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 子どもにとって親からの愛情は絶対必要なものだ。子どもの心の発達に必要不可欠なのが「愛着形成」である。これは、親からの無償の愛を受けることによって、子どもの心の発達に大いに左右する。例えば、困難な壁にぶつかった時、他人や自分自身が信じられなくなった時に、ちゃんと踏みとどまって、ものを考えられるかに繋がる。反対に親子の関係性が「不適切療育(マルトリートメント)」であった場合には、しっかりとした愛着形成が行われないことがある。

 私自身は、そんな無償の愛を母親から、しっかりと受けて育った。私の父親は、とにかく厳しく、よく怒鳴られていた。だが、母親からは怒られたことも、手をあげられたこともない。母親から受けたことがあるのは、優しい瞳と、私の長所を褒めるということだけ。父親からも、母親は甘いと言われていたが、母親は私に関してだけは父親の言うことを聞かず、私を褒め続けてくれた。このことが、私の心の発達において重要な役割を担っている。私は、どんな時も、私が何をしたとしても、褒めてくれる人がいると信じられる人間になったからだ。

 親というものは、厳しく叱るだけでも、甘やかすだけでも、否定するだけでもなく、すべて受け入れるということが大事だと考えている。例え子どもがテストでゼロ点を取ったとしても、「字がうまいな」「わからないのに頑張ったな」と、両親のうちどちらかが子どものことをわかってあげることが、教育には必要なのである。

 今は大人になり、なぜ父親があれほど厳しかったのかも理解しているし、何でも受け入れてくれた母親の凄さも理解している。現在私は児童精神科医として、多くの親子を見てきているが、いつもこういった話をしている。
「完璧な子どもなんていない」
 子どもは親の無償の愛で育つ。親になったからには、すべての親に理解してもらいたい。

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