[海外就職]#1 海外キャリアを作るまでにやったこと
前回の記事では、現地国の公的奨学金で大学院に行った話を書きました。
今回は海外キャリアを作るためにやったことについてまとめたいと思います。
まず簡単に自己紹介すると、自分は日本の大学を卒業した後、ヨーロッパのとある大学院に進学し、そのまま現地でソフトウェアエンジニアとして就職しました。 現在もヨーロッパに住んでおり、アメリカ発の企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。この note では、海外大学院や海外就職を考えている方や関連する情報を集めている方に役立つ情報を発信しています。この記事がいいなと思ったら他の記事も読んでもらえると嬉しいです。
海外大学院に行くことを決めた理由の一つは、その先に「海外で働く」という目標があったからです。
ただ、最初から何をすれば海外就職に近づけるのかが見えていたわけではありません。
海外大学院に行って現地で就職先を探すのがいいのか。
日本で数年経験を積んでから海外に出るべきなのか。
英語をどのくらい準備すればいいのか。
どんな経験が海外の採用側に伝わるのか。
今振り返ると、大事だったのは、いきなり海外に行くことではなく、目指している企業のレベル感を決めて、そこから逆算して経験を積むことだったと思います。
この記事は、あくまでソフトウェアエンジニアとして海外キャリアを目指す場合の話です。職種が変われば、必要な経験や評価されるポイントは変わると思います。
まず、目指す企業のレベル感を決める
海外キャリアを目指すとき、最初に考えた方がいいのは、「海外に行きたい」だけではなく、どのレベルの企業を目指すのかだと思います。
Big Tech のような大手企業を目指すのか。
急成長中のスタートアップを目指すのか。
現地の一般的なソフトウェアエンジニア職を目指すのか。
ノマド的に「好きな時間に好きなだけ働く」働き方を目指すのか。
ここが曖昧なままだと、必要な経験も曖昧になります。
大手企業を目指すなら、一定規模のサービス開発経験や、チーム開発の経験があると説明しやすいです。自分もメガベンチャー系企業でサービス開発に関わった経験があり、その経験が選考で目に止まったと言われたことがあります。
一方で、スタートアップを目指すなら、変化の速い環境で、自分で考えて開発を進めた経験が伝えやすいです。自分の場合、スタートアップで長期インターンをしていて、オーナーシップを持って開発に関わった経験がありました。
また、海外就職ではビザや就労許可の問題も無視できません。小さい企業の場合、外国人採用やビザサポートに慣れていないこともあります。もちろん国や会社によりますが、自分の場合は、ある程度大きな企業や、外国人採用に慣れていそうな企業を意識して対策するのが現実的だと考えていました。
今の経験と、目指す企業との差分を見る
海外就活では、英語力だけで評価されるわけではありません。
もちろん英語は大事です。ただ、それ以上に見られるのは、具体的な実務経験です。
どんなプロダクトに関わったのか。
どんな規模のサービスだったのか。
どの機能を担当したのか。
どれくらい自分で考えて動いたのか。
チームの中でどう開発していたのか。
こうした経験を、LinkedIn や CV、面接で説明する必要があります。
自分は日本で正社員として働いた経験はありませんでした。ただ、完全に開発経験がない状態で海外大学院に行ったわけでもありません。
学生時代に、長期アルバイトや業務委託のような形で、合計すると1年程度は開発に関わっていました。
これは、あとから考えるとかなり大きかったです。
もちろん、正社員として数年働いた経験と同じではありません。それでも、何も開発経験がない状態と比べると、だいぶ有利だったと感じています。
実際のプロダクト開発に触れたことがある。
チームで開発したことがある。
自分の担当範囲を持って実装したことがある。
仕事としてコードを書いたことがある。
こうした経験があるだけで、LinkedIn や CV に書けることが増えますし、面接でも話せる内容が具体的になります。
経験は「伝わる形」に変換する
海外のリクルーターには、日本の会社名や職種名がそのまま伝わらないことがあります。
だからこそ、経験を相手に伝わる形に変換する必要があります。
たとえば、「インターンをしました」だけでは弱いです。
それよりも、
実際のユーザーがいるサービス開発に関わった
チームでプロダクト開発をした
ある機能について設計から実装まで担当した
変化の速い環境で優先順位を考えながら開発した
オーナーシップを持って機能改善を進めた
といった形で説明できる方が、相手もイメージしやすいです。
自分の場合、メガベンチャーでサービス開発に関わった経験は、大きなサービス開発に触れた経験として説明しやすかったです。
スタートアップでの長期インターンは、任される範囲が広く、オーナーシップを持って開発した経験として書きやすかったです。
長期アルバイトや業務委託での開発経験も、完全な未経験ではないことを示す材料になりました。
つまり、経験を積むことと、その経験を言語化することはセットでした。
数年経験を積んでから海外に出るのもありだと思う
自分は、日本で正社員として働いた経験がないまま海外大学院に進みました。
結果的には、そのルートで現地就職につながりました。
ただ、今振り返ると、海外に行く前に数年経験を積んでからでも遅くなかったと思います。
むしろ、目指している企業のレベル感がある程度決まっているなら、今の自分に足りない経験を補える環境で数年働くのは、かなり現実的な選択肢だと思います。昨今のAIの進歩を考慮すると、実務経験のない外国人を雇う魅力はあまりないと考えられるためです。
大手の海外テック企業を目指すなら、大規模なユーザーを抱える自社サービスに関わる経験は強いです。
急成長企業やスタートアップを目指すなら、スピード感のある環境で、オーナーシップを持って開発する経験は伝えやすいです。
もちろん、どの働き方にも価値はあります。
ただ、海外のリクルーターに伝えるという観点では、「自社サービスを開発していた」「大規模なユーザーを持つサービスに関わっていた」「主要機能の開発に携わっていた」といった経験の方が、説明しやすい場面はあると思います。
大事なのは、年数そのものではありません。
その数年で何を作ったのか。
どんな責任を持ったのか。
どんな環境で開発したのか。
次に目指す会社に対して、その経験をどう説明できるのか。
ここを意識して経験を積むことが大事だと思います。
まずやるべきこと
海外キャリアを目指すなら、最初から完璧な計画を作る必要はないと思います。
ただ、何となく海外に行きたいだけだと、選ぶべき経験も見えにくくなります。
まずは、海外の求人を見てみる。
目指したい企業で働いている人の LinkedIn を見る。
その人たちがどんな経験を持っているかを見る。
今の自分の経験と比べて、足りないものを考える。
その差分を埋められる環境を選ぶ。
これだけでも、かなり見え方が変わると思います。
海外キャリアは、海外に出てから始まるものではありません。
日本にいる間に、どんな経験を積むか。
その経験をどう言語化するか。
どの国や市場を狙うか。
どのレベルの企業を目指すか。
このあたりを考えるところから、すでに始まっていると思います。
自分も、最初からきれいな道筋があったわけではありません。
兄の海外留学をきっかけに海外を意識し、エンジニアという職種に可能性を感じ、メガベンチャーやスタートアップ、長期アルバイトや業務委託で開発経験を積み、海外大学院と現地就職につなげていきました。
ただ、その途中で遠回りしそうになったこともあります。
次回は、海外大学院に行く前に考えていた日本で就職する選択肢について書いてみたいと思います。
