子どもと自尊感情
子どもは1人で育つとも言いますが、子どもは初めから1人で生きていけるわけはありません。それを支えるのが親の役目だと思っています。私は児童精神科医として仕事をするかたわら、妻と3人の娘と1人の息子の子育てをしています。子どもと一言でいっても、それぞれ特性が違いますので、それを理解して接することが大事だと考えています。
また、仕事上、親に虐待をされている子どもを診察することもありますが、せつないほどに子どもは親を好きでいます。だから、というわけではないのですが、子育てとはこうあるべきだというものが、私の中で確立しています。親子関係は、近すぎてもダメですし、遠すぎてもダメです。このちょうどいい距離を測るのが難しいのだと思いますが、どうすればいいのかを考えれば、全ての親がちょうどいい距離で子育てができるのではないかと思っています。
子どもの成長において一番大事なのは「自尊感情」です。だから親は子どものプライドをへし折ったり、感情的な態度で接したりすることが一番よくないと考えています。そして、努力をしても報われないことは、人生の中で幾度となく訪れます。そんな壁に子どもがぶつかったら、親はそっと支えてあげることが大事です。どんな時も、どんなことがあったとしても、親は絶対的に自分の味方でいてくれるんだということが伝われば、子どもは何度壁にぶつかっても、自分で立ち上がれるようになっていきます。その過程で必要なことは、子どもに自分は親に認められていると感じてもらうことです。これには時間がかかると思いますが、何度も何度も子どもがくじけそうになっている時に、そっと支えるということを繰り返していれば、必ず伝わります。
親からの愛を子どもに信じてもらうこと。これが子育てにおける最重要事項だと、私は思っています。そしてすべての親が、そのことに気づいてもらうことを願っています。
