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寅次郎とシンジ~男はつらいよ番外編




 夕方、東京葛飾柴又の帝釈天をぶらりと歩く顔の四角い男。中折れ帽を被り腹巻きにトランクという今どき見かけない風体である。
 近くの題経寺からぼーん、ぼーんと鐘の鳴が聞こえ空には烏が一羽飛んでいる。
「……この辺もしばらく見ねえうちにすっかり変わっちまったな」
 春とはいえ夕方はまだ寒い。
 寅次郎は公園のベンチに腰かけると懐からワンカップ大関を取り出し蓋を開けて一口呑んだ。そうして辺りを見回すと隣のベンチにひとりの少年がいることに気づく。
「おい、そこの少年。そんなところに座ってっと風邪ひくぜ」
「……」
 白いワイシャツに黒ズボンを履いた少年は深くうなだれたまま何も答えなかった。
「なんでえ人が親切に言ってやってんのによ」
「……なんですあなた? 僕は今落ち込んでいるんですよ」
「俺かい? 俺はね。葛飾柴又の車寅次郎ってんだ。少年、おまえはなんてんだ?」
「僕は……碇シンジっていいます」
「へえ、碇シンジね。どっかで聞いたような名前だな。……でシンジくんよう。一体こんなところで何してんだ? 家出か? 悩みがあるなら聞いてやるぞ」
「おじさんに言ってもどうせ分かりませんよ」
「なんでえその生意気な口の聞き方は。おまえ、若い頃の満男にそっくりだな」
「誰です? 満男って?」
「おじさんのな。たった一人の甥っ子よ。昔は生意気なことばっか言うやつだったけどな。今は心を入れ替えて沖縄の孤島で医者をやってんだ」
「そうですか。僕には関係ありませんけどね」
「あ、そうだ! おまえ、どっか悪いんだろ。満男に診てもらえばたちどころに良くなるぞ」
 シンジの側に来て肩を掴む寅次郎。
「ちょっと止めて下さいよ。僕はどこも悪くありませんて」
「なんだよ青瓢箪みてえな顔してよ。だったらあれか? 恋の病か?」
「……」
「なに赤くなってんだ。さては図星だな」
「違いますって」
「なんだよ。違うならちゃんと訳を言ってみろ」
「……」
 やがて観念したシンジはぽつりぽつりと語りはじめる。じっと耳を傾ける寅次郎。


「……どうもおまえの話はよく分かんねえけどよ。ここに居たって行くとこがねえんだろ。さ、行くぞ」
「ほっといてください。だいたい行くったってどこに行くんです?」
「くるま屋ってえ団子屋だ。この通りを真っ直ぐ行って右にある。古くせえとこだけどよ」
「おじさん。多分もうそこはありませんよ」
「なに言ってやがるんだ。無いなんてことがあるかい」
「だって僕がニアサーを起こしたせいで、ほとんどの人は死んじゃったんですから」
「なに? 死んだ? 冗談言っちゃいけねえ。それなら俺が今まで会った人間は幽霊とでもいうのかい? え? そんな訳ねえだろ」
「……それは多分、おじさんが幽霊なんだと思います」
「なに? 俺が幽霊だと?」
 そう言って自分の顔を指差す寅次郎。
「少年、それを言っちゃあ、おしまいよ」




 結局シンジは行くあてもないので寅次郎についていくことになった。
「おーい! 今帰ったぞ。さくらいるかー?」
 くるま屋ではちょうどその時、蝶ネクタイにワイシャツ姿の店長、三平が最後の客の会計をしていた。
「あら寅さん。今帰ってきはったんですね。ちょっと待ってください。今奥さん、呼びはりますから。どうぞそちらさんもテーブルにお座り下さい」
 寅次郎とシンジが椅子に座って一息ついたところで、厨房からエプロンに三角巾を着けたさくらが出てきた。
「あらお兄ちゃん! 今帰ってきたの? しばらく前にふらっと出てったきり電話もよこさないで。うんと心配したんだから」
「悪いさくら。心配かけちまったな」
 そう言って寅次郎は片手で拝む仕草をすると、紙紐で十字にからげた折箱をさくらに渡した。隣の椅子に座っているシンジが上目遣いでペコリとお辞儀する。
「あら? 誰その子」
 シンジは恥ずかしそうにうつ向いている。
「この子はよ。さっき、帝釈天の裏の公園のベンチでうなだれてるところを見つけてよ。大方家出か浮浪児じゃねえかと思って話を聞いたんだがどうも話が噛み合わねえ」
「ちょっとお兄ちゃん、浮浪児なんて」
「ま、詳しい話はあとだ。さくら、こいつに団子をやってくれ。何も食ってねえみてえだからよ」
「はいはい、今持ってくるわね」
 さくらは苦笑しながら厨房へ下がるとすぐに支度に取りかかる。三平は気を利かせてほうじ茶を汲んでふたりの前に並べた。
「はい、どーぞ。遠慮しはらんと」
「……ありがとうございます」
 ひとくちお茶を飲んだシンジの腹がぎゅうぎゅう鳴った。
「おまえ、やっぱり腹が減ってたんだな」
 コクリとうなずくシンジ。
 あっという間にさくらが団子の載った皿を持ってきてふたりの前に並べる。
「はい、お待ちどうさま」
「ほら、食え」
「……いただきます」
 シンジは小さな声で言って、団子を一口頬張った。シンジの固い表情がほどける。
「どうだい?」
 団子を飲み込むとシンジはぽろぽろと涙を流した。
「……とてもおいしいです」
「ほら見ろ」
 あっという間に一皿食べ終えると、寅次郎は自分の分の団子もシンジにあげた。その様子を見て寅次郎もさくらもにっこり笑う。
「おまえ、よっぽど辛い目に合ったんだな。しばらくロクなもん食ってなかったんだろ」
「……はい」
 お茶のお代わりを持ってきた三平が思案顔で言った。
「しかし寅さん、一体この子どこの子です? 近所にこんな子おりまへんよ」
「それがな。話が噛み合わねえんだよ。葛飾柴又なんて知らない。僕が住んでたのは第三新東京市だなんて抜かしやがる」
「聞いたことないわね。そんな街」
 シンジはおずおずと口を開いた。
「あの……ここって安全なんですか」
「安全? 安全ってどういうこと?」
 さくらが首をかしげる。
「……その、真っ赤にならないんですか?」
「真っ赤って何?」
 シンジは首を振って言った。
「つまり……その、アンチLシステムが作動しているんですね?」
「あんちゃんがなんだって?」
「おかしいな。僕がニアサーを起こしたせいで人が住めない世界になったはずなのに」
「ほらみろ。こいつ、言ってることがあっぺとっぺだろ。豆腐の角に頭ぶつけておかしくなったんじゃねえのか?」
「お兄ちゃん、そんな失礼なこと言わないの。とにかくもうすぐお夕飯だから食べてきなさいねシンジくん。今晩泊まってもいいから。博さんも帰ってくるから後でもう一度話しましょ」
「そうだな。それがいい。分かったかシンジ」
 コクンとうなずくシンジ。
「ああ、それとなさくら」
「なに?」
「風の便りに聞いたんだがよ。タコ社長、まだ生きてたんだってな」
「ええ、今年で102歳になるけど借金返済のためにまだ働いてるわ」
「そうか。そりゃ良かった。よし、それじゃタコも呼んで来い。5人そろえば文殊の知恵だ」
「はいはい」



 その夜博が帰ってくると、寅次郎、シンジ、さくらと4人で夕食を食べた。さくらの心ずくしの手料理に、シンジは美味しい美味しいと言ってさくらたちを喜ばせた。シンジにとってこんな一家団らんは初めてのことであった。
 しじみ汁を全部飲み干してシンジは言った。
「ありがとうございますさくらさん。こんな美味しいものを食べたのは生まれて初めてです。それにみなさんの話が面白くてなんだか心がぽかぽかしました」
「そうかい。それは良かったなあ。しかしおまえ、よっぽと貧しい家に育ったんだな。こんなもんがうめえなんてよ」
「いえ、貧しいという訳ではないんですが、前に住んでいたマンションではレトルト食品ばかり食べていましたので」
「あら、お母さんは料理しないの?」
「母は幼いころに事故で亡くなって。しばらくミサトさんという方に預けられてマンションで暮らしてました」
「なに? ミサトってのはあのミサトちゃんのことか?」
「寅さん、ミサトさんのことを知ってるんですか?」
「知ってるも何も、俺が銀河鉄道で宇宙へ行った時に飲み屋で会ってよ。その縁で俺が仲人してやったんだ」
「そうか! ミサトさん、宇宙にいるんですね」
「へえ、シンジくんがミサトさんの同居人だったとはね。世間は狭いもんだな」と博。さくらと博は寅次郎が招待状送った縁で銀河鉄道に乗って北十字駅に行き、『Caféヴィレ&居酒屋銀河亭』でミサトと会っている。
「博さんもミサトさんに会ったんですね」
「ええ、さくらと一緒に行きました」
「そっか。ミサトさん宇宙に……」
 シンジは思わず涙を流した。


 夕食後、さくらが電話で呼び寄せたタコ社長こと桂梅太郎が来ると、寅次郎と久々の再会を喜び合った。
「社長! おまえ、まだ生きてたのか!」
「それはこっちの台詞だよ! 寅さん、俺はね。74の歳に大病して死にかけたけどね。年金をもらわないまま死ぬのが馬鹿らしくて、意地になって三途の川から引き返して来たよ」
「そうかそうか。おまえがそう簡単にくたばる訳ねえもんな」
「そういう寅さんこそ、何年も帰って来ないから、どっかで野垂れ死んだに違いないと思ってたよ」
「この通り相変わらずだ。おまえはすっかりいいじじいになったな。つるつる頭に骨と皮ばかりじゃねえか」
「そりゃこの歳まで働きゃ痩せるよ。だけどね。この前医者に行ったら『身体はどこも悪くありません』って言われたよ」
「悪いのは頭だけですってか。ははは」
「冗談言ってら。でもほんと、また会えてうれしいよ」
 ふたりは感激して涙ながらに抱擁した。寅次郎は目を糸のように細め、社長は恵比寿顔である。
「よし、社長。今夜はとことん呑むぞ。さくら、じゃんじゃん酒を持ってこい」
「ちょっとお兄ちゃん。今夜社長を呼んだのはシンジくんについて相談するためなんでしょ?」
「いけねえ。すっかり忘れてた」
 バツの悪そうに頭を掻く寅次郎。
「誰だい? シンジくんってのは」
「そこにいる少年よ。おい、シンジ。みんなにさっき帝釈天で話したことをもう一遍話してみな」
 シンジは寅次郎にうながされ、これまでのいきさつをぽつぽつと語った。
 ……エヴァという巨大なロボットに乗って使徒と戦ったこと。第10使徒に飲み込まれた綾波レイを助けたことがきっかけで、ニアサードインパクトという大災害が発生したこと……。いつの間にか14年たったていたこと。あてもなく彷徨って気づいたらあのお寺にいたこと……。
 さくらが汲んだお茶を飲みながら一同真剣な面持ちで話を聞いた。

「……という訳でよ。このシンジの親父がひでえやつでよ。何年も息子をほっぽり出しておいたくせに、いきなり呼び出して人類のために戦えなんていう血も涙もねえやつなんだよ。しかもだぞ。息子の惚れた女を思う気持ちを出汁にして大災害を起こしたっていうじゃねえか。とんでもねえ悪党だ。俺がそいつを探し出して一発ぶん殴ってやる」
「ぶん殴るったってお兄ちゃん。なんでもその人はねるふっていう大きな組織のトップなんでしょ。そう簡単に会えはしないわよ」
「だから集まってみんなの知恵を拝借してるんじゃねえか。なあ社長、おまえどう思う?」
 黙って聞いていたタコ社長が腕を組んだまま口を開いた。
「寅さん。俺にはさっぱり意味が分かんないんだけどね。そのねるふってのは一体なんなんだい? 字はなんて書くんだい?」
「決まってんじゃねえかタコ。インテリが大勢集まってな。何もすることがねえから暇だ暇だと言って寝てんのさ。だから寝るに府中の府で寝る府って書くんだ」
「なるほど! それで寝る府か。うまいこと言うねえ」手を打つ社長。
「どうだシンジ? 当たりだろ」
 寅次郎がうれしそうにシンジの肩をぽんっと叩くと、うつむいたまま笑いを堪えている。
「字なんてどうでもいいのよ。今はシンジくんの身の振り方を考えなくちゃ」心配そうに眉根を寄せるさくら。
「だからよ。そのゲンドウって親父を見つけ出してぶん殴らないことには始まらないだろ? おいシンジ。ここにいる博もな。元は岡山の偉い学者の倅だ。それが親父と大喧嘩してタコの工場に転がり込んできたんだ」
「はあ……」
「だからおまえの代りにおじさんがそのゲンドウってやつをぶん殴ってやるからな」
「なんでそうなるのよ。博さんもなんとかで言ってやってよ」
 ​困り顔でさくらが博に水を向けると、博は老眼鏡の縁を押し上げ、難しい顔で言った。
​「……お義兄さん、気持ちは分かりますがね。シンジくんの話が本当だとすると、その寝る府ってのは軍隊並みに大きな組織だ。一介のテキ屋が乗り込んでどうにかなる相手じゃありませんよ」
「なんだよ、おまえまでさくらとおんなじこと言いやがって。それじゃあ何かい。長いものには巻かれて泣き寝入りしろってのか?」
「いえ、僕はそういうことを言ってるんじゃなくですね。やるからにはちゃんと筋道を立てて、論理的に考えにゃならんと思うのです」
「へっ、論理もへちまもあるかい! とにかくな。今からそのゲンドウって親父をぶん殴りに行くからな。シンジ、おまえはここで大人しく待ってるんだぞ」
 寅次郎はそう言って立ち上がるとトランクを持ってたたきに降りた。咄嗟に寅次郎の手を掴むさくら。
「ちょっとお兄ちゃん。行くったってどこに行くのよ?」
「決まってんじゃねえか! 寝る府だよ寝る府」
「だからその寝る府ってどこにあるのよ?」
「そりゃ交番で聞いてだな」
「お巡りさんに聞いたって分かりゃしないわよ。さ、とにかく戻って」
 さくらに手を引かれ渋々引き返す寅次郎。難しい顔で座布団の上にどかっと座り、目を瞑って腕を組んだ。
 博は本棚からタウンページを取り出し熱心に眺めている。タコ社長はどさくさに紛れて猪口で一杯やっている。
 しばらくして博が言った。
「……まあ義兄さん。落ち着いて考えてみましょう。今タウンページをめくって調べたんですがね。シンジくんの言う第三新東京市も、寝る府っていう組織もどこにも載ってないんですよ」
「なに? それじゃシンジは外国から来たってのか?」
「いえ、話を最後まで聞いてください。僕はふと思い出したんですがね。以前物理学の本を読んでいて知ったんですが、この宇宙には平行宇宙というのがあるらしいんですよ。それで以前、義兄さんは銀河鉄道に乗って宇宙を旅して来ましたね。その銀河鉄道というのはどこか別の宇宙へ繋がっていて、なんらかの理由でシンジくんがそれに乗って柴又駅に来てしまった。こう考えればつじつまが合うんじゃないでしょうか?」
 寅次郎は手を叩いて喜んだ。
「偉い! さすが博。やっぱりおまえ、頭いいな」
「いえ、まだ仮説の段階に過ぎませんよ」
「あの……」
 それまで黙ってうつ向いていたシンジが顔をあげる。
「なんだいシンジくん」
「僕はあのお寺に来る前、とても長い夢を見ていたような気がします。その夢の中で夕暮れの電車の中で揺られていたのを覚えています」
「ほらみろ! やっぱりシンジは銀河鉄道に乗って柴又駅までやって来たんだ」
「もしそうだと仮定すると、銀河鉄道に乗ればシンジくんのいた世界へ戻ることが出来るかもしれませんね」
「よし、そうと決まれば早速、銀河鉄道に行ってくらあ」
「義兄さん、どうやって銀河鉄道に行くか分かりますか? 時刻表は?」
「そんなもん東京駅に電話して聞けばいいだろ。博、ちょっと電話掛けてくれ」
「……分かりました」
 半信半疑ながらタウンページをめくり、東京駅の電話番号を調べる博。黒電話のダイヤルを回すと寅次郎が目で合図をしたので受話器を渡す。

「……はい、こちら東京駅、お客様相談窓口です」
「もしもし。そちら東京駅かい? ちょっとお尋ねしますがね。そっから銀河鉄道に乗るにはどうしたらいいんだい?」
「残念ながら当駅に銀河鉄道への乗り換えはございません」
「ないなんてこたあねえだろ。たしかに俺はこの前、銀河鉄道に乗ったんだからよ。どっかに隠してるんじゃねえのか?」
「そう言われましても……」
「あんたじゃ話にならねえ。駅長に代わってくれ」
「畏まりました。少々お待ち下さい……」
「……大変お待たせしました。駅長の松本零児です」
「おお駅長さんか。忙しいとこ、呼び出して悪いね」
「いえいえ、ご用件は銀河鉄道のことでございますね」
「おうよ、話が早いね」
「お客様。銀河鉄道というのはございませんが、IGRいわて銀河鉄道ならございます。こちらのことでございますか?」
「そうそう、それのことよ」
「それでしたら東京駅からではなく、盛岡駅から青森へ向かう路線でございます。当駅から東北新幹線でお出かけの上、盛岡駅でお乗り換えください」
「おう、ありがとよ」


 結局寅次郎は、翌日の東京駅発の新幹線で盛岡へ向かうことになった。
 翌朝4人が揃って朝食を食べ終えると、寅次郎はそそくさと身支度を整え、爪楊枝を咥えてながら中折れ帽を被った。割烹着を着たさくらは後片付けをしながら、別れの予感に寂しそうな顔をしている。

「……じゃあなさくら。ちょっこら寝る府ってとこに行ってくっからよ。博と仲良くしろよ」
「お兄ちゃん……。久しぶり会ったんだからもう4、5日ゆっくりしていけばいいじゃない」
「そうもいかないよ。早えとこシンジの帰れる場所を見つけてやんねえとな」
「だって、本当に行けるかどうかも分からないんでしょ。しかも人の住めない世界って言うじゃない。なにもお兄ちゃんが危険な目に遭わなくても……」
「……それが渡世人の、つれえところよ。……じゃあな。シンジを頼むぞ」そう言って敷居を跨ぐ寅次郎。
「あの、ちょっと待ってください」
「ん? どうしたシンジ。おまえは好きなだけここにいていいんだぞ」
「いえ、僕も行きます。寅さん、僕も連れてって下さい」
 さくらがシンジの前にかがんで言った。
「あのねシンジくん。お兄ちゃんに付いてくとロクなことにならないわよ。ちゃんと帰ってこれるかどうかも分からないし、考え直したら?」
「いいんです。僕、今までずっと逃げてばかりだったから今度こそ逃げたくないんです。お願いします。僕も連れてって下さい」
「そう言われちゃ仕方ねえな。じゃあいっしょに行くか、シンジ」
「はい、よろしくお願いします」
 笑顔で頭を下げるシンジ。
 ふたりはくるまやを出ると柴又駅へと向かって歩き始めた。シンジはさくらが用意した団子の折り箱を持って……。さくらはふたりを見送ったあともずっと店の前に佇んでいた。



※男はつらいよ及び新世紀エヴァンゲリオンのパロディです
※画像はChatGPTが作成しました


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島風ひゅーが 素晴らしい記事ですね♪