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創作短編*牛丼夜話(改訂版)

(5月23日編集・再アップ)

※はじめに
本作は以下の企画より
3つのワード
1つのせりふ
をお借りして創作したものになります。

一度投稿しましたが、私個人で少し思うところがあり、企画主さまの回収前に取り下げを致しました。

物語自体は気に入っておりましたので、プロットはそのままで部分的に書き直し、企画が終わってからコソコソと再アップしている次第です(デジャヴ?)

最初に早い段階でスキを押してくださった優しい方々には、突然本棚から記事が消えた形になってしまったやもしれません。申し訳ありませんでした(土下座)

お題は以下になります。

■セリフ
「ねぎ多めで」
■三題
・牛丼
・金髪
・デッキ


俺は普通の会社員、江藤古三郎えとうこさぶろう

ある夜、幼なじみで悪友のランナウェイ────本名、乱南道夫らんなみちおに連れられて、人生初のキャバクラに来ていた。

展望デッキを兼ねた店内には金髪の美女達がいて、全面ガラスの向こうに夜景が広がっている。

そして俺は、美女達にすすめられるまま…なぜか牛丼を食べたのだ。

いつの間にか眠ってしまっていたらしく、目が覚めたら…



恐いオジサンに睨まれていた。


やったね!冒頭でお題消化したぞ!




「何じゃワレ、そのナレーション…」

「あっ、いえ、気にしないでください。」




真夜中だろうか。キャバクラは閉店しており、店内にいるのは俺とオジサンの二人だけだった。

「代金きっちり払ってもらいましょかー」

エセくさい関西弁とともに眼前に請求書が突き出される。

「2万4440円…」

意外とこんなもん?こういう場合もっとぼったくられるものかと…

いや、

「牛丼しか注文してなかったと思うんですけど…」

まさか高級な肉を使っていたのか?
請求書に目を凝らす。


【高級ねぎ多め 1万7000円】


確かに、「ねぎ多めいっちゃおっかなー!」とか調子よく言った気がする。
高級だったのそっちか…。

いや、待てよ、

「ねぎ、そんなに乗ってなかったような…」

恐いオジサンは無言で請求書の文言を指差す。

よく見ると【高級】と【ねぎ】の間に小さな字で
< 【たま】
と書き足してあった。


高級たまねぎ多め


玉の方のねぎね!うん!
確かに!普通の牛丼より甘みと旨みが増して美味しかった!
また食べたいくらいだ!


……もういいや、結構痛いが帰りたいし払ってしまおう。
2万5000円を恐いオジサンに渡す。

オジサンは釣り銭を取りにレジへ向かう。

「あれ、そういえばランナウェイは…」

「オトモダチなら、“古三郎に請求しといてー”言うて帰りよったんですわ。」

なにっ…!?
って事はあれ二人分か…!
ランナウェイめ、昔から逃げ足が早い。

オジサンは釣り銭と一緒に紙袋に入った何かを差し出す。
危ないブツかと身構えた。

「お土産用の“おウチで牛丼セット”。料金込み。真空パックになっとるから、冷凍庫入れときゃだいぶつで。」

意外と親切!!




あれから数日、
ランナウェイは音信不通だ。

ヤツの料金分の請求ができない腹いせに、“おウチで牛丼セット”二人分は、俺が消費してしまう事にした。

ご飯はこちらで用意する必要があるが、温めるだけであの日の牛丼の完成だ。
心なしか、たまねぎ多めな気がする。

真空パックは一人分で10袋入っていた。
あと19回楽しんでやる。

金髪美女に接客してもらうサービス料を差し引けば、まあまあ元は取れているんじゃないだろうか。




さらに数ヶ月後、
真空パックは残りひとつ。
なんだかもったいない気がして、冷凍庫に眠らせたままだ。

仕事帰りにあのキャバクラがあったビルへ行ってみると、牛丼専門店に変わっていた。
ふらっと入ってみると、牛丼屋らしからぬ展望デッキを兼ねたカフェ風のお洒落な店内で、金髪美女の店員達がお揃いのTシャツを着て元気に働いている。

カウンター席の端に座ると、壁に雑誌の切り抜きが貼られていた。
恐い顔をした店主のインタビュー記事だ。

以前経営していた飲み屋で牛丼を出していたが、食材にこだわるあまり値段が高くなり、敬遠されていた。
ある夜、とある男性が牛丼を注文し、「美味しかった、また食べたいくらいだ」と、高いお金を払ってくれた事に胸を打たれ、これからは牛丼メインでやっていこうと一念発起。
今では味のかなめである高級たまねぎ農家との専属契約に成功し、手頃な価格帯での提供が可能になっている。
また、自慢の味を全国へ届けたいと開発された“おウチで牛丼セット”はお取り寄せグルメサイトで…

「お客様ご注文は…!げ。」

顔を向けると、美女達と同じTシャツを着たランナウェイだった。

髪は金髪に染められ、“新人アルバイト”の名札を付けている。
どうやらコイツはコイツの方で、何やら別の事件(?)に巻き込まれていたようだった。

俺は頬杖をついてニヤリと笑う。



「牛丼ひとつ。たまねぎ多めで。」



(反省会の代わりに)

見出し画像はGeminiに作ってもらいました。

【高層ビルの展望デッキから見える夜景を背景に微笑む金髪の美女。彼女の片手に乗せられた銀のお盆の上には美味しそうな牛丼が乗っている。】

なんちゃら嬢的な色っぽいお姉様を期待したのですが、ビビってそれっぽい指示が出せず…(ヘタレ)可愛いアニメ顔の女子大生風お姉さんになってしまったので、“美味しそうな牛丼”のみ切り抜きました。


改めて、素敵なお題を使わせていただき、ありがとうございました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


↓ランナウェイ…?!

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