児童精神科医と栗ごはん
僕のお母さんは、料理がとっても上手。
野菜やお肉を、あっという間に調理して、色々な料理を作ってくれるんだ。
僕はそんなお母さんの料理が大好き!
だけど、僕が小学校に入ると、お母さんはお父さんの仕事の手伝いをすることになって、お仕事をするようになったんだ。
お仕事の合間には、おばあちゃんの介護もあって、僕はお母さんと中々お話をすることができなくなっちゃった。
本当は、もっともっとお母さんとたくさんお話がしたいのに……。
そんな僕の家では、年に2回だけ栗ご飯の日があるんだ。
僕の家には、おばあちゃんと、お父さんとお母さん、あと僕を入れた3人兄弟がいるから、6人分の栗ご飯を作ろうと思うと1日がかりになるから、年に2回だけしか作らないって決めてるみたい。
僕は栗ご飯が大好きだから、本当はもっと食べたいんだけど、2回しかないからこそ、その2回の日がとても楽しみでもあるんだ。
僕はお母さんに、久しぶりにおねだりをしてみた。
「ねぇねぇ、お母さん。明日は栗ご飯がいいよ~」
「いいけど、明日作ったら当分栗ご飯の日はないからね」
「うん! それでも食べたい!」
それで今夜は栗ご飯の日になった。
新聞を広げて、栗の皮をムキムキ。
手間がかかる単純作業が多いから、僕もお手伝い。
「ねぇねぇ、お母さん」
「なぁに」
「あのねあのね」
そんな風に、普段は甘えられないお母さんにたくさん話を聞いてもらいながら、一緒に栗ご飯づくり。
栗ご飯を作っている間、お母さんは僕だけのもの。
普段は、お兄ちゃんだから我慢しなくちゃいけないことが沢山あるけど、栗ご飯を作っている間だけは特別なんだ。
ムキムキムキムキ
あはははは
ムキムキムキムキ
あはははは
栗を全部向き終わったら、後はお母さんだけの時間。
ちょっと寂しいけど、少し時間がたったらいい匂いがしてきたよ。
もち米が混じった栗ご飯は絶品!
栗ご飯の日は、僕にとって特別な日。
