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年賀状だけがつないだ、40年越しの初恋〜あとがき


 

 初恋の相手と40年にわたり年賀状を毎年続けるという関係は、かなり珍しい。 

 なぜ続いたのか、
一つには、明確に告白がなかったからだろう。「恋人」として定義されなかった関係。だからその延長として、年に一度の定型的な挨拶を交わせてきたとも言える。

 「実を結ばなかった恋」の記憶は、時間が経つにつれて、心の奥にしまわれる。しかしこの関係は、恋愛感情が、時を経て、友情へ昇華された。
 年賀状という形式が、良い距離感を提供したのかもしれない。

 ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)、それは『人は達成した事柄よりも、途中で中断されたり達成できなかったりした未完了の事柄をよく覚えている』という心理現象のこと。
 脳が未完のタスクを緊張感とともに記憶に留めようとする働きであり、ドラマが大事なところで中断し、テレビCMが入るなど、続きが気になる演出にも活用される。
 未完の関係は、もどかしさはあるものの、「青春の理想的な形」で時を止め、それは、純粋な記憶として昇華されたともいえるかもしれない。

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