旅人に優しい街で金メダリストに会う!松本一人旅2泊3日【後編】
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
あーる先生です。
今回も引き続き長野県松本市一人旅です!
(一つ前の【中編】については、以下の記事をご覧ください)
かな〜り充実した2泊3日となりまして……
3部作でお届けしております🎵
それでは、【後編】スタートです!
3日目:一生忘れない宝物の日
3日目の始まり - 朝の予定が狂いはじめた
はたまた、前日の歩数を見て驚きました。なんと12,127歩!
この日の朝は、さすがに2日間の観光で疲労が蓄積していたのか、朝なかなか起きられませんでした。
それならば「エネルギーを蓄えよう!」と、朝食バイキングをゆっくりと楽しんでしまい、結局チェックアウトして荷物を預けてホテルを出たのが9時45分頃。
本来なら8時半には出発する予定だったのに、すでに1時間以上の遅れです。
最終日のメインイベントは、なんといっても元スピードスケート選手でオリンピック金メダリストの小平奈緒さんが始めたコーヒー屋さんに行くこと。
二日前の「Climbing Coffee」公式Instagramの投稿をチェックし、改めて住所、営業時間などを確認。
さらに「暑い日は、迷わずアイスコーヒーを。やさしさは豆から、涼しさはこの一杯から。」という投稿内容とオシャレなコーヒーの写真から、わたしの心は完全にアイスコーヒー一択になっていました。
本当に小平選手(わたしの中では応援していた現役時代の印象が強いので、脳内で小平“選手”と呼ばせていただいております)がInstagramの通りのエプロン姿で立っているのだろうか?
もしお会いできたら、なんて声をかけようかな?
そんな淡い期待を胸に、足の疲れもすっかり忘れて軽やかに向かいました。
予想外の事態
ホテルから15分ほど歩いて到着すると、確かに相澤病院の真隣にコーヒー店らしきものがありました。

黄色い看板が、まだ出ていない。
しかし、入り口には一人のおじさんしかおらず、しかも白いTシャツ姿の店員さんらしき男性と何やら話し込んでいます。
「緊急でメンテナンス中で、終わらないとお店の中に入れません。テイクアウトならできるけど...」
・・・え、メンテナンス中???
確かに、よく見るとおじさんの他に、作業服を着た男性2名が何やら床や壁をチェックしています。
店内の様子は絶対に見たい!
あわよくば小平選手とお話をしたい!
テイクアウトという選択肢は、わたしの中にはありません。
先に来ていたおじさんも諦めきれないのか、入り口前にあるベンチエリアに座り込んでしまいました……。
そして、心の雲行きが怪しくなるのと同時に、空の雲行きも文字通り怪しくなってきました。
そう、この日は午後から完全な雨予報。
朝のニュースでは、わたしの自宅方面が警報級の豪雨になるかもしれないと、事前準備を促すような内容も見受けられました。
帰りの特急列車(あずさ)の乗車時刻は13時10分。
普段であれば、ホテルに戻って荷物を受け取り、そこから駅に向かって乗車するのに30〜40分確保すれば大丈夫なはず。
しかし、万が一、豪雨の影響で新幹線や電車が止まりそうなのであれば、もう少し早く旅を切り上げ、列車の時間を変更してでも自宅に着きたい思いがあります。
時刻は、10時。
いつ開くかわからないオープンをこのままベンチで待つべきか
諦めて、違う観光スポットを時間の許せる限りみて帰るべきか
どちらにすべきか、頭の中がグルグルしてきます……🌀
わたしは、自分の行動を深く後悔しました。
なぜ、1日目や2日目にここを訪れなかったのだろう。
理由はいくつかありました。
他の観光スポットと方面が違うため、予定に組み込みにくかったこと。
他の観光スポットと同じ日に計画すると、前後の予定が気になって集中できないんじゃないかと思ったこと。
小平選手に馴染みのある松本の街を体感してから、まるで住人の一員のような気持ちで落ち着いてコーヒーを飲めたらいいなと思ったこと。等
でも、こういう事態になってくると、理由をつけて旅の最終日に最大の目的地を回していた自分がバカらしくなってきます。
とりあえず、じっとしてたらダメな気がする……
こういう時はフィーリングに任せて行動しがちなわたしは、気づけばまた歩き出していました。
深志神社での切実な祈り
どうしようかと周辺をうろうろしていると、近くに「深志神社」という立派な神社を発見しました。

藁にもすがる思いで境内へと足を向け、手を合わせ、心の底から願いました。
「〇〇から来た、あーる先生(仮名)と申します。どうか、小平奈緒選手に会わせてください。会えたら、きっとわたしの人生が変わると思うんです。本当にお願いします。」
なぜ、このタイミングで小平選手に会うことにこだわっているのか。
これは完全にわたしの個人的な都合でしかないのですが、13年間教員という仕事をしてきて、現在休職中の自分。
noteの記事にはできるだけ前向きなことを書こうと努力しているので、あまりそう思えないかもしれないのですが、やはり不安なことも沢山あります。
35歳という年齢にもなり、新たな仕事に就くべきか、それとも教員として復活すべきか……
頭では「教員に戻るという選択肢は違う気がする」というのは理解しているのですが、行動に結びつけるにはやはり勇気がいるんです。
そんな中、あれだけスケート選手として大成した小平選手が、まさかのカフェ店員に転身。しかも、39歳で。わたしより先輩です。
一度でいいから直接お会いして、その人柄に触れてみたい。
きっと人生の指針となるような何かを感じられるはずだ。
なんかそういう直感のようなものが、この時強く働いていたからです。

長々と考えを巡らせ、深々とお辞儀をし、
参拝を終えると、賽銭箱の横に1回100円のおみくじが置いてありました。
せっかくだからと、軽い気持ちで引いてみると……

結果は...
「旅行(たびだち)」の項目に「よろし 急ぐな」の文字。
まるで今の状況を見透かされたような、不思議な偶然に鳥肌が立ったのを覚えています。
そうだ、急ぐ必要はない。一旦他のスポットを回ろう!
商店街での心の整理
わたしは心残りだった中町通りと縄手通りへ向かいました。
そう、2日目に行ったものの定休日のお店が多く、しっかりと見られなかった商店街のエリアです。
深志神社からは徒歩20分ほどで、まあまあの距離がありましたが、「この旅でやり残したことをゼロにした方がいい気がする」という自分の直感とおみくじの結果に従っていました。
特に縄手通りには「カエル大明神」があることを思い出し、そこでも同様に手を合わせました。

「〇〇から来た、あーる先生と申します。・・・(以下略)」
もはや、松本の神様仏様すべてにお願いしている感じになっています(笑)
カエル大明神の隣にはたい焼き屋さんがあり、昨日は閉まっていたのですが、今日は空いていました🎵
とりあえず気持ちを落ち着かせようとクリーム鯛焼きを購入。

クリーム味をチョイス!
外はパリッと中はクリーミーで、不安で張り詰めていた心を少しだけ和ませてくれます。
ベンチに座ってたい焼きを頬張りながらあたりを見渡すと、昨日とは違って活気のある商店街の様子が見られました。
その後、中町通りでいくつかのお店に入ってみたり、川沿いをぶらぶらと歩いてみたり……。
ここにきて、ようやく二つの商店街の本来の姿を体感できた気がしました。
心も整ってきました。
運命の再訪
再び25分ほどの道のりを歩いて「Climbing Coffee」へ向かいました。
11時ちょうどに到着すると、先ほどはおじさん一人だけだったベンチエリアに、なんと3組ほどのお客さんが座って待っています。
なお、あのおじさんは諦めて帰ったようでした。
「ああ、まだメンテナンス終わらないのか...…」
5分ほど待ったのですが、やはり看板は引っ込められたまま。
時間的にも厳しく、諦めかけたその瞬間でした。
突然、朝の店員さんが現れ、「OPEN」の看板を外に出したのです!
にも関わらず、待っていたお客さんたちは我先にと動き出す様子がありません。
店員さんも若干戸惑って、「店内に入られたい方から、順番にお入りください」と促しました。わたしは気がつくと一番に駆け寄り、扉が開いた瞬間に店内へ足を踏み入れていました。
こうして、この日の1番目のお客さんになることができたのです。
忘れられない時間
メニューを見て、デザートメニューにも一瞬心が動いたが「アイスコーヒーで」と注文。
席は自由とのことだったので、せっかくならとお店の全体が見渡せそうなソファー席に座りました。
店内は、想像以上に素敵な空間でした。
内装はInstagramで予習した通りの、白と明るめの黄色とグレーを基調とした北欧テイスト。
流れている音楽は、朝にぴったりの前向きな洋楽。
お店中央に並ぶ、丁寧に手入れされたコーヒー器具の数々。
店員さんは、先ほどの男性の他に、もう一人いらっしゃいます。
お店が想像以上に広いので、この規模のカフェを常時2人で運営しているのならよほどテキパキと動かないと難しそう……
・・・って、あの店員さん、小平選手じゃん!?
キャップとエプロン姿で、黙々とオーダーの品を作っている小平選手。
その姿は仕事のできるカフェ店員そのものだったので、入店時にはうっかり気が付きませんでした。
そうこうしているうちに「1番の方〜」と呼ばれ、なんと小平選手がわたしのアイスコーヒーを手渡ししてくださったんです!!!!!
咄嗟にわたしは「Instagram毎日見てます!」とだけ伝えました。
多分、緊張で手が震えていたと思いますが、トレーが付いていたので大事には至りませんでした(笑)
小平選手も笑顔で「ありがとうございます」と言ってくださいました。
コーヒーの甘さの不思議
席に座り、例のアイスコーヒー(550円)を一口飲んでみます。
なんだか、ほんのり甘い。なぜ?
わたしは正直コーヒーに詳しくないし、普段はコーヒーよりも炭酸の飲み物をこよなく愛しています(旅の最中も大体炭酸飲んでるから、今更紹介しなくても皆さんご存知ですよね)。
ですが、ここのコーヒーは、お世辞抜きになんか甘いんです。
きっと、コーヒーが苦手な人や子どもでも飲みやすいように考えて淹れられているんだろうな……。
そんなことを考えながら、また店内を見渡してみます。
写真撮影がNGなので、この空間を絶対忘れないように目に焼き付けておこうとじっくり見ていました。
それぞれの思い
オープンとともに、絶えずお客様はやってきます。
自分の他に来ている方々は、遠方からのファンというよりも地元の方なのでしょうか。
「奈緒ちゃん、元気にしていた?」なんて話しかける方もいれば、前情報を全く知らずに来て、その姿を見て初めて「まさか、あのスケートの小平選手ですかっ!?」と驚いている方もいらっしゃいました。
「自分がこのお店にいることを日常にしたい」と発信していた小平選手。
先ほども書いた通り、佇まいが本当にカフェ店員そのものなので、何の情報も無しに来店された方は、後ろ姿だけでは気がつかないと思います。
8月11日の山の日にオープンして、約1ヶ月。
小平選手にとって、Climbing Coffeeが完全に新たな居場所になっているその様を見て、何だか胸が熱くなりました。
別れの時が真の出会いの時
お客さんの中には、店内にある本を読みながら、ゆったりとした時間を過ごされている方もいます。
わたしも時間が許す限りゆっくりしていきたかったのですが、先ほど述べた理由から時計を気にせずにはいられません。
あっという間に1時間ほど経ち、時刻は12時。
コーヒーのグラスも空っぽに。
沢山歩いてかいた汗もすっかりひいて、気持ちも落ち着いてきました。
お客様も徐々に退店し始め、わたし&本を読んでいる方だけしか店内にはいないようです。
「そろそろ帰らなきゃだな……」
キャップを被り直し、リュックを背負って、トレーごとカウンターに返却しようと立ち上がりました。
人生の指針に出会う
カウンターには、小平選手が待っていました。
多分、わたしが話しかけたそうにしていたのを察して、待っててくださったんだと思います。
この場で何を伝えるべきか……
「いつもInstagramとXを見て、応援しています!」
「前髪がアシメの時、すごい素敵だったんで、実は真似したことがあります!」
「いつもお洋服とか、どこで買ってるんですか?」
言いたいことは沢山あるけど、わたしはやっぱりこの場では感謝を伝えるべきだと思いました。
(以下、実際のやり取りそのものを忠実に再現しました)
わたし:「コーヒー、美味しかったです。私、中学校の教員をやっていて、よく奈緒さんの言葉を授業とか学級通信とかに使わせてもらっていて。それで、お礼も言いたくて神奈川県から来たんです。」
奈緒さん:「そうなんですね。ありがとうございます。」
わたし:「朝来た時はメンテナンス中ってことで閉まっていて…会えないかもしれないと思ったので、こうしてお会いすることができて本当に嬉しいです」
奈緒さん:「お待たせして、すみませんでした。今日は朝から排水の調子が悪かったので……」
なるほど。だから、朝業者の人を呼んで直そうとしていたのか。
お礼も伝えられてよかった。そう思って安堵していると……
奈緒さん:「今日は、学校は?」
・・・ですよね〜、疑問に思いますよね〜
ある意味当たり前の会話なのですが、サラッと終わらず、会話が続くと思ってなくて油断したわたしは一瞬考えました。
休職のことを言うべきか言わないべきか。店内には他のお客さんもいるし、この明るいカフェの雰囲気が暗くなるのもちょっと怖いし……でも……
わたし:「実は10何年教員をやって来たんですけど、今、転職を考えていて、休みをもらって来ました。奈緒さんも初め教員になることを考えていましたよね?」
奈緒さん:「はい。それで大学に通って教員免許をとって。」
わたし:「それを知った当時、同僚になれるんじゃないかって少し期待してました(笑)でも、コーヒー屋さんに転職していて、驚きました。」
奈緒さん:「ああ(笑)先生にならなくても学びの場を提供できるんじゃないかと思って。場所さえあれば。」
わたし:「(うんうん)」
奈緒さん:「今はコーヒー屋さんのベースが整っていないのでまだですが、ベースができたら、土曜日とかに子どもたちに学びの場を提供できたらって考えています。」
わたし:「なるほど」
奈緒さん:「学校の先生じゃなくても、学びを提供することはいくらでもできると思ってます。」
わたし:「ですよね! わたしは(休みをもらったからには)まずは一人旅しようと思って。それで、周りの人から松本がいいって言われて」
奈緒さん:「そうなんですね。たくさん素敵な場所があるので、見て行ってくださいね。」
わたし:「ありがとうございます。応援しています。また来ます!」
奈緒さん:「またお待ちしています。お気をつけて」
・・・(ペコっと頭を下げてお店を出ていくわたし)
・・・(心の赴くまま歩いて、ふと気づく)
・・・ちょっと、普通に会話できてたこの状況、凄すぎません!??
(ていうか、気づいたら「奈緒さん」とか普通に呼んでるし💦)
金メダリストで憧れの人物と「教育の未来」について語ってしまったこの状況に、興奮がおさまらず、近くの公園のベンチに座り込む。
気づけば、不思議と空がすっかり晴れていました。
これだったら、通常通りの時間で特急列車も来るはず。
そう思ったわたしは、とにかくこの出来事を忘れまいと必死にスマホのメモ機能に打ち込みました。

特急列車が動いてよかった
そうこうしているうちに、時刻は12:30。
まずい! ちょっとゆっくりし過ぎた!!
13時10分の列車に乗るわたしは、得意の早歩きで15分かかるホテルまでの道のりを10分に短縮。
カウンターの方に迅速に対応していただき、トイレも済ませて12:50。
そこから早歩きを続行し、13:00に松本駅着。
New Daysでお昼を購入、13:05。
そしてホームに辿り着いたのが、13:10。
首都圏の大雨の影響で3分遅れていたのが功を奏して、無事に乗車することができました。今日はなんて運の良い一日なんだろう。

最後の最後まで信州の味を楽しみながら、無事に帰路に着きました。
この3日間を振り返ると、予定通りにいかないこともたくさんあったけれど、だからこそ出会えた奇跡もありました。
おみくじの「よろし 急ぐな」という言葉が、この旅のハイライトを表現しているようで、本当に不思議です。
人生は予定通りにはいかない。
でも、その予定外の出来事の中にこそ、本当に大切なものが隠されているのかもしれない。
その隠された大切なものを、わたしはもっと探っていきたい。
めでたし、めでたし。
「属さない」という道を選択した。
「指導者にならないんですか?」
「学校の先生にはならないんですか?」
誰もが想像するアスリートのその後を生きているわけではないけれど、私は今をとても活き活きと生きている。
Climbing Coffee というフィールドができるまで、本当にいろいろなことがあったけど、これからはココを拠点に日々を生み出せる。
目標とする頂の景色を見ることを、とにかく焦らない。
まずは、おいしいコーヒーを淹れること。
コーヒーと愉しめる“うちの焼き菓子”をつくること。
ステップを踏んで、軸をぶらさず、じっくりと。
毎日、たくさんのスキ❤️、フォロー、本当にありがとうございます。
ボリュームたっぷりの3部作でしたが、いかがだったでしょうか?
この記事を書いている最中にふとスレッドを開いたら、上記の内容が更新されていて、また松本での会話を思い出した次第です。
「属さない」という道を選択した。
この奈緒さんの言葉が、またわたしの心に深く根を張っていきます。
現に、昨日(日付が変わったので正確には一昨日)の日曜日に心療内科に行き、診断書を取って学校に送ったばかりですので……
なんか大袈裟かもしれないのですが、
休職してからここまでの約70日間、まるで一つのドラマや小説のように色々な人との出会いがあって、その度に自分の心を動かす言葉があって、不安もあるのですが「確実に前に進んでいる感」があるんです。
そして、その感覚が、三週連続旅行企画の最終目的地である「富山旅行」で、なんか確信に変わる気がします。
そういう出来事がまた、ある気がする。
本当に勘でしかないのですが、今はその勘を信じるのみです!
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(下記のリンクから聞けます)
次回も、お楽しみに〜
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