百聞は一見に如かず|英国の伝統校見学日記②
ハウスとは「家族」のような場所
見学して分かったことをまとめてみる。
① 近隣の千葉大学や東京大学(大学院)と連携し、多様な学びの機会を提供していること。
② 授業は8:30に始まり、17:30まで続くこと。
③ 必修と選択科目があり、生徒は自ら選んだカリキュラムに沿って行動すること。担任制度はなく、自立が前提となっていること。
④ 六つの寮は「ハウス」と呼ばれ、スポーツ、弁論、音楽などあらゆる活動がハウス対抗で行われること。縦割り構成のため、年長者が自然に年少者を支える仕組みができていること。
ハウスは、単なる寮ではない。
そこは、生徒たちにとってのもう一つの「家族」なのだ。
私がいいな、と思ったこと
私が特に惹かれた点は四つある。
一つ目。
仲間を思いやり助け合う寮生活と、自ら選択し責任を持って学ぶ授業。その「協働」と「自立」のバランス。
二つ目。
常に身体を動かせる環境が整っていること。
三つ目。
寮に閉じるのではなく、近隣のショッピングモールで食事をするなど、地域社会との接点を持たせていること。
四つ目。
失敗を良しとする教育理念。
「失敗は宝」。失敗があるからこそ工夫が生まれ、創造力が育つという考え方。
教室と先生の在り方
はじめは緊張して無口だったムスコも、案内役の生徒に
「何の科目が好きですか?」と聞かれ、少し戸惑いながらも「数学」と答えた。
すると数学を学ぶ専用の教室へ案内してくれた。
そこには学年ごとに担当教師がいて、先生は職員室ではなく教室に常駐している。生徒が先生の教室へ行き、授業を受け、質問があればいつでも聞ける仕組みだ。
オープンデー当日も週末で休みにもかかわらず、寄宿生たちが教室に集まり、数学の先生の声掛けでルービックキューブを完成させたり、さまざまなパズルに取り組んでいた。
休みの日でさえ、興味のあることを探求できる環境。
その空気が、少し羨ましくなった。
大学のように、自主的に学びに行くシステムに、ムスコも驚いていた。
引き出す教育
英語で教育は「Education」。
語源の Edu- には「引き出す」という意味があるという。
学問を教えるとは、その人の才能を引き出すこと。
私はこれまで、日本の教育にはどこか「与える」側面が強いのではないか、と感じてきた。もちろんそれは私の主観だ。
しかし今回見学した学校では、生徒一人ひとりが持つ天才性を“引き出そう”としているように思えた。
日本の教育システムの中で育った私にとって、異なる教育観に触れることは、とても良い機会だった。
ムスコも新しい世界に触れられたことを喜んでいた。
けれど帰り道、「英語、話せるようになるかなぁ?」と少し不安そうでもあった。
あとは彼がどこまでやる気を出せるか。
そして、親として私たちが学費をどう工面するか、という現実もある。
Seeing is believing.
百聞は一見に如かず。
今回まさにそれを実感した。
実際に足を運び、空気を吸い、目で見て感じたからこそ分かったことがある。
この学校とのご縁がかなうかどうかは、まだ分からない。
けれど来年高校受験を迎えるムスコの
「学校見学」
「進路決定」
そして「将来の自分探求」への助走が、今始まった。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
「寄宿学校を覗いてみたーーー英国の伝統校見学日記①」は、こちら↓
