日本で働きたい、その想いの背景も大切にしたい ― 外国人留学生の就職支援を通して考えた、キャリア支援の前提 ―
「内定、おめでとうございます。」
その一言の裏に、積み重ねてきた時間や消耗、家族の事情がある場面に、何度も立ち会ってきました。
今回は外国人留学生の就職支援に関わる中で、キャリア支援の前提について考えさせられたことを書きました。
面談の回数が1回でも、複数回でも、支援した方から「内定をもらいました」と報告をくれると、やっぱり自分のことのように嬉しい。この仕事を続けていてよかったな、と素直に思う瞬間です。
中には、何度も何度も相談に来て、複数の業界や業種の企業をターゲットにしながら、応募書類を何社にも提出していた留学生もいます。
面接の予定が同じ週にいくつも重なり、次の応募企業向けの書類を準備しながら、翌日の面接練習をする。
そんな日々を続けていた人もいました。
就職活動があまりにしんどくて、体調を崩してしまった時期もあったと聞いています。
それでも諦めずに続けた先で、ようやくつかんだ一つの内定。
必ずしも最初に望んだ「本命の企業」ではなかったかもしれません。
それでも、「これで、やっと就活を終えられる」という安堵感が、
その表情からはっきりと伝わってきました。
その姿を見て、心から
「本当によく頑張ったね。おめでとう。
そして、お疲れさまでした。」
と思ったのを覚えています。
就職活動の結果だけを見れば一行で済んでしまう出来事の裏に、ここまでの時間と消耗があることを、つい見落としてしまいがちだと感じています。
こうした一人ひとりの就職活動に向き合う中で、外国籍の方が置かれている状況の複雑さを、あらためて実感することがあります。
行政書士事務所で実務のお手伝いをしていた頃、申請書類や相談記録を通じて、若くして夫婦そろって日本に留学している方が、想像以上に多いことに気づきました。面談の印象というより、書類を並べて見たときに「これは例外ではない」と感じた記憶があります。
中には、それぞれ別々の国から留学生として来日し、日本での留学生活の中で出会って結婚したカップルもいました。
出身国も、母語も、教育背景も異なる中で、「日本で一緒に学び、できれば一緒に働きたい」と考えている。
そうした状況が、書類の上から静かに浮かび上がってくることもありました。学生結婚をして、日本で学び、卒業後はできれば夫婦そろって日本で働きたい。
そんな状況にある人たちが、思っていた以上に一定数、継続的に存在していることに、少し驚いた記憶があります。
理想を言えば、夫婦それぞれが就労可能な在留資格を取得できるのがベストです。
ただ実際には、同時期に卒業する、卒業までに在留資格の変更が間に合わない、片方は先に内定が決まり、もう片方はまだこれから、といった状況も珍しくありません。
そのとき多くの人が不安に感じているのは、「制度が難しいこと」そのものよりも、「自分たちにどんな選択肢があるのか分からないこと」だと思います。
だからこそ、画一的なアドバイスではなく、当事者一人ひとりの状況に応じた、丁寧で多角的な情報提供や助言が必要になります。
そのためには、入管法や在留資格に関する知識と理解が欠かせないのです。
私自身は、より適切な支援ができるよう、行政書士事務所で実務を経験し、外国人雇用管理士の資格を取得しました。
外国人のキャリア支援が難しいのは、日本語力やスキルの問題だけではありません。
学歴、職歴、仕事観、キャリアの志向性、そして育った社会や教育を受けた言語・文化的背景は、多くの日本で生まれ育った日本人とは前提が異なります。
そのため、日本人学生や日本人社会人を前提とした「一般的なキャリア支援」が、必ずしも彼らにとって意味のある支援になるとは限らない。
この点は、意識しておく必要があると感じます。
若くして結婚し、やがて子どもを持ち、夫婦そろって日本で働き、暮らしていこうと考える在留外国人もいます。
中には、子どもは母国で、どちらかの両親に育ててもらいながら、自分たちは日本で働き、仕送りを続けている、そんな形を選んでいる家庭もあります。
それは決して珍しいケースではありません。
それぞれがどのような就労可能な在留資格を得られるかは、単なる「働き方」の問題というより、家族の暮らし方や将来のあり方に、深く関わってくることだと思います。
日本で働く理由は、人それぞれです。
キャリア、家族、将来の安心。
どれもその人にとっては重要な問題であり、どんな理由も間違いではありません。
目の前の外国籍の方一人ひとりの事情を丁寧に理解し、日本にとっても、彼ら自身にとっても、長く続くwin-winの関係につながる形を探していくこと。
その積み重ねに、私はこれからも微力ながら関わり、応援していきたいと思っています。
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