見られます。
ベストセラーとなったリンダ・グラットン教授の『ライフシフト』によれば、これまでの時代ではエイジ(年齢)とステージが一致していました。みんなが同じ年齢で学校に通い、就職して、リタイアしていました。ところが人生100年時代になったことで、エイジとステージは人によって異なるようになっています。
ある方は「勉強→仕事→リタイア」という人生を送り、
別の方は「勉強→仕事→勉強→リタイア」、
さらに別の方は「勉強→リタイア→仕事→勉強・・・」。
エイジとステージが同じであれば、人生は流れに任せていれば済んだかもしれません。しかし、エイジとステージが一致しない時代になると、自分自身で自分の生き方を選んでいく必要があるのです。
周りの人や世間の意見に忖度するのではなく、自身の本当の声と「対話」しながら方向性を模索していくことが大切です。
(現代のカウンセリングの基礎を作ったといわれるカールロジャーズ氏はこれを「内臓感覚=うちなる実感」と表現しています。)
『カールロジャーズ』諸富祥彦著
3. 自分で自分の生き方を決められる世の中になった
自身の心の声(内臓感覚)と対話し、自分がほんとうに望む生き方が分かったとしても、それが実現できなければ考えようとは思わないですよね。
しかし幸運なことに、現代は自分で自分の生き方を決められる時代になっています。
「自分で自分の生き方を決める」のは当たり前のことのように感じるかもしれませんが、この日本でもほんの数十年前まで自分で自分の生き方を決めることはできませんでした。
職業については、親が農家であれば農業を、職人であれば職人に、お店をやっていれば商人としてその店を継ぐのが当然でした。
性についても男として生まれれば男として、女として生まれれば女として生きることを当然のことと考えられていました。
人生を共に歩んでいくパートナー(結婚相手)選びについても、自分の意思ではなく親や親戚が決めることが一般的だったといえます。
一部の国では現在でもこのようなことが行われていますし、日本でも戦前に書かれた小説を読むと、親が結婚相手を決める場面は普通に出てきます。(中には持参金付き!ということも)
もちろんいまでも100%思い通りにならないこともあるでしょうし、強い抵抗を受けることもあるでしょう。しかしLGBTやダイバーシティという言葉が受けいれられる時代になってきたことからも明らかなように、昔に比べれば多様性は尊重され、自分の生き方を決めやすくなっているのも間違いないでしょう。
さらに2021年に入って「メタバース」と呼ばれる仮想空間の注目度が高まっています。この仮想空間では人々が自分の分身(アバター)を使って現実世界と同様の活動を行うことができるようになるといわれています。
将来的に「メタバース」世界が一般化してくれば、「現実世界の自分」とはいっさい関係のない「自分の望む自分」を自分で決めて生きていくことが当たり前になるかもしれませんね。
わたしは、万人が望むようなものの中に、
ほんとうによいものがあると思ったことはありません。
以上みてきたように、自分が望む生き方が選び取れる時代が来ています。
もし“イヤなこと”をやり続け、自分の望む生き方ができていないとしたら、それは他人の反対ではなく、自身が決めていないことが原因ではないですか?
ディアログが生まれたきっかけ
ディアログが生まれたきっかけ
「観察」、「記録」、「対話」を通じた学びを習慣化することにより、主体的・自発的・自律的な生き方を追求するフィロソフィである「ディアログ」が生まれたきっかけは、子供の頃の肥満を解消するためのダイエットでした。
もちろん世の中には太っていても楽しい生き方をされている方は大勢いらっしゃいますので、太っていることを否定するものではありません。
しかし私自身は太っていることでイヤな思いを沢山しましたし、なりより自分で自分の体型が許せなかった。このみっともない体型を何とかしたいとの想いから、“イヤなこと”を避けるための試行錯誤を繰り返しました。
それらの試行錯誤の中にはうまくいったこともうまくいかなかったこともあります。自分の中でなぜそうなったのか「対話」することにより、多くの学びを得てフィロソフィを確立していきました。
さらに世の中には自分で決めた目標を達成できる人とできない人がいます。両者は何が違うのか?
両者の違いに対するわたしなりの結論は、やること自体を楽しんで習慣にできるかどうかです。
ストイックだけでは続かない
何事も一朝一夕で達成できる目標などありません。どんな目標であれ、達成するためには一定期間継続することが必要です。
残念ながら人間は感情の生き物です。ストイックに根性や努力で“イヤなこと”を続けることはできません。意識しなくてもやれるくらい楽しいこと、少なくとも“イヤなこと”ではない必要があります。
「ストイック」と聞いて、多くの方が真っ先に思い浮かべるであろうイチローさんもこうおっしゃっています。
僕には苦痛に耐えるという概念がない。
その意味で僕はまったく努力していません。
そもそも「ストイック」とは、古代ギリシャのゼノンを祖とする紀元前300頃にはじまったといわれる「ストア派(ストア哲学)」が語源になっています。
わたしの理解では、ストア派は、決して“イヤなこと”を無理して根性や努力でやることを薦めていたわけではありません。
ストア派の有名な言葉に「ニール・アドミーラーリー:なににも驚かない」があります。この意味するところは、どんな困難や逆境でも、これに動じない不退転の精神を持つことです。
また、ストア派の倫理学は、シノペのディオゲネスが唱えた「自然にしたがって生きよ」と言う思想を踏襲しています。
人間の心の中で、なにが善いとか悪いとか判断する部分がある。そのような部分を私たちは理性と呼んでいる。この理性が正しく働いているのが最適の状態である。この状態のことを「徳」と呼んでいる。
ストア派は自然にしたがって生きることは、徳にしたがって生きることだと考えたのです。
心の底からやりたいことか?
やったことを記録に残しているか?
やった結果を観察しているか?
自分の心の声と対話しているか?
対話から学びを得ているか?
この5つの質問に「Yes」と答えられることであれば、自然と続けることができます。いつのまにか意識しなくてもできる、別の言葉でいえば習慣化することができるのです。
ディアログに込めた想い
「巨人の肩の上に立つ」
ディアログには自身の40年以上に及ぶ体験を通じた学びだけでなく、多くの先人の知恵を活用させてもらっています。
(いわゆる「巨人の肩の上に立つ」)
昔から本が好きでよく読んでいました。とくにここ数年は、古典と呼ばれる本を読むことが多くなりました。
その中の1冊にアリストテレスの『弁論術』があります。
この本はいまから2000年以上前に書かれたもので、私が読んだ中では一番古い時代のものですが、これを読むと改めて人間の本質は変わらないなと感じます。
いくら科学技術が進歩しても人間の本質は変わらないので、人間について書かれたものであれば、どんなに古い本でも参考になります。
ジャンルについてもダイエットや身体に関わるものだけではありません。
具体的には、哲学や行動経済学、心理学、問題解決、論理的思考、クリティカルシンキング、プロジェクトマネジメント、人材開発、カウンセリング、コーチングなど多岐にわたります。
加えて人間の本質を知るという観点から小説はとても役に立ちます。先ほどはドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』からの引用も載せました。
「ディアログ」の中に論理的(logical)という言葉を入れたのも、自身との対話で得た学びを単なる個人的な経験談としてだけでなく、巨人の肩の上に立ちながら(先人の知恵を参考にしながら)論理的・客観的に裏付けたいと考えたからです。
ディアログは知恵であり思考法
「ディアログ」は単なる体型を維持するためのテクニックではありません。定義に「フィロソフィ」とあるように、生きていく上での知恵であり思考法なのです。
フィロソフィ(哲学)という言葉は、古代ギリシャ語のフィロソフィア(Philosophia)が語源になっており、Philo(愛する)、Sophia(知)を合わせた言葉です。「知を求め愛する」こと、「知る」こと「考える」ことはすべてフィロソフィといえます。
フィロソフィ(哲学)の起源は自然現象への驚きといわれています。古い時代には自然現象への驚きには神話的説明(ミュトス)がなされていましたが、神話への疑いが理論的な説明(ロゴス)をするフィロソフィを生み出しました。
さらに「真の知」を得るための手法が、現代科学の基盤となっていきます。
自然哲学の中でも、特に観察や実験という客観的手法で知識を得ようとする活動が科学と呼ばれるようになり、思考や論理といった思弁的手法で知識を得ようとする活動が哲学の分野に残されました。
「観察」や「実験」という客観的手法と、「思考」や「論理」といった思弁的手法を組み合わせ、主体的・自発的・自律的な生き方を追求するフィロフィ、それが「ディアログ」なのです。
どんな場面で活用できるのか
これまでの記事では主にダイエットをテーマに取り上げてきましたが、「ディアログ」は身体や健康に関することに限りません。仕事や勉強などにも応用することができます。
例:
・痩せない
・資格を取りたい
・やる気が出ない
・将来が不安
・老後のお金が心配
また自分自身のことだけでなく、上司と部下、親と子、夫と妻など他の人との関係性にも活用できると考えています。ご自身が「愛しい(ディア=dear)」と思う人(もの)であれば、なんでも大丈夫です。
私自身は「ディアログ」を人生の様々な場面で活用してきました。
ダイエット:
小学校6年生のときの68キロから50kg代に減量し、50代になっても体重50kg台、体脂肪率15%以下を維持しています。
筋力や柔軟性のアップ:
ただ体重を落とすだけでなく、30代のときよりも筋力はアップし、年齢とともに衰えやすい柔軟性も維持しています。今でも180度開脚やY字バランスができます。
US CPA(アメリカの公認会計士試験)合格:
大学1年の前期に受けた簿記の試験は38点でしたが、30代に入ってからフルタイムで働きながらUS CPAの勉強を始め、約2年で全科目合格することができました。
一方で、学校の勉強にはまったく活かすことができませんでした。
中学・高校時代の成績は真ん中より下でしたし、大学受験でも第一志望には現役、一浪と2回挑戦しましたがいずれも不合格でした。
いまから振り返ると、前にあげた5つの質問のうち1つ目の「心からやりたいことか?」が「Yes」でなかったことが最大の原因です。いくら世間的に良いことだとしても、「内臓感覚」に合わないものは実現できないことのよい学びになりました。
5つの質問(再掲)
・心の底からやりたいことか?
・やったことを記録に残してしているか?
・やった結果を観察しているか?
・自分の心の声と対話しているか?
・対話から学びを得ているか?
答えは自分で見つける
最後に一点ご注意いただきたいことがあります。
ご紹介した「ディアログ」は、“イヤなこと”を楽しみに変える「答え」をあなたに提示するものではありません。
「生きるとは?」は哲学の主要なテーマですが、哲学の本を読んでもその答えがどこにも書かれていないのと同じように、「ディアログ」は「考え方」や「問い」をお示しすることにより、ご自身でご自分なりの「答え」を見つけていただくためのヒントや知恵をお伝えするものです。
いくら哲学の本を読んでも、その答えはどこにも書かれていません。
逆に宗教は、この答えを明示してくれます。だから、人は宗教に走りやすいのです。
ご覧になったみなさんがそれぞれで「観察」「記録」「対話」を続けて、お一人おひとりの「ディアログ」を創り上げていっていただければうれしいです。私自身のディアログも、更なる学びを得て進化を続けていきます。
「ディアログ」を活用して、ご自分なりの自発的・自主的・自律的な生き方を追求してみませんか?
ディアログ全体プロセス
ここまで「ディアログ」とは何か、生まれたきっかけや「ディアログ」に込めた想いなどについてお話ししてきました。
ご興味持っていただけたでしょうか?
次に実際に「ディアログ」を行っていく際の実施プロセスについてご説明していきましょう。
ディアログ全体像
「ディアログ」の全体像は、大きく3つのプロセスに分かれます。
1.計画・設定
1-1 自分の傾向を知る
1-2 やることを決める
2.実行・改善
2-1 決めたことを実行する
2-2 結果を振り返り、継続(改善)する
3.習慣化
3-1 無意識に続ける
3-2 定期的に計画を見直す
各プロセスがそれぞれさらに2つのステップに分かれており、ステップごとに「ディアログ」(記録→観察→対話)をおこなうことによって学びを得ます。
アメリカの教育理論研究者、デビット・コルブの「経験学習サイクル」同様に、経験を内省することにより気づきを得て継続的に成長していくわけです。

ご覧いただくと、「ディアログ」の図が笑っている人の顔に見えませんか?「ディアログ」を通じた学びを得て、“イヤ”を楽しみに変え笑顔でいられる生き方を続けていきたいですね。
それでは、これから各ステップの具体的な内容についてお話ししていきましょう。
1.計画・設定
1.計画・設定 ←ここ
1-1 自分の傾向を知る
1-2 やることを決める
2.実行・改善
2-1 決めたことを実行する
2-2 結果を振り返り、継続(改善)する
3.習慣化
3-1 無意識に続ける
3-2 定期的に計画を見直す
さっそくやることを決めたいと思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。いまは気持ちが盛り上がって、「よしやろう!」と固く決心されているかもしれません。
もちろん固く決心することは大事ですが、自身の傾向と一致しないもの(=“イヤな”もの)をやろうとしても、決心だけでは長続きせず成果に結びつかないものです。
大事なことは固い決意がなくてもできるくらい自分の傾向(好み)に合ったものを設定することです。決めたことが無意識にできるようになる(習慣化する)ために、まずは自分の傾向を知ることから始めましょう。
自分自身のことは、何となくわかっているようで、実はよくわかっていないことが多いものです。
頭で考えるだけではなく、少し時間をとって「見える化」してみましょう。
1−1 自分の傾向を知る
自身の傾向を知るために、わたしは以下のステップで実施しています。
実施ステップ
・ステップ1:“イヤな”ものをあげていく
・ステップ2:あげたものを分類・整理する
・ステップ3:分類された結果をもとにディアログする
ステップ1:“イヤな”ものをあげていく
まず自分の“イヤな”ものをあげていきます。“イヤな”ものだけでなく、“イヤな”ことでも“イヤな”人でも構いません。思いつくかぎりどんどんあげていきます。
アイデアを書き出すものはなんでも構いませんが、今後の作業を考えると簡単に動かせるものに書くことをおすすめします。今回わたしはデジタルのポストイット風の四角い図形を使いました。もちろんリアルのポストイットを使っても構いません。
そしてアイデアをあげていく手法として使ったのが「ブレーンストーミング」です。初めて聞く方もいらっしゃると思いますので、簡単に「ブレーンストーミング(通称ブレスト)」を紹介します。
ブレストはその名の通り、頭(ブレーン)に嵐を起こす(ストーミング)ように思いつく限りアイデアをどんどんとあげていくための手法です。
通常は複数人で、設定したテーマについてのアイデアを思いつく限り書き出します。出てきたアイデアはポストイット1枚に1つずつ書いていきます。
カンニングOK、他人のアイデアを否定しないなどのルールを決め、質より量を出していくことに注力します。
一度実践していただくと実感できるのですが、アイデア出しは時間をかければたくさん出るものでもありませんので、時間を区切ってやるのがおすすめです(3分から長くて5分程度)。
ここでのポイントは、思ったことを正直にあげることです。
こんなことを書くと・・・と思ったとしても、誰かにみせるものではありませんので気にしないでください。自身の本当の気持ちを再確認することが目的です。正直にあげていきましょう。
ご参考までにわたしのブレスト結果をお見せします。改めて見返してみると、“イヤな”ことがあまりに多くてビックリしました(笑)

ぜひみなさんも時間をとって、自分の気持ちに正直にご自身の”イヤな”ものを洗い出してみませんか?
ステップ2:あげたものを分類・整理する
次に先ほど洗い出した“イヤな”ことを分類していきます。
その際には以下の分類の図を使います。

この図は、左右が自分と自分以外、上下があり方(being)と行動(doing)の2つの軸で4つのブロックに分かれています。
洗い出した“イヤな”ものを、該当するそれぞれのブロックに振り分け(マッピング)していきます。
各ブロックの説明
・自分 x あり方 = 〜でない
・自分 x 行動 = 〜できない
・自分以外 x あり方 = 〜でない人・モノ
・自分以外 x 行動 = 〜される
このとき新たな“イヤな”ものを思いついたら追加して構いません。
次に分類・整理です。各ブロックにマッピングしたものの中で、内容が似ているものを近くに寄せグループをつくります。

ステップ3:分類された結果をもとにディアログする
まとめられたそれぞれのグループについて「ディアログ」します。
「結果(=記録)」を「観察」しながら、自身の気持ちと「対話」します。
なぜ“イヤ”なのか? なぜキライなのか?・・・。
そして、グループごとの「ディアログ」結果をひと言にまとめ記入します。

この一連の流れを通じて自分のイヤな”ものの洗い出しとグルーピングが完成しました。作業結果を見返してみると、ご自身の“イヤな”ことが再認識できるのではないでしょうか。
お時間があれば、“好きな”ものについても実施してみるのもいいでしょう。おおむね先ほど実施した“イヤな”ものに対比する言葉が並ぶと思いますが、自身の傾向をよりはっきりと理解する助けになると思います。
ここでひとつ注意点があります。
4つのブロックの向かって右上の【自分以外 x あり方 = 〜でない人・モノ】は、どんなに”イヤ”でも自分ではどうすることもできません。
同様に右下:【自分以外 x 行動 = 〜される】も、できることは限られています。精々「されないようにするにはどうするか」を考える程度でしょう。
今後のプロセスを実施していくにあたっては、右側のブロックに分類されたものに固執するのではなく、主体的に対応できる左側のものをやらないようにするためにはどうすればいいかを考え、実践するほうがはるかに効果的です。

そして最後に、ここまでの分析結果をもとに、自身の傾向を一文にまとめましょう。分量としては50文字程度が最適です。
わたしの場合は、こんな文章になりました。
『静かで落ち着いた環境の中、周りに邪魔されず自分の望んだことを
実施することで日々ブラッシュアップしたい』(49文字)
相当にわがままですね。(笑)
ここまでのプロセスをご覧になって、いかがでしたか?
ご興味を持っていただけたら、ぜひご自身の傾向を知るためにこの演習を実践してみてください。思わぬ発見があると思いますよ。
さっそく実践してみようと思われた方へ、
この演習を効果的なものにするためのポイントをお伝えします。
効果的な演習にするためのポイント
・自分の気持ちに正直に
・うまくまとまらなくても構わない
・定期的に実施する
自分の気持ちに正直に
自分の気持ち(内臓感覚)を傾聴し、正直な対話を行ってください。他人の期待や世間の常識、道徳などは一切考えないでください。仮に“非常識”と思われるような内容であっても、頭で考えた“常識”に変更しないでください。
常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクション
大切なのは洗い出した内容が、常識的か/非常識かではなく、自身の傾向を偽りなく表しているかどうかです。
うまくまとまらなくても構わない
この演習の目的は、自身の傾向を「見える化」して再認識することです。1回目からうまくまとまればOKですが、仮に綺麗にまとまらなくてもがっかりする必要はありません。
継続的に「ディアログ」を実施し、自身への理解を深めていきましょう。
定期的に実施する
人間は変わります。年代や周りの環境、時代などによって気持ちや考え方が変化します。この演習を定期的に実施することで新たな発見を得て、自身への学びを深めていきましょう。
もし自分ひとりでうまくできない場合は、他の人と一緒に「ディアログ」するのもオススメです。自分だけでは思いもつかなかった思わぬ気づきを与えてくれるかもしれません。
ただ、「ディアログ」の相手はあまり近すぎない人のほうがいいですね。
洗い出した“イヤな”ことが「ディアログ」相手に当てはまることだったりすると、モメる原因になりますので要注意です(笑)。
ご自身の傾向を再確認できましたか?
1−2 やることを決める
1.計画・設定
1-1 自分の傾向を知る
1-2 やることを決める ←ここ
2.実行・改善
2-1 決めたことを実行する
2-2 結果を振り返り、継続(改善)する
3.習慣化
3-1 無意識に続ける
3-2 定期的に計画を見直す
これまでの記事でご自身の傾向が把握できたと思います。
では次に“イヤな”ことをやらないために“やる”ことを決めていきましょう。
やることはみなさんそれぞれの“イヤな”ことによりますので、特にここで特定はしません。そのかわり、決めたことが続けられるようにするためのコツをお話をします。
コツは5W1Hで考えること。
5W1H:Who(誰)、Why(なぜ)、What(何を)、Which(どれを)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どのように)
このうちWho(誰)とWhy(なぜ)は明確ですので、それ以外の要素について考えましょう。
Who =私
Why =自発的・自立(自律)的 ・主体的な生き方を追求するため
続けるコツ
やることを絞る(What、Which)
いつ・どこでやるか決める(When、Where)
“イヤ”にならない方法にする(How)
やることを絞る(What、Which)
まず1つ目のポイントは、やることを絞ることです。
例えばわたしがダイエットを意識した中学生の頃、痩せるために決めたことはひとつだけでした。
それは「 食べることにマイルールを設定」することです。
具体的には以下の3つを心に誓いました。
大盛り・おかわりはしない
間食をしない
桃とカップラーメンは食べない
1.については、家で食べるときはもちろんのこと、外食で「大盛り・おかわり無料!」のお店でも決して大盛りやお代わりはしませんでした。逆に出てきたものは残さず食べてました。
2.については、朝昼晩の3食は残さずしっかり食べるものの、それ以外の時間は、なにも口にしませんでした。飴やガム、お菓子類はもちろんのこと、水分も口にしたのは水と麦茶だけでした。
そして3つ目は、すこし説明が必要かもしれませんね。当時太った原因は小学生の夏休みに桃とカップラーメンばかり食べていたことだと考えていましたので、肥満の元凶と考えていたこの2つを食べないことを誓いました。
(実際にはほかに原因があったかもしれませんが)
ちなみに大盛り・お代わりをしないのは今でも続いています。もう当たり前になっているので、我慢しているという気持ちはいっさいありません。
そして桃とカップラーメンは、それから20年以上食べていませんでした。桃を解禁して食べたときのおいしさは、今でも忘れられません(笑)。
やろう!という意識が強すぎて、あまりにたくさんのやることを決めるのは逆効果です。できるだけ少ない項目に限定するようにしましょう。
いつ・どこでやるか決める(When、Where)
2つ目のコツは、いつ・どこでやるかを決めることです。
例えば、わたしは毎朝、起きてすぐに洗面所で顔を洗ってから体重を測ります。
わたしの中でこの流れが習慣になっていますので、意識することなく毎日おこなっています。
いつやるかを決めず時間ができたときにやろうと思っていると、いつの間にか一日が終わってしまい、結局やらなかったということになってしまいがちです。
いつ・どこでやるかを決めておけば、考えなくても自動的にできるようになりますので、続けていくためには効果的です。
US CPA(米国公認会計士)の勉強をしている頃は、お昼休みにファーストフード店で勉強すると決めていました。
“イヤ”にならない方法にする(How)
3つ目のコツは“イヤ”にならない方法にすることです。
同じことでもやる方法が“イヤな”ことか、苦にならないことかで続けられるかどうかに大きな影響を与えます。
例えばわたしはジョギングを習慣にしていて、おもに週末に5〜10kmを走っています。走った後の爽快感はなにものにも代え難いものがあります。
ところが以前は走るのが大キライで「横断歩道で赤信号になっても走らない」といわれるほどでした。子供の頃に太っていたために体が重く、走ることにツラい、“イヤな”思い出しかなかったことが原因です。
それが久保田競、田中宏暁著『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』を読んで、走ってみようかなという気持ちになりました。
走ろうと思ったとき、みなさんはどんな目標を設定しますか?
通常は3km走ろう、5km走ろうと「距離」で目標を設定しますよね。しかし距離で目標設定すると、どうしても早くその距離を走りきってしまおうと考えがちです。結果オーバーペースになりツラい思いをして走るのが“イヤに”なることが往々にして起こります。
ところが15分走ろう、30分走ろうと「時間」で設定すると、ペースが遅くても決めた時間を走り切ればいいという気持ちになりますよね。
すると自分にとってラクなペースで走ることになるので、走り終わったあとにツラさではなく爽快感が残り、また次も走ろうという気になって自然と習慣化していくのです。
ジョギングを習慣にされている方は経験されていると思いますが、走り続けていればどんな方でも徐々に走れる距離はのび、スピードも上がってきます。そうするとさらに気持ちよさが増してくるので、楽しんで続けられるようになるのです。
同じことをやるにしても、どうやるか(How)を工夫することで気持ちのよさが大違いです。
以前の記事でご紹介した《ディアログ全体プロセス1−1:自分の傾向を知る》の演習結果を参考に、ぜひご自身にとって“イヤ”でない方法を考えてみてください。
新しいものにくっつける
すでに習慣になっているものに新しく始めることをくっつけるのも、継続しやすくなるコツのひとつです。
先程例にあげた、朝起きてすぐ顔を洗うことは自分の中では習慣として無意識にできることになっているわけですね。
すでに習慣になっている洗顔の直後に体重を測るようにすることで、まったく別のタイミングで体重測定するよりも容易に習慣化することができます。
簡単にできる状況をつくる、別の言い方をすると、やるのに負担の少ない、やらない言い訳ができない状況を作っておくことも大切です。
体重測定の例でいうと、いざ体重を測ろうとしたときに、体重計が引き出しの中にしまってあったらどうでしょう?
わざわざ取り出して測るのは面倒ですよね。そのためついつい測ることをやめてしまいがちです。
一方で目に見える、すぐ手が届くところに置いてあったらどうでしょう?
忘れることなく、面倒なく測ることができますよね。このようにできるだけ簡単にできる状況をつくっておくことがとても大切です。
わたしの場合は体重計を洗面台のすぐ横の見える場所に置いてあり、洗面後にすぐ測れるようにしています。
以前ゴルフをやっていた頃には、パターをゴルフバックにしまうのではなく、リビングの壁に立てかけておき、近くにボールも数個いっしょに置いていました。
ゴルフのスコアにはパッティングが大事と聞きましたので、パターをすぐ手に取れる状態にしておいて、暇があると練習ができるような状況を作っていました。
まぁそれによってどれだけ効果があったのかは正直何とも言えません… (笑)
過去の経験から学ぶ
過去の失敗経験からの学びも、続ける方法を見つけるには有効です。やろうとして続かなかったことの原因を「ディアログ」するのです。
これまでにみなさんがやろうとしたのに続かなかったことを 1つ思い出し、なぜ続かなかったのかをご自身の心 (内臓感覚)と正直に「ディアログ」してみてください。
そうすると本当にやりたいことだったのか、心から望んでいたことなのか、それとも一般常識や他人の目などを気にしてやらなければいけないと思ったことなのかがはっきりしてくると思います。
投稿の前段でご紹介した通り、わたしにとっての受験勉強がやろうとしたけれどうまくいかなかった例のひとつです。
当時はいい大学に入ることは世間的に正しいことで、良いことと思っていましたので、本人もそれを目指していました。
しかし本当に自分が勉強したかったのか、志望校に行きたかったのかと聞かれると、まったくそうではなかったなと今になって実感します。
一方同じ勉強でも30歳を過ぎて取り組んだUS CPA(米国公認会計士)の資格取得に関しては、本当に自分が心からやりたいと思って取り組んだことだったので、フルタイムの仕事をしながらの試験勉強でしたが、まったく苦にならずとても楽しく勉強できました。
本人にとって“イヤ”でないことは身が入るので、結果として2年かけて全科目合格することができました。
勉強する状況だけを考えれば、高校生の頃の方が勉強に注力できる時間は多かったでしょう。ところが仕事と掛け持ちで時間的に制約のあるUS CPAの勉強の方が成果がでているのです。
いかに“イヤな”ことが成果に結びつかないか、本人が心からやりたいことかどうかが結果に強く影響することがわかるかと思います。
ぜひみなさんも、これまでにご自身がやろうとしてうまくいかなかったことについて、なぜ上手くいかなかったのか? ご自身の心と正直に「ディアログ」をして何が原因だったのかを考えてみてください。これから始めることを続けられるヒントがつかめると思いますよ。
“イヤな”習慣はいつ起こる?
最後にみなさんがご自身でやめたいな、“イヤ”だなと思っている習慣がいつ起こるのか、発生するタイミングについても「ディアログ」してみてください。なぜその“イヤな”習慣が起こっているのかが明確になると思います。
例えば痩せたいと思っているのに、ついつい間食をしてしまう方、大勢いらっしゃいますよね(笑)。そういった方は、間食するのはいつなのかを「ディアログ」で確認してみましょう。
食事のあとなのか、あるいは何か仕事で嫌なことがあったときなのか、それとも3時になったらなど時間的なものなのか。
どんな状況でその“イヤな”習慣が起こっているのかを確認することで、“イヤな”ことが起こっている根本原因に気づくことができます。
“イヤな”習慣が起こっている根本原因がわかれば、改善に向けた対策を打つことができますよね。
“イヤな”ことが起こるタイミングで現在行っている悪い習慣を、別の良い習慣に変えることで比較的簡単に“イヤな”習慣を良い習慣に変えて続けることができるのです。
チャールズ・デュビッグ著『習慣の力[新版]』によれば、習慣をうまく定着化させるには以下のようなステップが必要です。
まずきっかけがあって、そのきっかけをもとに何らかのルーチン(習慣)が発生する。その習慣の結果何らかの報酬が得られる。
このサイクルが回ることによって習慣は定着化するといわれています。

間食の例でいうと、間食するのが仕事で“イヤな”ことが発生した直後だとわかれば、その“イヤな”ことが発生したタイミングで間食をするのではなく別のこと、例えば軽く運動する、コーヒーを飲むなど、より体重に悪影響の少ない習慣に変えることによって大きな変化を起こすことなく良い習慣へと切り替えていくことができます。
ぜひここまででご説明したコツを参考にしながら、ご自身が決めたことを習慣化して主体的・自発的・自律的 な生き方を追求してみてください。
あなたがやろうとしている事は決まりましたか?
それはいつ、どのようにやりますか?
2.実行・改善
1.計画・設定
1-1 自分の傾向を知る
1-2 やることを決める
2.実行・改善 ←ここ
2-1 決めたことを実行する
2-2 結果を振り返り、継続(改善)する
3.習慣化
3-1 無意識に続ける
3-2 定期的に計画を見直す
《1.計画・設定》で自分の傾向を把握したうえでやることを決めました。
次はいよいよ決めたことを実行していきましょう。
2-1 決めたことを実行する
《1−2 やることを決める》のステップで5W1Hに基づいて決めたとおりに実施し、行った結果を「記録」します。
「記録する」といってもそれほど細かい内容まで残す必要はありません。“イヤに”ならずに続けられる方法、あとから振り返って思い出せるレベルで結構です。
例えば、日々の食事を記録するのであれば、記録する方法は写真でもメモに文字で残すのでも構いません。また残す内容については何を食べたかまでの具体的な記録を残してもいいですし、どこで食べたか、場所だけを残すのもOKです。
私は、iPhoneのメモアプリに、どこで食べたかを記録しています。この記事を書くにあたって改めて見返してみると、2018年の元日、1月1日から記録をつけ始めていました。
記録するのは面倒に感じられるかもしれませんが、記録することで自分でやろうと決めたことを意識し続けることができますし、仮にやることを忘れたら、忘れたことを思い出させてくれる効果もあります。
記録(=データ)は数日分ではほとんど価値はありませんが、何ヶ月、何年と蓄積されるに従って価値が高まってきます。
「ディアログ(dearlog)」のlog(ログ)には、「記録する」という意味のほかに「丸太(まるた)」という意味もあります。ログハウスのログですね。
丸太が年輪を重ねることで太く立派になっていくように、自分でやると決めたことの記録を積み重ねていくことで、記録の価値は高まっていきます。
もともと“イヤな”ことをやらないために始めたことなのに、その記録をつけることが“イヤに”なってしまっては本末転倒です。《1-1 自分の傾向を知る》で再確認したご自身の好き・キライの傾向を参考にしながら、続けられる方法を模索してみてください。
わたしは先ほどご紹介した毎日の食事以外にもいくつか記録を残しています。
体重やジョギングの記録、読んだ本のリストや内容、仕事がら出張することが多いので、宿泊したビジネスホテルの印象などです。
ジョギングの記録は2011年から、本の記録は2012年から、体重は2014年から記録し始めました。
また今年になってコーヒーへの興味が高まってきましたので、自宅・外を含めて、いろんなところで飲んだコーヒーの味の違いを記録に残すようになりました。
下記のグラフが体重のデータです。2013年までほぼ58kg台の体重を維持していたのですが、2014年にいわゆる正月太りで60kgを超えたことをきっかけに記録を開始しました。出張等で体重が測れない場合を除いて、8年以上ほぼ毎日(当初は朝晩の2回、現在は朝1回)です。

一番古くからつけているジョギングの記録は、初期に使っていたジョギングアプリがサービスを終了してしまったため途中からアプリを替えました。長い期間記録していると、こういうことも起こります。
データを何に保存するのか、仮にサービスが終了した場合データ移行ができるかも考慮しておく必要がありますね。
ここでの「記録」が次のステップ《2-2 結果を振り返り、継続(改善)する》のベースになります。
ディアログの定義にある「記録」「観察」「対話」のひとつめが「記録」です。「記録」したデータをもとに、「観察」「対話」を通じて、うまくいった・いかなかった原因を追求し学びを得ることでよい習慣が定着していきます。
最後に、自分でやると決めたことでも、気分が乗らない、やりたくないと思うことが必ずあると思います。人間なので当然ですよね。わたしにもあります。
そんなときは中途半端にやらず、キッパリ休むことをおすすめします。人間は弱いので中途半端でもやってしまうと「やった」と考えたいものです。
中途半端にやるならキッパリやらない。それが次のステップに生きてきます。
2-2 結果を振り返り、継続(改善)する
日々やっていることから学びを得るために、やったことの結果を「観察」し、自身と「対話」しましょう。
食事であれば、前日に何を食べたか、その結果体重はどう変化したかを翌朝体重計に乗ったときに「観察」&「対話」します。体重計の数字に加えて、実際に体に触ったり、鏡で見たりして変化を確認するといいですね。
日々の「観察」&「対話」で自身の体への学びが深まってくると、前日の食事と活動内容(仕事、運動など)を振り返ると当日の体重を100g単位の誤差で当てられるようになります。ピッタリ当たると嬉しくなるので、ますます自分の体や生活への関心が高まります。
ただ体重を測るだけでなく、こういったゲーム感覚を加えることで体重測定が単なる作業ではなく楽しみになってきませんか?
体重以外にも、ジョギングであれば、運動したあとの体の状態の変化や、ジョギングしたときとしなかったときの違いなどを「観察」するのもいいですし、ストレッチをしたときの体の状態の変化なども「観察」&「対話」したいですね。
食べたものの体重への影響なども、ぜひ「観察」&「対話」してみてください。おもしろい気づきがあると思いますよ。
日々の「観察」&「対話」に加えて、「記録」も定期的に見返し「観察」&「対話」してみましょう。都度の変化に加えて長期的な傾向を掴むことができます。
先ほどお示しした体重の記録をみると、2014年の後半と2020年の夏に体重が減っているのがご覧いただけると思います。
2014年の後半は2015年のフルマラソン初参加に向けて体重が少ない方が記録がいいと聞きき、それに向けて食事を調整して体重を落としていきました。
また2020年の夏はコロナの影響でマンスリーマンションでの長期出張になったことをきっかけに、炭水化物の体重への影響を知りたくて、炭水化物を減らす食事に変えた結果が現れています。
長期的な傾向を掴むという意味では、この記事のタイトルにもなっている人間ドックの「記録」も、「観察」&「対話」対象として最適です。
前回の受診から自身で取り組んだことがどのような変化をもたらしているか、より詳しい数値で知ることができます。
試したことが良い成果に結びついているとますます色々と試すことが楽しくなって、50歳を過ぎても次回の人間ドックが待ち遠しくなりますよ。
やったことの「記録」を「観察」&「対話」し、思った通りの成果が出ているもの、少なくても“イヤに”なっていないものは、そのまま続けていきましょう。
問題は“イヤに”なったものをどうするかです。
《2-1 決めたことを実行する》の記事の最後に「中途半端にやるならキッパリやらない。それが次のステップに生きてきます。」と書きました。
「機械はポーズボタンを押すと、機械は停止する。
しかし、人間のポーズボタンを押すと、スタートするんだ」
ダウ・サイドマン
人間は機械と違い、一時休止し間をおくと再度動き始めます。ダメなときはキッパリ休むことで、再び続けることができるのです。
一時休止しても再度動き始めない(やりたい気持ちが起こらない)場合は、目標に立ち返り、自分の本当の気持ち(内臓感覚)とディアログしてみてください。
やりたくないのはなぜか?
たまたまなのか? やることが“イヤに”なったのか?
本当に心からやりたいことか?
「ディアログ」の結果、やはりやりたい気持ちが起こらない、または意識が変わってやる必要がないことがはっきりした場合は、その行動はきっぱりやめて、新たにやることを決めるところからスタートしましょう。
決めたことは継続できそうですか?
3.習慣化
1.計画・設定
1-1 自分の傾向を知る
1-2 やることを決める
2.実行・改善
2-1 決めたことを実行する
2-2 結果を振り返り、継続(改善)する
3.習慣化 ←ここ
3-1 無意識に続ける
3-2 定期的に計画を見直す
3-1 無意識に続ける
通常、習慣化までには3つの段階があるといわれています。
1. やらない
→2. 意識してやるやる
→3. 無意識にやる
3.ここまでくれば、その行動はあなたにとって習慣化したということです。
おめでとうございます!
どんな能力も生まれつきの才能ではなく、学習の質と量で決まる。
一方ではこんなことも言っています。
楽にこなせる範囲で満足し、同じことを繰り返していては、
いちど身につけたスキルも徐々に落ちてしまうのだ。
やることのレベルをあげていったり、新しいものを追加してみましょう。
3-2 定期的に計画を見直す
習慣化は高い成果に結びつくことがある一方で、「ディアログ」が疎かになると、やること自体が目的になってしまい、惰性になってしまう危険性があります。
やっていることを定期的に見直し、目指していることに向かっているか?、本当に必要か?確認してみましょう。
「ディアログ」した結果、わたしは自身の生活のなかで当たり前になっていたテレビと自動車を手放しました。
肥満児で動くのが嫌いだったこともあり、小さい頃からテレビが大好きでした。朝起きてから夜寝るまでずっとテレビがついている生活でした。さらに一人暮らしになってからは寝るときにもつけたままと、まさに一日中テレビ漬けの生活をしていました。
それが2012年の引っ越しを機にテレビを手放しました。
それから約10年経ちましたが、いまのところとくに困ったことはありません。
強いてあげれば、ネットでも書籍でも文字情報だけだと、新しくマスコミに出てきた方の名前の読み方がわからないとか、声を聞いたことがないことぐらいでしょうか。
ネットでは自分から能動的に調べないとわかりません。そのため、存在は知っていても特に興味がないタレントの方などについてはあえて調べようと思わないので、名前の読み方がわからない・声を聞いたことがないということが起こります。まあ不都合?があるとしてもその程度ですね。
一方、テレビがなくなったことで早寝早起きになりました。
以前は見るとはなしにダラダラとテレビを見続け、気がつけば夜中の2時、3時。それから寝ると起きるのは昼過ぎ。そしてまたテレビを見ながらダラダラ過ごすと、また2時、3時という感じでした。
テレビがなくなると、夜は本を読むぐらいしかやることがなくなる。結果として早く寝る。そうすると翌朝早く目が覚める。朝早く起きると、夜早く眠くなるので早く寝ると翌朝早く目が覚める・・・。この繰り返しで、早寝早起きが習慣になりました。
別途ご説明しますが、朝型になることが体型維持にはとても効果的、逆にいうと夜型生活はダイエットに関していえば悪影響が大きいと実感しています。
ダイエットを目指している方は、朝型への転換を目指してみてはいかがですか?
成功させるコツ
ここまで「ディアログ」の実施プロセスについてお伝えしてきました。
最後に成功させるためのコツをお伝えします。ポイントは3つです。
成功させるコツ
・やることを絞る
・決めたことは守る
・楽しんでやる
やることを絞る
無闇にやることを増やすのではなく、目指すことを実現するためのキモになること、1つか2つに絞ってやるようにしましょう。
例えば5つのことをやろうとした場合、それぞれに使える力は20%になります(100%/5=20%)。しかしやることが5つもあると、結局1つはできなかった、もうひとつは半分しかできなかったとなって、結果的に70%しか力を使えなかったという事態に陥りがちです。
(20%x3個+10%x1個+0%x1個=70%)
みなさんも、そういう経験はないですか?
一方ひとつのことに集中すれば、仮に80%しか力が使えなかったとしても、5つに力を分散した場合の70%より多くの力を使うことになりますので、成果に結びつきやすくなります。
「20世紀の知的巨人」「マネジメントの父」と称されるピーター・ドラッカー氏も、ひとつのことに集中するメリットについて述べられています。
時間と労力と資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種類が多くなる。これこそ、困難な仕事をいくつも行う人の秘訣である。
一時に一つの仕事をする。その結果、他の人よりも少ない時間しか必要としない。
成果をあげられない人のほうが多く働いている。
さらにキモになるひとつを変えれば、連鎖的にすべてのものが良い方向に変わっていきます。
体を例にとれば、まず体重を意識する。そうすると自然に食事や運動について考えるようになります。
何を食べると体重に良い影響があるか?
どんな運動がダイエットに効果的か?
そして食事や運動の効果があらわれ体重が思い通りになってくれば、今度はより美しいスタイル(筋肉)に意識が向くのです。
このようにキモになる数少ないものに集中することが、実はもっとも短期的に効果をあげるコツなのです。
(偶然この記事を書いているときに、80代の男性の方と健康についてお話しをする機会がありました。その方は、血圧を意識することで自然と食事や運動について考えるようになったそうです。キモになる数少ないものに集中することの効果を再認識することができました。)
ここでひとつ注意していただきたいことがあります。
特に体に関することでは、ひとつに絞ろうとすると「これだけ飲めば(食べれ)ば痩せる」「これだけ塗れば若くなる」といった類のものに頼ろうとする方がいらっしゃいます。頼りたい気持ちもわからなくはありませんが、個人的にはこの手のものにほとんど効果は期待できないと考えています。
何かに頼る(すがる)のではなく、主体的に取り組むものに絞り込みましょう。
決めたことは守る
「決まり」は自分との約束ごとです。他人から強制されたわけではなく、自分で自分と約束してやると決めたわけですから、必ず実行するようにしましょう。
自分自身に軽蔑されることをしなければ、だれも、他人に軽蔑されることはないのです。
すでに習慣になっているものに新しいものをくっつけて、負担が少なくやらない言い訳ができない状況をつくる。やろうとして続かなかった原因を自身の心と正直に「ディアログ」し“イヤ”にならない方法にするなどして、決めたことは続けるようにしましょう。
わかってはいても人間なのでついつい面倒になって、いろいろな理由をつけてサボろうとしがちです。
「今日は残業で遅かったかやらなくていいな」、「天気悪いし・・・」
しかし「一度だけなら」と思って例外を作ると、必ずまた例外が出てきます。
『イノベーションのジレンマ』で有名なハーバード大学のクレイトン・クリステンセン教授はこうおっしゃっています。
100%守るほうが98%守るよりたやすい
どうしても守れないことが続くようなら、目標に立ち返り自分の本当の気持ち(内臓感覚)と「ディアログ」してみてください。
・やりたくないのはなぜか?
・たまたまなのか? やることが“イヤに”なったのか?
・本当に心からやりたいことか?
「ディアログ」の結果、やはりやりたい気持ちが起こらない、やることに効果がないと感じるなど”イヤな”理由が明確になった場合は、その行動はきっぱりやめて新たにやることを決めるところからスタートしましょう。
楽しんでやる
決めたことを実行し成果に結びつけるには、一定期間継続することが必要になります。効果が実感できるようになるまでにはある程度の期間が必要です。
わたしの経験では、ダイエットでも筋トレでも短期的に成果を求めて極端なことでもしない限り、何らかの成果が実感できるようになるには、少なくとも3ヶ月程度はかかると考えておいたほうがいいでしょう。
しかし人間である以上、日々気持ちの変化があります。
すごく気分が乗ってウキウキと実行できることがあるかと思えば、どうしても気分が乗らないこともあるのが当然です。
そのため、いわゆる「根性・努力・ストイック」では続きません。
”イヤな”ことを無理して続けることはできないのです。
記事の前段でもご紹介しましたが、ストイックの語源となった「ストア派」の考えるストイックとは、”イヤな”ことを無理してやることではなく、いかなる逆境にも動じない不退転の強さ(ニール・アドミラーリー)だと理解しています。
ストア派が説くのは、人間は不幸にひたすら耐えるしかないのだという忍従の哲学ではない。
むしろいかなる逆境にも動じない、不退転の強さなのである。
「根性・努力・ストイック」に期待するのではなく、いかに楽しんで実行できる方法を考えるかが重要です。
また楽しんで続けたことで、かなりの時間が経過した後に思いがけない成果が実感できる場合もあります。
このnoteの記事の中でいくつかの本の引用をしていますが、この記事の引用には私がiPhoneのメモアプリに残している読んだ本の内容の記録メモを使っています。
皆さんは、調べたいことが以前読んだ本に書いてあったことは思い出せるけど、どこに書いてあったか思い出せずにくやしい思いをしたことはありませんか?
私は学生の頃から、読んだ本の内容検索ができたらいいなと思っていたのですが、今から30年以上前にはそんな方法はありませんでした。
(少なくても私は知りませんでした)
その後amazon社から電子書籍リーダーのKindle(キンドル)が発売になったとき、ついにやりたいことが実現できると思ったものです。しかし残念ながら、発売当時のKindleは読める書籍の数が少なかったことと、本を「読む」という行為を考えた場合、私には紙の本のほうが心地よかったので、「読む」のは紙の本、「記録する」のは電子媒体(iPhoneメモ)と役割を分けることにしました。
詳しい説明は別の機会に譲りますが、読んでいるときにメモしたい箇所に出会ったら、しおりの切れ端を挟んでおいて、読み終わった後に該当箇所をまとめてメモアプリに入力しています。
「ひとりキンドル」と名付けています(笑)
これまでも調べものをするときにこの書籍内容のデータを活用することはありましたが、今回のnoteへの投稿ほどこのデータが役に立ったことはありません。
調べてみると、2012年10月からデータが残っていました。それから約10年で450以上の書籍内容データが残っています。
(本だけでなく、雑誌や新聞記事の記録も含みます)
もともと調べたいことが見つからず、くやしい(=”イヤな”)思いをしたのを何とかしたいと考えたところから始まりましたが、入力することを楽しく続けていたことでデータが蓄積されnoteの記事投稿に活用することができたのです。
1冊の内容をメモするのに1〜2時間かかる場合もありますので、大変だなと感じられるかもしれません。しかしワイン同様、手間と時間が掛け算されると熟成は高まります。
短期間での成果だけを期待するのではなく、大きな成果を得るためにはある程度の時間がかかることを認識しておく必要があります。
もちろん手間と時間をかけたとしても、必ずしも報われるとは限りません。報われる可能性を少しでもあげるためには、やはり”イヤ”でないこと、好き・得意・心地よいことに注力することも大切です。
目標はこうだ。
自分がいちばんよく仕えうるところに、自分の流儀や特性や天分が最上の地盤と最大の活動の分野を見出しうるところに、常に自分を置くことだ。
それよりほかの目標はない。
皆さんも「ディアログ」を活用し、ご自身の心地よい場所に向かって、主体的・自発的・自立(自律)的な生き方を追求してみませんか?
最後に ー ダイエットより大切なこと
充実した人生を過ごしている最大の理由
もともと子供時代の肥満体型をなんとかしたいとの想いから、痩せるための試行錯誤を繰り返したことがきっかけでした。
その後の40年以上にわたる自身の経験と「巨人の肩の上に立つ(先人の知恵を活用する)」ことで「ディアログ(dearlog)」と名付けたフィロソフィ(知恵・思考法)が形作られました。
わたしは西暦1967年(昭和42年)生まれ、この記事を投稿した2022年1月28日現在では55歳です。
50代の男性は全世代の中で最も幸福度が低いとの調査結果もあるようですが、有難いことにわたしはこの年齢でも投稿のタイトルにもなっている人間ドックを楽しみにできる体型を維持できていますし、仕事もプラーベートも充実していて幸せな人生を過ごしていると感じています。
特別な才能や能力が備わっているわけでもないのに、なぜ50歳を過ぎて公私ともに充実した人生を過ごせているのか?
その最大の理由は、以下の3つのことを実践しているからです。
自身の傾向を踏まえて、自分でやることを決めている
イヤにならない方法で、楽しみながら決めたことを続けている
定期的に振り返りを行い、学び続けて改善に活かしている
「ディアログ」という自身で確立したフィロソフィに則って、主体的な生き方をしていることに尽きます。
はじめからうまくいったわけではない
「ディアログ」は初めから順調に形になったわけではありません。成果に結びつかない期間が長くありました。中学・高校時代の成績は真ん中より下でしたし、大学受験でも第一志望には現役、一浪と2回挑戦していずれも不合格でした。
それが大学を卒業し社会人としての経験を積んでいく中で、徐々に成果に結びついていった印象があります。この最大の要因は、「学び」ができるようになってきたこと、ほんとうの学ぶ人間に近づけていることだと感じます。
人間の知能には「流動性知能」と「結晶性知能」があるといわれています。前者は、主に情報処理、記憶保持、演繹的推論等を行う能力で若いときの方が優れている。
一方で後者は時間をかけて蓄積されていく情報や知識、知恵、戦略のことで、年齢を重ねるとともに強まるタイプの知能だといわれています。
年齢を重ねるとともに「結晶性知能」が強化されたことも一因でしょう。
加えて、学生時代とは異なる種類の学びに適応できるようになったことが大きいと思います。
「知識」を得る勉強、「知恵」を得る学び
何かを学ぶことには大きく2つの種類があると考えます。
勉強(Study):「知識」を得るもの
学び(Learn):「知恵」を得るもの
「勉強」とは、人類のこれまでの歴史の中で先人たちが残してくれた英知の結晶である「知識」を学ぶものです。学生時代には「先生」といわれる方から受動的に教わるものでした。
「巨人の肩の上に立つ」という言葉があるように、先人の知識を活用することは、小人である我々が遠いかなたを見渡すためには効果的な手段です。
しかし、私たち一人ひとりが主体的に自分自身にとっての“正解”を決めていく必要があるこれからの時代には、これだけでは充分ではありません。
先人の英知の結晶である「知識」をベースにしながら、自身の経験を「観察」し、「問い」を立てて「対話」を積み重ね、能動的に自らの頭で考え続けて答えのない世界を生きていくための「知恵」を得ることがより重要になります。
大人には「知識」以上に「知恵」が必要なのです。
「ディアログ」を通じて自身の知恵が増えてきたことも、充実した人生を過ごしている大きな要因です。
Born to learn
「ディアログ」により年齢を重ねるごとに学びが深まっている実感はありますが、決して「ディアログ」が完成したとは思っていません。
学びとは一生をかけておこなっていくものだと考えているからです。
生きることは全生涯をかけて学ぶべきことである
閑暇は学びがなければ死に等しく、生ける人間の墓場でしかない
近い将来には、これまで出来ていたことがうまく出来なくなる、あるいはまったく出来なくなることも起こるでしょう。年老いた親の姿を見ていると、そうなったときのやるせない気持ちが痛いほどわかります。
そういった”イヤな”事態が発生したときにどのように対処するのか、「ディアログ」を通じて更なる学びを得て、”イヤ”を楽しみに変える方法を見つけていきたいと思っています。
充実した毎日を過ごしていますか?
翻ってこの記事をお読みいただいているみなさんは、ご自身が望んだ通りの充実した毎日を過ごされているのでしょうか?
いまほど多様性(個性)が尊重され、自分で自分の生き方を決められる時代はないにもかかわらず、これまでの常識(”答え”)に縛られて生きづらさ、息苦しさを感じている方が多いように見受けられます。
テクノロジーの進展や自然環境等の変化、グローバル化などにより、VUCA(ブーカ)と呼ばれる不確実で先の見通せない時代になりました。
5年後・10年後はもちろんのこと、来年・再来年ですらどうなっているか見通すことが難しくなっています。
変化の少ない時代であれば、親や上司といった年長者が過去の経験から“答え”を教えてくれたかもしれません。何が正しいのか、どんな方向に進めばよいのか?
しかし不確実性の高まった現代では誰も“答え”を知りませんし、多様性が尊重される現代においては、万人に共通する“正解”はありません。
私たち一人ひとりが、自分自身にとっての“正解”を自分自身で決めていく必要があるのです。
自分の心の声(内臓感覚)に素直に耳を傾け、自分にとっての答えを見つけて、実現に向けて必要なことを学び続けていくのです。
常に新しいことを学び試してみる。
そして結果を観察し修正を加えていく。
しかもそれを楽しんで継続していく。
答えのない時代に有意義な生き方をするためには、過去の正解である知識に加えて、主体的・自発的・自立(自律)的 な生き方を自らの頭で考え追求するための知恵も必要です。
いつからでも大丈夫
アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン著『ライフシフト2 100年時代の行動戦略』によれば、 人間には「再帰性」があり、人生のどの段階にある人でも、みずからの行動を通じて自分の未来に好ましい影響を及ぼすことができるそうです。
「もう歳だから」と諦めるのではなく、今日から自分なりの答えを見つけはじめませんか。
親(子)のため、夫(妻)のため、友人のため、会社のためといって、あるいは周りの目(空気)を気にして自分を偽り、心から望んでいないことをやっても周囲の人を幸せにすることはできません。
まず自分が幸せになることで、最終的に周りの人も幸せにできる余裕が生まれるのです。
周囲の人たちの役に立つためにも、自分の気持ちに素直になって、まずは自分自身が充実した人生を過ごせるようになることから考えましょう。
答えはあなたの中にある
残念ながら「ディアログ」はみなさんが幸せになる「答え」を提示するものではありません。哲学同様、「考え方」や「問い」を示すことにより、自分なりの「答え」を見つけるためのヒントや知恵をお伝えするものです。
答えはあなた自身が知っています。あなたの中にあります。
これまでの記事で「ディアログ」にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひご自身で試してみてください。
みなさんの人生を幸せにするために、「ディアログ」が少しでもお役に立てればこれ以上嬉しいことはありません。
自身の心の声(内臓感覚)との「観察」、「記録」、「対話」を通じた学びを習慣化することにより、主体的・自発的・自律的 な生き方を追求してみませんか?
ありがとうございました。
芦屋みちお
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美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。