バプテスト信仰告白 第3章 『神の聖定について』 4.神の予定の不変性と確実性
THE BAPTIST CONFESSION OF FAITH
With Scripture Proofs Adopted by the Ministers and Messengers of the general assembly which met in London in 1689
4.______These angels and men thus predestinated and foreordained, are particularly and unchangeably designed, and
their number so certain and definite, that it cannot be either increased or diminished.
( 2 Timothy 2:19; John 13:18 )
翻 訳
第4項 このように予定され予め定められた天使たちと人間たちは、特別にかつ不変に定められており、その数は非常に確実で明確であって、増やされることも減らされることもできない。 (第二テモテ2:19; ヨハネ13:18)
解説
主要テーマ
予定の不変性(Immutability of Divine Predestination)
この項目は、神の予定が以下の特徴を持つことを明確に宣言しています:
1. 不変性(Unchangeability)
「不変に定められており」
神の決定は変更されることがない
2. 確実性(Certainty)
「非常に確実で明確」
推測や可能性ではなく、絶対的確実性
3. 確定性(Definiteness)
「その数は...明確」
曖昧さや不確定要素が一切ない
4. 不増不減(Neither Increase nor Decrease)
「増やされることも減らされることもできない」
完全に固定された状態
なぜこのテーマが重要なのか
前項からの論理的発展
3章1-3項で神の予定の存在と性質を論じた後
4項でその予定の変更不可能性を確立
神の決定の完全性を強調
アルミニウス主義への反駁
人間の選択によって救いの数が変動するという考えを否定
神の予見に基づく条件的選択を拒絶
神の主権の絶対性を堅持
信徒への確信の提供
救いが人間の不安定な意志に依存しないことの保証
神の約束の確実性への信頼の根拠
永遠の安全保障の神学的基盤
補助的テーマ
普遍的適用
天使と人間の両方への適用
神の主権の全宇宙的性格
数的精確性
神の全知性の現れ
偶然や推測の排除
この項目は、予定教理における「神の不変性」を最も明確に表現した条項として、パティキュラー・バプテストの神学的確信の核心を示しているのです。
なぜ「定められた天使たちと人間」なのか?
第2ロンドン信仰告白3章4項が「天使たちと人間たち」の両方に言及している理由は、パティキュラー・バプテストの包括的な神学理解と深く関わっています。この表現は偶然ではなく、重要な神学的意図を持っています。
創造秩序における理性的被造物
天使と人間は、神によって創造された理性的被造物という共通点を持っています。両者とも神のかたちを反映し、道徳的責任を負う存在として造られました。パティキュラー・バプテストは、神の予定が単に人間界に限定されるのではなく、神が創造されたすべての理性的存在に及ぶと理解していました。これは神の主権が部分的ではなく、全宇宙的であることを示しています。
堕落と選択の普遍性
堕落の現実において、天使と人間の両方が神の審判の対象となりました。聖書によれば、天使の一部は神に反逆して堕落し(黙示録12:7-9、ユダ6)、人間もアダムにおいて堕落しました。この状況において、神は天使の中からも人間の中からも、救いに選ばれる者と永遠の刑罰に定められる者を区別されました。つまり、選択と棄却の原理は両方の被造物に適用されるのです。
聖書的根拠:「選ばれた天使」
聖書は明確に「選ばれた天使」について言及しています(第一テモテ5:21)。これは、天使の中にも神によって特別に選ばれ、堕落から守られている存在がいることを示しています。また、マタイ25:41では「のろわれた者ども。わたしから離れて、悪魔とその使いたちのために用意された永遠の火にはいれ。」と語られており、天使の中にも永遠の刑罰に定められた者がいることが明らかです。パティキュラー・バプテストは、この聖書的証拠に基づいて人間だけでなく天使も予定の対象に含めたのです。
二重予定論の完全性
カルヴィン主義の二重予定論は、神が一部の者を救いに、一部の者を滅びに予定されたと教えます。この原理を完全に理解するためには、それが人間だけでなく天使にも適用されることを認識する必要があります。選ばれた天使は神の恵みによって堕落から守られ、堕落した天使は神の正義によって永遠の刑罰に定められました。この包括的理解により、神の主権の完全性が明確になります。
神の栄光の完全な現れ
パティキュラー・バプテストにとって、予定の究極的目的は神の栄光の現れでした。神の恵みの栄光は選ばれた者において、神の正義の栄光は棄てられた者において現れます。この栄光の現れが天使と人間の両方において起こることで、神の完全な性質がより豊かに啓示されるのです。天使という霊的存在と人間という肉的存在の両方において神の栄光が現れることで、全創造における神の主権が証明されます。
宇宙的スケールでの救済史
この教理は、救済史を宇宙的なスケールで理解することを促します。神の救いの計画は地上だけの出来事ではなく、天的領域をも含む壮大なドラマです。エペソ3:10は「天にある支配と権威とに対して、教会を通して、神の豊かな知恵が示されるため」と述べており、天使たちも神の救いの計画の証人であり参与者であることを示しています。
牧会的・実践的意義
この理解は信徒に宇宙的な視野を与えます。自分たちの救いが単なる個人的体験ではなく、天使たちをも巻き込んだ神の壮大な計画の一部であることを知ることで、信仰の尊厳と重要性がより深く理解されます。また、霊的戦いにおいて、選ばれた天使たちが神の民の味方であることも慰めとなります。
神学的整合性の要求
最後に、この表現は神学的整合性の要求から生まれています。もし神の予定が本当に絶対的で包括的なものであるなら、それは創造されたすべての理性的存在に適用されなければなりません。天使を除外することは、神の主権に限界があることを暗示し、予定論の根本的一貫性を損なうことになります。
このように、「天使たちと人間たち」という表現は、パティキュラー・バプテストの徹底した神の主権理解と、聖書的・神学的整合性への深いコミットメントを反映した、極めて意図的で重要な神学的主張なのです。
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