Express Entryって何?基礎から学ぶ永住権への道 [FST編]
これは「Express Entryシリーズ」の続編です。
Express Entryそのものの仕組みを知りたい方は、まず第1回(CECについて解説した記事)に戻ってみてくださいね。
「手に職」でカナダを目指す道──FSTとは?
カナダ移民というと「高学歴」「ホワイトカラーの職種」が有利なイメージがあるかもしれません。けれど、実は 職人や技術職の経験を持つ人 にも、しっかりと移民への道が開かれています。それが Federal Skilled Trades Program(FST)
例えば、料理人として包丁一本でキャリアを積んできた人、溶接工として工場を支えてきた人、大工や電気技師として現場を回してきた人。
こうした“手に職を持つ人”が、カナダでの永住を狙える仕組みがこのプログラムなのです。
対象となる職種と職歴の条件
FSTの大きな特徴は、対象職種がかなり具体的に絞られていること。
建設、製造、天然資源、農業といった分野に多くの枠が設けられています。
該当するのは、NOC(職業分類)の特定グループに入っている仕事。たとえば:
建設業(大工、配管工、電気技師など)
製造・工業(溶接工、機械工など)
天然資源・農業分野の技術職
シェフやパン職人
ただし注意したいのは ただ経験があるだけではダメで、必ず以下を満たす必要があります。
過去5年以内に フルタイム2年分(3,120時間) の職歴があること。
その職歴が「有給」であること(ボランティアや無給インターンはカウントされません❌️)
実際にその国で「資格を持って働ける状態」で得た経験であること。
つまりきちんと職人として認められて働いてきたという実績が必要になります。
雇用オファーか、資格証明(Certificate of Qualification)
さらにFST特有のハードルがこちら。申請には必ず次のどちらかの書類が必要になります。
カナダの雇用主から1年以上の有効な雇用オファーを得ていること or
カナダの州や準州が発行する「技能証明(Certificate of Qualification)」を持っていること
Certificate of Qualification とは、「この州でこの職種をやっても良いですよ」と公式に認めてもらう資格のようなもの。試験が課される場合もあり、州ごとにルールが違います。大工や電気工事士などは州の監督機関での認定が必要ですので、詳しくは政府ホームページをチェックしてみてください。
もしその州で資格認定がされない職種なら、雇用オファーを持っていることで代替可能です。
語学力は少しハードル低め
FSTの語学要件は、FSWやCECに比べると低めに設定されています。過去のブログで何度もお伝えしてきたとおり、対象となる語学テストは政府によって指定されています。(詳しくはこちらをチェック)
そして必要最低スコアは…
Listening & Speaking → CLB 5
Reading & Writing → CLB 4
他のプログラムでは、全てのセクションで最低CLB7や5が条件なのに対し、FSTはハードルがやや低めに設定されています。
これは「実務経験や技術がメイン評価ポイントである」という制度の性格がよく現れている部分ですね。
とはいえ、日常生活や職場での安全確認などには語学力が不可欠なので、最低限の英語力は必須です!
教育要件はなし(でもあると有利)
FSWと違い、FSTには学歴の必須条件がありません。つまり「大学を出てないから応募できない」ということはないのです。
ただし、学歴があれば CRSスコア(総合ランキングシステムの点数) で有利に働きます。だから学歴証明を加えることで、ITA(=永住権申請するための招待状)獲得の可能性は一気にUP
条件ではないけれど、あるに超したことはない といったところですね。
資金証明と居住地の制限
FSTでも Proof of Funds(資金証明) が必要です。
ただし例外として、すでにカナダで合法的に働いていて有効な雇用オファー(=Valid Job Offer)を持っている人は不要。
*Proof of Funds と Valid Job offer についての説明はコチラで詳しく解説しています。
また、ケベック州は独自の移民制度を持っているため、FSTの対象外となります。FSTで申請する場合は、ケベック以外の州や準州に住む予定ですよーという意思を示す必要があります。
まとめ──「学歴より腕」で移民を掴む
FSTは学歴がなくても、自分の腕と経験で勝負できるプログラムです。カナダでは今も大工、配管工、溶接工、料理人など、技能職の人材不足が続いています。
「学位は持っていないけど、技術ならある」
そんな人にとって、FSTはまさに移民への近道となる道。
もしあなたが「自分の技術を武器にカナダで暮らしたい」と思うなら、このFSTを一度真剣に検討してみてください。
📅 この記事は2025年8月に作成されました。
カナダのビザ制度や申請要件は、予告なく変更されることがあります。最新の正確な情報は、必ずカナダ政府移民局(IRCC)公式サイトをご確認ください。🔗 IRCC公式サイト:
https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship.html
📝 本記事は、IRCC(カナダ移民局)公式サイトの情報をもとに作成しています。
