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展示会に出展しても、売上は上がりませんよ?〜〜売上につなげる実践的な方法とは【料理王国100選】通信 8月6日号

首都圏では、もう頻繁に展示商談会が始まっています。
地方の食品事業者さんは販路拡大に熱心で、そうした動きを行政が支援する取り組みは、大きく分けて二つあります。
一つは、勉強会や専門家の派遣によって、商品や業務の改善につながる気づきを得ること。
もう一つは、展示商談会、産地ツアー、バイヤーとの個別商談など、売り手と買い手の接点をつくることです。
どちらも大切な支援ですが・・・展示会に出展しただけで、売上は上がっているでしょうか?

■行政は流通や販売はわからない

行政による支援は、学ぶ機会や商談のきっかけをつくることを得意としています。
一方で、行政は流通会社でも営業代行会社でもありません。そのため、接点をつくるところまでは支援できても、その後の商談を進め、受注し、継続的な売上に変えていくのは事業者自身です。
展示会で多くの名刺を集め、個別商談会で20分ばかり商談をし、たくさんのバイヤーに見積書を提出した。
それ自体は成果のように見えますし、多くの行政や展示会事業者の費用対効果の数字としてよく使われます。
しかし、名刺の枚数や見積書の提出件数が、そのまま売上になるわけではありません。
大切なのは、その後の問い合わせや要望に、どれだけ早く、継続的に対応できるかです。

■そもそも本当に販路先を増やすすべきなのか?

よく「販路拡大」という言葉が使われます。
しかし、販路を広げることが、必ずしも良い結果につながるとは限りません。
取引先が増えれば、見積書の作成、サンプルの発送、規格書への対応、在庫管理、請求、問い合わせ対応などの業務も増えていきます。
特に少人数で事業を営んでいることの多い、小規模の地方食品メーカーにとって、広く浅い取引先をたくさん抱えることは、大きな負担になります。
それよりも、【自社の商品を大きく扱ってくれそうな取引先を見つけ、そこに営業力を集中】する方が管理コストを抑えながら、売上と利益を伸ばせる場合があります。
必要なのは、取引先の数を増やすことではありません。
自社が十分に対応できる範囲に取引先を絞り、一社あたりの取引額を増やすことです。

■最も実践的なのは、既存取引先との面談

では、売上を伸ばすために、何から始めればよいのでしょうか。
私が最も実践的で効果が高いと考えているのは、『既存取引先を訪問し、担当者と直接話すこと』です。地方の事業者にとって、首都圏や関西圏など遠方の取引先を訪問するのは簡単ではありません。交通費も宿泊費もかかりますし、通常業務を止めて動くのはやりにくいと思います。それでも、私はできる限り面談をお勧めします。
理由は、既存取引先との面談には、展示会で新規顧客を探すだけでは得られない価値があるからです。

■売上以上に大切な生きた情報

既存取引先を訪問する最大のメリットは、現場の生きた最新情報を得られることです。
以前に提案して採用されなかった商品でも、売場の方針や顧客ニーズが変わり、今なら採用されることがあります。
また、担当者が交代していることもあり、担当が変わったら話が変わることがあることは皆様も経験あることでしょう。
現在の取引額が小さくても、面談によって新たな課題や需要が分かれば、取引が広がる可能性があります。
例えば、外食企業から、『新しいメニューを考えたいが、開発する時間がない』と聞くかもしれません。
小売企業から、『マネキン販売や試食の支援があれば、フェアで採用しやすい』と言われるかもしれません。
こうした情報が分かれば、次回は単に商品を紹介するのではなく、相手の課題を解決する提案ができます。
地方食品の商談や取引先との交渉は、相手の事情を聞き、その場で提案を調整する必要があります。
この部分は、まだまだAIだけでは置き換えにくい、人の営業力が必要な仕事だと思います。

■既存取引先は、売上への距離が近い

新規取引では、口座の開設や商品登録、条件交渉など、販売開始までにさまざまな手続きがあります。
一方、既存取引先とは、すでに取引の土台があります。相手のニーズに合った商品や企画を提案できれば、導入までの時間を短くできる可能性があります。
・新商品を提案する。
・季節フェアを企画する。
・容量や価格を見直す。
・売場用のPOPや試食販売を用意する。
こうした工夫によって、一社あたりの販売数量を増やすことができる可能性があります。
売上を伸ばすうえで重要なのは、取引先の数ではありません。
【販売数量を増やし、売上額を高め、最終的に利益を残すこと】です。

■商談会への出張を訪問営業の機会に変える

これから遠方で商談会が増える時期に、ぜひ実践していただきたいことが二つあります。
一つ目は、過去に名刺交換をした方へ、商談会の出展案内を送ることです。すぐに取引が見込める相手だけに絞る必要はありません。過去に接点があった方へ広く案内し、会場に来ていただく。
複数の方と一つの会場で話すことができれば、相手にとっても自社にとっても時間の節約になります。
二つ目は、商談会の前後に延泊し、取引先への訪問予定を入れることです。ホテル代は追加でかかりますが、商談会出展のための移動を、既存取引先との関係を深める機会として活用できます。
商談会の日程は、かなり前から決まっていることが多いものです。
直前になってから連絡するのではなく、日程が決まった時点で、
「この日に東京へ伺うので、30分ほどお時間をいただけませんか」などとアポイントを取っておくことが大切です。
予定が数カ月先でも構いません。むしろ、早い方がバイヤーの予定を押さえやすくなります。

■まとめると・・

展示会は、出展すること自体が目的ではありません。
名刺を集めることも、見積書を提出することも、売上をつくるための途中経過です。
展示会で生まれた接点を、その後の商談や提案につなげる。
既存取引先を訪ね、相手の最新の課題を聞く。
そして、自社が対応できる取引先に営業力を集中する。
この積み重ねが、販売数量と利益を伸ばしていきます。
展示会への出展が決まったら、ぜひ出展日の前後も含めて営業計画を立ててみてください。
料理王国100選も、商品を評価するだけではなく、シェフやバイヤーとの接点を、その先の具体的な販路や提案へつなげる場でありたいと考えています。


<料理王国100選2027年度版の一次審査終了>
一次審査は8月4日、5日に大阪で行いました。試食しながら、シェフ・バイヤーが活発な意見交換されました。

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