[WAIC2026]商湯:AIは単発生成から完成品を納品する時代
商湯科技(SenseTime)は2026年7月18日、世界人工知能大会(WAIC)において、新たなマルチモーダル基盤モデル「日日新(SenseNova) U1 Pro」を発表した。
今回の発表でSenseTimeが最も強調したのは、画像生成モデルの性能向上ではない。
AIが一枚の画像や一つの文章を生成する「Generation」の段階から、複雑なタスク全体を計画し、完成品として納品する「Delivery」の段階へ移行するという、新たなAIエージェント像である。
同社は、SenseNova U1 Proを「長時間タスク向け納品クラスのネイティブ・マルチモーダルAIエージェント基盤」と位置付けた。
生成AIの三段階の進化
SenseTimeは、生成AIの進化を大きく三つの段階で整理している。
第一段階は、画像や文章を一回生成するGeneration(生成)。
第二段階は、利用者が部分修正を加えながら品質を高めるControllable Generation(制御可能な生成)。
そして第三段階が、今回提唱したSystem-level Delivery(システムレベルの納品)である。
一つの長時間タスク
従来の画像生成AIでは、一枚の画像を作ることはできても、複雑な制作プロジェクト全体を完成させることは難しかった。
例えば、情報量の多いポスター・プレゼンテーション資料・長尺のインフォグラフィック・連続する映像用絵コンテでは、全体構成・レイアウト・テキストの正確性・デザインの一貫性・修正時の整合性などを同時に維持する必要がある。
SenseTimeは、これらを「一つの長時間タスク」と捉え、AIが最後まで責任を持って完成品へ仕上げることを目指す。
SenseTimeによると、SenseNova U1 Proの特徴は、複雑な目的に対して、理解・計画・生成・検証・修正という一連の工程をクローズド・ループで実行できる点にある。
同社はこれを「長時間Agentic Loop」と呼ぶ。
完成品まで作り続ける
一般的な画像生成AIでは、画像を一枚生成するたびに処理が終了する。
利用者が修正を指示すれば、AIは再び画像を生成するが、その過程で全体構成が崩れたり、他の要素まで変化したりすることも少なくない。
一方、SenseNova U1 Proでは、全体目標を維持しながら必要な部分だけを修正し、最終成果物まで継続的に改善していくことを目指す。
SenseTimeは、この違いを、「カードを引くように偶然良い画像を引き当てる」から「納品」へという言葉で表現した。
中国の画像生成AIユーザーの間では、何度も画像を生成して理想的な一枚を引き当てる作業を「抽選」と呼ぶことがある。
SenseTimeは、この試行錯誤型の制作から脱却し、最初から完成品を設計・制作できるAIを目指すとしている。
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