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【読書】2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ

出版情報

今後10年の技術展望:加速主義による未来

 前回の【読書】記事で読んだテクノリバタリアンたちの思想的支柱という触れ込みの暗黒の啓蒙書。私にはつまらなかった。買い被りすぎのように感じた。が、テクノリバタリアンたちが何を夢見ているのか、その一端は垣間見ることができたような気がした。企業とかビリオネアが国家を所有する未来。民主主義は否定され、何もかにもが制限なく自由に加速される社会。テクノリバタリアンの雄 ピーター・ティールは人工島を公海上に作り、外部の規制や法律から解放された領土を構築するのだという(そういう研究に投資しているようだ)。では、その領土の上でどのようなアイディアや技術が加速され地上に降り実現されていくのか?

 本書は加速主義がもたらす未来を垣間見させてくれる。その意味では私が期待した通りの本だった。だが本書を読んだ率直な感想は、「うーん『鉄腕アトム』や『火の鳥』で想像した未来は超えていないんじゃない?」。ま、それを実現に近づけているのはホントすごいことなんだけどね…。

 だけど…本書には「人間がいない」。この一言に尽きる。いや、いますよ?人は心地よくマシンの作る環境に包み込まれる。没入という言葉で象徴されるように、人は自ら進んでマシンにくるみ取られていく。「『便利』へのコミットメントはあるが『幸せ』へのコミットメントはない」「地域や国土や文化、文明に根ざす『多様性』『複雑性』への尊重は見えてこない」…「他の惑星や宇宙空間の衛星での生活を想定している??」「唯物史観=文化マルクス主義的技術開発??」などなど…。
 さらに、コンピューターに包み取られて、パーツになれ!コンピューターを構成する1つのデバイスになれ!と言われているようにしか聞こえないのだ。一昔前(いやふた昔か)の言い方であれば「会社の歯車になれ!」というのがあったなぁ(ん?こういう言い方は死語!?)。

 技術開発ってそういうものなのかな?

 私の感想が歪んでいるのかもしれないけれど…。

 いずれにしても本書は私のように単純な人間にもわかるように、加速主義による技術開発の方向性や未来の生活をより具体的に垣間見させてくれている。また、本書は世界経済フォーラム(ダボス会議)国連のアジェンダについても触れられていて、「あーそっち側」という納得感がある。トランプ政権によってはっきりと否定された移民政策礼賛地球温暖化懸念による技術開発(電気自動車や各種電池など)にも大きくページがかれていて、政権によって左右される「イデオロギー的な技術開発」も記載されていることがわかる。そう「技術開発」はイデオロギーで決まるものでもあるのだ。全体最適化でも全人類にとっての幸福でもなんでもない。そもそもそんなお題目こそがイデオロギー的でもあるのだが…加速主義や加速主義による技術開発。そこに『便利さ』はあるけれど『幸せ』は見えてこなかった。道徳も。道徳を見出そうとすることが間違いなのか?それこそが彼らのいう『制限』なのだろうか?

 当面続く米国でのトランプ革命。「ではトランプ政権下においても生き残っている加速主義的技術は何?」についてもある程度見えてくるものはあるのでは、と思う。

 というわけで、本書で未来を味見させていただこう。悪趣味極まりない2025大阪万博なんかより(関係者の方ごめんなさい💦)、ずっと安全な味見であり、多分、多彩な未来だ。それがタブーなき技術開発であったり、キメラの創造でないことを願いながら…(だいぶ歪んでいるかな??)。

 その程度のことなので、「ああ記事を読むまでもないな」と思ったらどうぞ、ここで離脱してください。下記では、主には、本書で描かれた技術や未来に対するトランプ革命による影響と、本書に対する私が思うデトックス方法を書きました。


本書の構成

 本書は3部構成になっている。

  • 本書の構成p50-p51

    • 第1部:現在急成長を遂げている9つのテクノロジーについて、それがどこへ向かうのか、それぞれが世界の変化をどのように加速し、影響範囲を広げていくか見ていく。

      • 量子コンピューティング、AI、仮想現実、拡張現実、3Dプリンティング、ブロックチェーン、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、遺伝子治療

    • 第2部:8つの産業に注目し、技術の融合がどのように世界の在り方を変えているのか見ていく。教育やエンターテイメントから、医療や産業の変化まで、未来の青写真を提供する。

      • 購買行動、広告、娯楽、教育、医療、寿命延長、保険・金融・不動産、食料という8つの産業分野。

    • 第3部:人類の進歩や、生存に関わるリスクを見ていく。100年先を視野に入れ、5つの大移動に注目する。経済的理由による移動、気候変動による混乱、バーチャル世界の探求、宇宙の植民地化、集合意識のコラボレーション??。

      • 世界経済フォーラムの挙げた5つのリスク:水危機、気候変動、生物多様性の喪失、異常気象、気候変動、環境汚染

      • 移動:移民、バーチャル世界への移住、宇宙への移住、個人の意識はクラウドへ、全人類を一つの人工知能へまとめる??

 第3部の部分を読めばはっきりわかるのだが、世界経済フォーラムダボス会議)のアジェンダを是としており、さらにその延長にある未来、マシンに包み取られる未来を描いている。この本を平気で読める神経を私は疑ってしまう…(いや、やはり私の方が歪んでいるのか)(そういえば会長が辞任したよね?あれ?解任されたのか??)。

 個別のテクノロジーや産業分野にご興味のある方は、どうぞ、本書をお読みください。私には「鉄腕アトム」や「火の鳥 未来編」で十分だった(とはいえ、個人的には量子コンピューティングにはちょっと興味あるかも。デジタルを超えうる(1と0の両方の状態を同時に表す)コンピューターとして…)。

トランプ革命による影響

 2025年4月現在、米国は民主党政権から共和党トランプ政権へと移行し、トランプ革命の真っ最中。たった今はイーロン・マスク氏率いるDOGE(政府効率化省)によるUSAIDなどの粛正(と言っていいのか?事業仕分け??)が終わりに近づき、世界各国との関税にテーマが移りつつある。
 だが、そのほかにもたくさんの変革を成し遂げている。その一つがエネルギー政策の転換であり、WHOからの脱退であり、移民に対する強硬政策だ。

トランプ革命により否定された技術や政策

  • 地球温暖化とCO2削減

    • 米国がこの政策をやめることで、日本の銀行などもこの手の組織から脱退を表明している。つまり政府が米国のポチなら企業もポチだということだ(情けなや〜😢)。

  • WHO脱退をはじめとする今までのNIH政策の否定

  • 移民に対する強硬政策

  • トランスジェンダー関連

    • 本書を読んだ限りにおいてDEIやLGBTQは加速主義とは取り立てて関連はないようだが、医療マネーという点では、トランスジェンダーに関連した手術やホルモン治療はこれまでのような言論や教育関係からの推進力は得られなくなるだろう。

トランプ革命でも生き残る(であろう)技術や政策

  • ビットコインをはじめとする民間暗号資産

    • 中央銀行によるデジタル通貨は否定したが、米政府としてビットコインを買い増している。

    • ピーター・ティールやイーロン・マスクなどトランプ政権に近いペイパルマフィアたちは国家間の自由な送金を目指してペイパルを創業した。民間暗号資産は国家の壁をなくす送金手段でもある。ペイパルマフィアたちはもっと別の使い道も考えているに違いない。

  • 遺伝子関連技術

    • がん治療に対してmRNAワクチンを推奨している人が閣僚近くにいるようだ。RケネディJrは、アメリカを再び健康に(MAHA)を掲げているが、果たして、そうなるかどうか。医療関係技術が『道徳心』をどう取り戻すかが課題か?

    • 寿命延長などの技術も注力されるに違いない。米国セレブはこういう技術が大好きみたいだから…!

  • 宇宙開発技術(宇宙への移民政策含む)

    • トランプ政権は国境を越えた不法移民には断固拒否の姿勢をとっているが、宇宙開発技術に関しては国家としても、また米国民間でも注力している分野だ。軍事技術でもあるし。イーロン・マスクは火星への移住計画に取り組んでいる。確か欧州保守の一角であるメローニ首相も賛同しているようだ(イタリアという国自体にそういう宇宙科学技術に振り向ける国力や興味か関心があるかは別にして)。

  • ブレイン・コンピューター・インターフェース

    • これまたイーロン・マスクが熱心に取り組んでいる。これは脳とコンピューターを直接繋げる技術だ。例えば身体的な麻痺や、手足の欠損、目や耳の不自由な方にとっては、朗報となる技術であることは違いない(今すぐ利用可能かどうかは別として)。このように仮想空間への移住のためだけとは限らないが、仮想空間への移住の一丁目一番地の技術であることは間違いない(仮想空間の移住?何SF言ってんの?と思った方。これはすでに日本政府の計画の中にも入っているのだ!…というように日本政府が日本国民の味方と思っていたら大間違い…の時代に突入!?済み!?)。

 ほかにも私が知らないだけで、こういう技術はたくさんあるに違いない…。

加速主義をデトックス

 トランプ革命は加速主義の一部の政策を否定した。だからトランプ政権自体が加速主義の一部をデトックスしていると言ってよいのかもしれない。私なりに、さらにもう一歩デトックスする力のあるものをあげてみようと思う。もっとたくさんの方法や実践、智慧があると思う。
 あるいは一方で加速主義に乗っかりつつ、もう一方で下記のようなデトックス系の考え方なり、実際の活動なりに参加する、あるいはそれこそ没入するというのもありなのかもしれないとも思う。

  • メディア廃棄宣言

  • 国土学

  • 公益資本主義

  • 辺境冒険家

  • 祭り!!

  • 日本的アニミズム

  • 行き過ぎを是正する文化

髙橋清隆氏のメディア廃棄宣言

 すべてのメディアは支配層のプロパガンダだ!という視点からニュースを分析。私は藤江成光氏と共に厚労省の記者会見で活躍する動画によって髙橋氏を知ることになった。メディア廃棄宣言の終盤には支配層が私たちの人間性を廃止させるような支配を描いている。そこから逃れたいのであれば、すべてのメディアを廃棄して直接的な体験や人間関係の構築に努めよう!と。

大石久和氏の国土学

 人の生活や文化・文明は、その人々の住む国土から離れてはあり得ない。そんな当たり前のことも、元国土交通省官僚で、元土木学会会長の大石氏の手にかかれば奥深い『国土学』となって大成する。

原丈人氏の公益資本主義

 ベンチャーキャピタル出身の原丈人氏は、株主資本主義は企業から価値を吸い取るだけで誰も幸せにしない、と見抜いていた。加速主義の人々とごく近くで仕事をし、その価値観では(多分)重なるところもありながら(現在香港は加速主義のメッカだと思われ多くの欧米の技術系研究所や理系大学が進出中。原丈人氏も香港の状況を大絶賛)、彼らとは一線を画す。

辺境冒険家

 ご存知、高野秀行氏。私はクレージージャーニーというテレビ番組で知った(Tverかなんかで見たのかな??)。地球は狭い、冒険の地はもうない、というのは傲慢なものの見方だ。

 私が尊敬するnoter Kazさんが高野秀行氏を紹介しておられる。

祭り!!

 祭りは加速主義とは対極にあると言っていいだろう。ここではYouTuber TOLANDVlogたちの祭りを紹介しようと思う。彼らは自分たちで村づくりをし、祭りを立ち上げている。でもそんなことしなくても、地域の祭りに参加し、祭りを継承していくことが加速主義からの一番のデトックスだ。


日本的アニミズム

 おもて博耀ひろあき氏は山蔭神道の修験者だ。修験道は神仏習合。神道は万物に神が宿るという教えでもある。八百万の神々に祈りを捧げ、今はもっぱら仏教がその役割を担っているが、祖霊信仰も含む。表氏によれば神道は宗教儀式でもあれば生活様式でもあるという。国際交流にも積極的で、今話題のバチカンでも神楽を披露し、イスラエルでも講演活動を行い、ドイツの錬金術師と交流する。土地神を慰めるなんて、これまた加速主義の対極じゃない??

行き過ぎを是正する文化

 ほんの一時期、アメリカ先住民に関心を寄せていた時期がある。その時、アナサジ族という人々がいることを知った。今もそういう種族がいるのかな?とにかく私が聞いたのは、その人々は一時期、かなりの人数の人口を持つ都市文化??を築いたにもかかわらず、忽然と姿を消した、ということだった。そして、その子孫がホピ族である、と。
 ホピの人々は祭りを重視する。赤い大地にトウモロコシを撒く。砂漠のような土地での農業。頑張ってもしょうがない。天候次第。そうして神々に祈る。神々や大地と交感しながら作物を育て生活する必要以上に欲を持たない。つまり、多分、あるとき「拡大」や「加速」をすることをやめたんだ。それよりも、何かもっと大切なことがある。大切なことを守りながら生きると決めた人々。

 それとね、私の中では徳川慶喜って人が重なるんだ。徳川家の中では慶喜は徳川家を瓦解させた人として、あまりよく思われていないと聞いたことがある。でもね、慶喜が朝廷と争わないと決め、ある種逃げるような撤退をしたおかげで、江戸の街は焼け野原にならずに済んだのでは?いや、もちろん争いはあったのだけど、でも慶喜が徹底抗戦しようと言っていたら、もっと大きな惨事が待っていただろう。それを防いだだけでも、私には大した人のように思える。撤退し、より大きな調和に明け渡す。
 それを簡単に敗北主義などの言葉で断じてよいのだろうか?

 いずれにしろ、私自身が浅学で、ぼんやりうっすらしか物事を言うことができない。さらに学びを深めていきたい…。



引用内、引用外に関わらず、太字、並字の区別は、本稿作者がつけました。
文中数字については、引用内、引用外に関わらず、漢数字、ローマ数字は、その時々で読みやすいと判断した方を本稿作者の判断で使用しています。
また、文言の間違い、表現のわかりやすさなど、随時訂正しています。ご了承ください。

おまけ:さらに見識を広げたり知識を深めたい方のために

ちょっと検索して気持ちに引っかかったものを載せてみます。
私もまだ読んでいない本もありますが、もしお役に立つようであればご参考までに。
 まったく言い訳だけど、この分野は特に「よくわかりませーん」。ですので、本のチョイスもセンスがないかも。ご了承ください〜。

加速主義

暗黒の啓蒙書関係

テクノリバタリアン

 下記動画は ペイパルとリバタリアン、テクノリバタリアン、暗号通貨の関連性がよくわかる!

シンギュラリティ関係

 別に本書にはっきりとしたシンギュラリティ特異点に関する言及があるわけではない(数回はあったかな💦)。でも下記の本の方がまだ実りはあるかも。

元祖リバタリアンの小説

 アイン・ランドは第二次世界大戦後、米国に渡って小説家になった。国家に対する根深い不信。「集産主義および国家主義に反対した。また、無政府主義にも反対した。最小国家主義および自由放任資本主義を、個人の権利を守る唯一の社会制度と信じ、支持した」(wikiより)。ユダヤ系。でも私は小説読んでないんだけど💦

トランプ革命関係


鉄腕アトム

明治製菓はこの頃の子どもたちの夢を壊さないでほしいなっ!

火の鳥

メディア廃棄宣言

 ご存知反ジャーナリスト高橋清隆氏。

国土学

アナサジ族ほか、米国先住民たち

【アメリカ】断崖絶壁に栄えて消えた岩窟住居群 メサ・ヴェルデ国立公園

https://www.travelbook.co.jp/topic/11513

表博耀


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