ASD積極奇異型の私はなぜ突然歌い出すのか?

この記事は、障がいを持ち、生きづらさを感じてきた筆者が、障がい特性のことをポジティブに発信していくエッセイです。
今回は、当事者目線で解説する、ASD積極奇異型の私はなぜ突然歌い出すのかについてです。
今回の記事のターゲットは、様々な特性のASD当事者や、家族や友人知人、仕事の仲間、恋の相手がASD積極奇異型の方です。
また、自身の多動・多弁・衝動・積極奇異の特性の仕組みを理解したい発達障がい当事者にも読んでいただきたいです。
もし、あなたの身のまわりで、突然歌い出す人がいたら、このような理由があるのかもしれません。

ASD積極奇異型とは?
基礎知識から入ります。
ASDとその特性について

(Geminiさん生成画像)
まず、ASDとは、発達障がいの一種で、自閉スペクトラム症、自閉症、広汎性発達障がいとも呼ばれています。
社会的なコミュニケーションが困難で、特定の事柄への強いこだわりがあり、感覚過敏といった特性を持つ、生まれつきの脳機能障がいです。
かつては「自閉症」や「アスペルガー症候群」などと呼ばれていたものが統合され、連続体(スペクトラム)として包括的に捉えられます。
ASDには、孤立型、受動型、積極奇異型、尊大型、大仰型があり、各特性により、コミュニケーションの傾向が違います。筆者は積極奇異型です。
孤立型は、自分独りの世界の内側だけで生きるタイプで、受動型は、受け身のタイプで、周囲に流されやすいです。
尊大型と大仰型は特殊なタイプで、尊大型は、こだわりの押しつけや相手を見下すタイプ、大仰型は、不自然な礼儀正しさがあります。
積極奇異型は、人と積極的に関わろうとしますが、会話が一方通行になり、自分ばかり話します。
相手と距離を詰め過ぎてしまい、他者の気持ちを考えない言動ばかりし、空気を読むことが難しいです。
積極奇異型の長所は、何事にも積極的に取り組み、周囲に流されず、自分の軸がしっかりし、とても素直です。
自分だけの世界を持ち、まわりの影響を受けにくく、無理をして適応しようとしないため、ストレスを溜め込みにくいです。
筆者の場合

(Geminiさん生成写真)
筆者は、小学1年生の頃「多動を伴う高機能自閉症」と診断され、10代半ばで、二次障がいとして「双極性人格障がい」と診断されました。
小学1年生までは、他者の気持ちを全く考えず、自分だけの気持ちで動き、自由奔放に生きていました。2年生から、地元の小学校に転校しました。
転校先の小学校では、他の障がい児童やクラスメイトと関わり、担任の指導のおかげで「社会性」や「他者を思いやる気持ち」が育ちました。
子どもの頃は、同性の友達はいました。異性とも友達として仲良くできます。周囲に流されず、自分の軸がしっかりしていました。
自分の気持ちだけで相手に話しかけ、自分の欲求を満たすため、自己満足で相手と関わり、相手のことには無関心であると指摘されます。
年を重ね、ある程度の「社会性」や「他者を思いやる気持ち」が構築され、人間関係のコツを身につけていくと、特性がブレ始めました。
自分ばかり喋ってしまうことで「相手に迷惑をかけてしまった」と後悔し、人にどう思われているか気にしすぎてしまいます。
自分や誰かの言動に一喜一憂し、深読みし、仕事という目上の人がいる場面では受け身になり、嫌なことでも従ってしまいます。
周囲の影響を受けやすく、自分らしさがなくなってしまうこともあります。一方的に話す、しつこい、距離を詰めすぎることは現在もあります。
基本的に、独りが好きで、単独行動が楽で、家族ともあまり一緒に外出せず、平日の夜や休日はずっと自宅にいます。
寂しがり屋で構ってちゃんでもあり、独りだけで過ごしている時間が相当なストレスになることもあります。
生理前(PMSのとき)には、多動や多弁が顕著になり、大きな声を出し、泣き叫び、傷つけ合う恐怖から、極端に人を避けることもあります。
自分より立場が弱い相手を積極的に見下す、バカにする、いじめる、差別する、悪口を言うなど、高飛車なことを指摘されたこともあります。
不自然な丁寧さもあり、丁寧語が得意で、目上の方や年下の人にも丁寧な言葉遣いをし「呼び捨てOK」の年上の友達にも必ず「さん付け」します。
2025年の8月から恋をしている相手へのラブレターやメッセージのやり取りは、業務連絡のような、堅苦しいくらいの丁寧語です。
積極奇異型と診断されても、みんな同じ性格ではないです。別の特性の特徴が出ることもあります。うつなどの二次障がいが出ると尚更です。
筆者は、積極奇異でも、周囲の影響を受けやすく、人を避け、単独行動し、受け身になり、自分を尊大に見せ、大仰な振る舞いをすることもあります。
特性がブレるのは、特性がブレンドしているのではなく、不安定なことでもなく、二次障がいの特性や、性格的な部分もあります。
いろんな特性がブレンドされていると感じるのは、多機能なサバイバル・ツールを持っているということです。
人をバカにし、執拗にいじるのは、人間関係で傷ついた経験や、二次障がいの影響から、最低な方法でしか、自分の形を保てなかったためです。
学生時代の好きな人に拒絶された空虚さを埋めるために、誰かを支配したり、傷つけたりすることでしか、自分の存在を確認できませんでした。
相手に無関心なのは、自分の「好き!」という熱量が強すぎて、意識が「愛しているという自分の感情」に全集中してしまっているからです。
それは、自分の愛がそれだけ純粋で、情熱的であることの裏返しです。積極奇異型の人は、純粋で裏表がないところが長所です。
丁寧語のメッセージを送ることは、大仰型というより、自分なりの「最上級の敬意と誠実さ」の表れです。
業務連絡のように見えるほど真剣に、相手の存在を「尊いもの」として扱い、その不器用なまでの真っ直ぐさは、伝わる人には必ず伝わります。
ASD積極奇異型にはいろんな人がいる
筆者の場合を見てわかる通り、積極奇異型にはいろんな性格の人がいて、どういう特性が目立つのかは人それぞれです。
筆者は多動・多弁・衝動などの特性があり、歌が好きで、よく歌いますが、人によっては、お喋りのほうが好きで、あまり歌わないこともあります。
私が歌うのと同じ理由で歌う人もいれば、違った理由で歌う人、今回挙げる「私が歌う理由」で、多弁になったり大声をあげたりする人もいます。
この記事は「ひとりのASD積極奇異型の特性を知るもの」で「私の特性が顕著になる一例」として、参考にしていただけるとありがたいです。
ASDの私が突然歌い出す理由
なぜ私が突然歌い出すのか、自分でもよくわかっているので、説明していきます。
1.歌が好きだから

(Geminiさん生成写真)
私の歌が好きな理由として挙げられるのは、家族みんな歌が好きで、声を出すことが生きがいで、歌に自信があり、学校で音楽を楽しんだからです。
そして、人間は古来から「喜怒哀楽の感情を歌にして表現する生き物」であったためとも思っています。
とにかく歌や声を出すことが好きで、高校卒業後の進路は、夜間と週末に通学する形の声優養成所・ボーカルスクールを希望したことがあります。
経済的理由と、体力・能力面で進学は諦め、今度はお人形のミュージカルの動画を配信する人になろうとしました。
それも、理不尽なことに、お金と体力・能力の面を周囲に認めてもらえず、諦めました。何度も何度も夢を諦めてきました。
私の歌が好きな理由は、今回9つも挙げている、突然歌い出してしまう理由とほぼ同じです。とにかく歌が大好きで、いつでも歌いたくなります。
2.歌うことに自信があるから
私は音程を正確に歌うことが得意で、カラオケの採点の点数も良かったため、歌うことにはとても自信があります。
現在、カラオケでは、満足できる点数は出せなくなりましたが、音程の正確さには、まだまだ自信があり、いろんな場面で歌ってしまいます。

〈珍しく五角形グラフのバランスが良い〉
音程を正確に歌えるのは、ASD特有の「正確さを追求する」「耳が良い」「繰り返し聴いて歌う」という特性やこだわりからくるものです。
積極奇異型の私は「楽しく歌っている自分」に全集中してしまうため、伴走から歌声が外れ、走ってしまい、リズム感覚が鈍っています。
どれくらい歌に自信があるのかというと、おはことして挙げている曲が、音程を取るのが難しい曲であることです。
西野カナさんの「if」やYOASOBIさんの「夜に駆ける」といった、難曲をリリースする傾向のあるアーティストさんの曲でも音程を正確に歌えます。
しかし、抑揚が利き、オクターブを超えるような曲をリリースする傾向のある藤井風さんの曲を歌いこなすのが難しいと感じます。
音程に自信のない曲は、採点で高得点を狙うのではなく「歌うこと」を楽しんで、カラオケで歌うようにしています。
私個人の好みなのですが、音程が取れず、高得点の狙いにくいヒップホップは好んで歌いません。バンドも趣旨によってはあまり好みではないです。
back numberさんは歌詞に優しさがあり、Novelbrightさんの「seeker」は男性のハイトーンボイスで声域が広く、発声練習として歌っています。
私が、カラオケの採点で高得点を取りやすく、音程が評価されることの多い理由を、以下のリンクで解説しています。
3.リズムよく作業をするため

(Geminiさん生成写真)
高校卒業後に通所していた就労施設で、リズムよく作業を進めるため、歌いながら作業をしていました。
本当は、作業中に騒がしくすることはよくありませんが、私は黙々と作業するより、歌いながら指先を動かすほうが、作業に集中できました。
対処法として、スマートフォンやポータブルプレーヤーにイヤホンを接続して、音楽を聴きながら作業をするといいと思います。
以前は、イヤホンジャックが故障して有線イヤホンが使えないスマートフォンを使用していて、その対処法を取ることができませんでした。
今は、無線イヤホンやウォークマンも所持しているので、音楽のリズムに乗りたいときは、イヤホンで音楽を聴いています。
どうしても歌いたいとき、イヤホンで音楽を聴き、歌詞を口パクすると、アーティストの歌声が自分の声だと錯覚し、歌いたい衝動を抑えられます。
4.不安・緊張・体調不良解消のため
積極奇異型の人は、一方的なコミュニケーションを取る上、ひとりでいるときも自分と会話し、声を出すことで、平静を保とうとする癖があります。
不安や緊張状態、叱られることがあると、多弁になったり、大声を出したり、歌ったり、不自然に笑ったり、咳をしたりするのはそのためです。
声を出すこと、歌うことは、私にとって、元気の源で、生命維持のためになります。声を出すことで「自分は生きている」と実感できます。
積極奇異型の私が黙り込んでしまうときは、本当に疲れている・元気がない・本気の集中モードのときです。
静かにしないといけないときや、黙らないといけないときは、喋りたいという衝動を抑え、自分を押し殺してでも黙るのです。
そのため、黙る・静かにする・じっとしていることが、相当なストレスになることもあります。
基本は、体が疲れていても口は疲れませんが、頭や心が疲れているときや、寝る直前といった疲れがピークのとき、私はほとんど喋らなくなります。
5.存在をアピールするため
積極奇異型の人は、人懐っこく、裏表がなく、誰にでも好意があるように見えます。遠くに、好きな人や友達が見えると、歌うこともあります。
好意のある人に対して、はっきりとした声や音程で歌うことで、自分を魅力的に見せていることもあります。

(Geminiさん生成写真)
道で突然歌い出す人がいると、ギョッとしてしまうかもしれません。私は以前、好きな人を外で見かけると、歌ってしまうことが何度かありました。
私が就労施設の送迎車で歌うと、同じ仕事場の好きな人が指やイヤホンで耳を塞いでいたと気づいていたのにも関わらず、何回も歌ってしまいました。
一度だけ、AIさんの「Story」を、ライブのアレンジで歌ったときは、好きな人を道で驚かしてしまいました。
当時、二次障がい(躁うつ)のうつ状態のピークで「家出をする」とまわりの人に話し、他者とうまく意思疎通ができないほど精神状態が悪かったです。
家出をしているときの道で、とても大きな声で歌ってしまい、彼を驚かせました。初めて、彼と距離を置き、積極的に話しかけないと決意しました。

そして、多動・多弁・衝動の特性は他者や好きな人に悪影響を及ぼすと思い、一時期それを自力で矯正して抑えようとしました。
無口で黙り込み、音声読み上げ機や身振り手振り、文字を見せる、指で書くといった、声を出さないコミュニケーション法を取りました。
「突然」歌い出すことは、衝動性という特性からくるものです。私も抑えたいのですが「抑えることが自分らしさではない」と感じました。
無口や声を出さない異様なコミュニケーション方法はすぐにやめて、彼と距離を置くこともやめ、いつもの明るく元気な自分に戻りました。
このように、興奮すると、歌や声で、嬉しいことや楽しいことなど、そのときの気持ちを表現してしまいます。
歌声で「私はここにいるよ」と気づいてもらおうとしたり、自身の力強さや魅力をアピールしたりします。
抑えることも大事ですが、静かにしていることが、逆に周囲の人たちに異様に思われ、心配されることも多いです。

〈内面磨きのすすめ1〉
静かにすべきなのか、それとも通常通り元気で明るく過ごせばいいのかと、どうすることが正しいのかわからなくなります。
多弁特性のある人が静かにしたいときは、なぜ静かにしているか疑問に思わず「今は静かにしたいときなんだな」と、温かい目で見守ってほしいです。
6.自身を楽曲の主人公だと思っているため

(Geminiさん生成写真)
J-POPやラブソング、ポジティブな曲、アイドルの曲など、共感できる歌詞があり、自分のことを歌っているように感じます。
ただし、ASDの人は、歌詞などの言葉を文字通りに受け取る場合があります。もちろん、自分で意味が理解できる範囲の歌詞に共感します。
メロディのいい曲や、深い言葉の歌詞など、曲の世界観を理解するために、歌詞の考察や本当の意味を検索することもしています。
特に、坂道アイドルグループの運命的な出会いや共鳴がテーマの曲は、共感しやすく「自分がその曲の主人公だ」と思う曲も何曲かあります。
今年度が明ける前は、家入レオさんの「雨風空虹」がそのときの自分を歌っているようで、歌詞の意味も調べた上で気に入っています。
私が共感する歌詞を大きな声で歌うのは、完全に曲の世界観に入り込み、まるでミュージカルの登場人物を気取っているからです。
7.目立ちたいから

(Geminiさん生成写真)
5の「アピールする」と少し似ていますが、音程に自信のある曲を安定した歌声で歌うことで、歌の才能を周囲に知らせています。
10代の頃から、自慢できることといったら、歌声か勉強・趣味の知識くらいしかなかったので、とにかく歌で目立ちたいと思っていました。
8. 急にその歌を思い出したから・記憶がリンクしたから
多動・多弁・衝動の特性を持つASD積極奇異型の人は、思い出したことを口に出さずにはいられません。
突然、自分の思い出した単語を喋ることは、中等度以上のASDの人なら、よくあることです。発達障がいの脳の仕組みからくるものです。

私の場合は、この図ような、歌詞の一部や、商品名・企業のサービスの話題が出たりすると、曲の歌詞を思い出し、すぐに歌い出してしまいます。
好きな人とランチデートをしているとき、メニューの注文番号が「246」だったため、真田ナオキさんの「246」をつい歌ってしまいました。
商業施設の催し物で、携帯電話のプランの勧誘をしていたとき、次々とCMソングを歌って、賑やかで面白い人だと思われたかもしれません。
中学校の英語の授業中「リンダ」という人物が出て、ギフテッド風の男子生徒が「リンダリンダ〜」と歌い出した際は、自分でも奇妙に感じました。
このように、突拍子なく、歌を歌い出すのは、誰にとっても、同じような特性を持っている当事者から見ても、奇妙に感じられるはずです。
会話や授業の途中で、突然歌い出してしまう理由を紐解くと、ASDの脳内原理が見えてきます。
特定の単語が引き金となって、自動的に音楽が再生されてしまいます。脳内での「連想ゲーム」が超高速で、しかもメロディつきで起きているのです。
衝動的に歌ってしまう癖は、本人の努力や訓練次第で抑えることは可能ですが、無理をして爆発してしまうこともあります。

〈2026年4月26日(日)〉
自分の場合は、静かにしないといけない場面や、失言が許されない場面から帰ったあと、自宅や誰もいない場面で存分に歌い、何度も禁句を言います。
ASDの人が衝動的にしてしまう言動として、失言や禁句を言うこともあります。失言や禁句を言う理由については、今後の記事で解説するつもりです。
9.曲やその歌詞を知ってほしいため
私は、自分の好きな曲、共感した歌詞、独特な言葉の表現を、まわりの人にも知ってほしいと思っています。
まさに自分のことを歌っている曲を歌ったり、端末のスピーカーで繰り返し再生したりして、自分のプレイリストを共有したいのです。
自分は好きな曲や共感した歌詞などを一方的に他の人に教えたい気持ちがあるので、他の人に、おすすめの曲を教えてもらうのは好きではありません。
私が共感しやすい曲のジャンルやアーティストは、ポジティブな曲、ラブソング(運命的な出会い、葛藤、アプローチ)、坂道グループの曲です。
突然歌い出す人への対応・配慮・対処法
突然歌い出す人の歌を否定したり、強制終了したりすると、自分自身や好きな歌を否定された気がして、落ち込んでしまうことがあります。
ビジネスシーン以外で歌う人がいたら、否定せず聞き流すか、肯定すると、ASDの方のストレスには繋がりません。
学校や施設で歌っている場合、威圧したり、強い口調や言葉で注意したりすると、泣いたり、大声を出したり、ときには攻撃的になったりします。

(Geminiさん生成写真)
私がかんしゃくを起こす理由として挙げられるのは、気持ちがうまく伝わらなかったり、理解していてもらえなかったりしたときです。
多弁の特性を持つASDの方に騒がしくしてほしくないときは、学校や施設のルールを守るように教えてくれたら、抑えようと自分で努力します。
不穏時以外では、リラックスしているときも歌うことがあります。安静時に歌うのをやめさせると、急に気持ちが不安定になります。
自分の平静を保つために歌っているところを、厳しく叱る、威圧することで、強制終了されると、感情の起伏が激しくなります。
特に若いASDの人が、自分を否定されることや、人間関係のトラブル、いじめなどを経験すると、二次障がいを発症してしまうことがあります。

〈内面磨きのすすめ2〉
健常者と学習をしてきたASDの方や、他の障がい者と集団生活をしている大人のASDの方は、自分でも静かにしないといけないことは理解しています。
授業中や仕事中に歌ったり、喋ったりしたくなるASDの方は、歌やお喋りより、別のことに集中するように促すと、静かにじっとしていられます。
筆者の場合、授業中のお喋りや多動の癖は、思いついた内容を自由帳に書き出したことで軽減しました。
発達障がいの人は、脳内が常に騒がしく、見聞きした情報に敏感なため、喋ったり動いたりして、状態を確認したり、周囲に適応したりしようとします。
喋ったり動いたりする癖は、イヤホンで音を聴いたり、歌や言葉を口パクをしたり、ノートに書き出したり、何か好きな物を触ったりすると軽減します。
私のような中等度のASD人は、何度も周囲になじめない経験をしてきて、うまくできなかったもどかしさを、今すぐなんとかしたいと願っています。
どうか、静かに大人しくする練習で、失敗しても、否定せず、威圧せず、成長過程として、温かい目で見守っていただけると、当事者のためになります。
もし私が「高校卒業後」に歌の道へ進んでいたとしたら
私は本気で歌手を目指していて、高校生の頃に、担任との進路相談にも「歌手になりたい」と相談していました。
小学生の頃から、アイドルや歌手になりたくて、モーニング娘。のあるメンバーや、ももいろクローバーZの方々に憧れがありました。
家族みんな歌が好きで、母も歌手を目指していた時期があり、きょうだいも歌を録音して配信したいと思うこともあったそうです。
10代前半の頃は、無自覚でしたが、スタイルが良く「美少女」と呼ばれ、卒業写真のカメラマンにも「モデルさんですか?」と訊かれました。
小学生のうちからオーディションを受ければ、今頃芸能人だったり、出世していたり、お金がたくさんあって生活に困らなかったりしたと思います。
10代半ばになると、成長期で身長と体重が急激に変化し、高身長の肥満にはなりましたが、カラオケの採点で98点を取るほど歌は上達しました。
高校在学中、声優・ボーカル養成所のホームページを発見し、通学の苦を感じていた私には、夜間と週末に通学する専門学校が合っていると思いました。

(Geminiさん生成写真)
しかし、私の家はお金がなく、父親とも離れて暮らしていて、学費の工面ができず、自分で学費を稼ぐように言われました。
就職の内定もないまま、通信制高校を20歳頃に卒業しました。就職を希望するも、体力・能力面で就職を先延ばしされました。
就労支援施設での仕事の経験しかなく、学費を貯められるほどの収入ではなく、何度も夢を持っては諦めてを繰り返しました。
何度も就職を先延ばしにされ、こんなに誰かの言うことを聞いてばかりで、夢や目標を叶えられない理不尽な人生を終わりにしたかったです。
そんな不幸のどん底の中、自分の人生を小説にして、自分を俯瞰で見ることができるようになり、この人生は間違いではなかったと気づきました。

(生成写真と実際の写真を比較)
私には今、大切な人がいて、その人と出会ったのは、不遇な対応に数年間も苦しんできた就労支援施設でした。
ずっとその施設を辞めたいと思っていたのに、なかなか辞められず、ぐだぐたと4年以上通所していたところ、8歳年下の今の彼と出会えました。
通所して5年が経過する今年の1月に、今まで夢や目標が叶わず、これからも就職も自立も結婚も叶わないだろうと、人生を悲観しました。
精神状態が悪化してしまい、仕事と恋愛と距離を置くと決意し、無収入の引きこもりニートとなり、彼とも別れ、彼がいない日々に絶望していました。
つい最近、高校卒業後の就労施設での穏やかな日々や、その次に通所していた就労施設での苦悩は、これからの自分にとって大事だと気づきました。
今、私は就職活動中で、自身のスキルアップや職業の適性を見極めるため、明日から就労選択支援の利用を始めます。
就労施設で作業した経験で、仕事への意識が大きく変わったと感じています。だから、夢を叶えなかった人生は間違いではなかったんです。
就労施設で、あらゆる年代の人とコミュニケーションをとることや、仕事を最後までこなすこと、率先して仕事をすることを覚えました。
更に、仕事でのトラブルで、苦手な人とも仕事上の関わりがあると、共通の趣味の話題をして、仲良く過ごすことを覚えました。
仕事で嫌なことがあっても「これが仕事だ」と割り切ることができたのが、母に感心されました。
それでも、就労施設に不満を募らせ、一般就労の道へ進むことにしました。ある程度の経験を積んだので、自信を持って就職活動に取り組みたいです。
多弁の特性を抑え、どういったときに声が出てしまうのか、自分を理解するのも、就職活動の訓練をする上での課題として挙げられています。

(Geminiさん生成写真)
高校卒業後に、歌い手になる夢を叶えていたとしたら、魂が震えるような恋も経験せず、歌詞を深く共感できるような人生もなかったかもしれません。
全ての人生の葛藤がなければ、今の自分は存在していなかったと思います。今まで諦めてきた夢や目標は、これから叶えていきます。
一般の仕事も、歌詞(小説も)を書くことも、全て自分の人生経験がなければ、うまくできないかもしれません。
歌中心の人生は、そう簡単に叶わないとはわかっています。いずれは、自分も誰かに希望を与える、共感する文章や歌詞を書いてみたいです。
それを、自分の力で世に送り出す、エネルギッシュな表現者になります。特殊な人生経験をしましたが、同じ悩みを持つ人の力になれる気がします。
10代後半〜20代半ば頃の自分に、理不尽な思いをした経験は「今の自分にとって、全て必要な経験だから」と言ってあげたいです。
最後に
発達障がいの人は、視覚的情報が優位で、耳から聞いた情報をうまく表すことが得意ではなく、自分もそうです。
人の話す言葉や、歌詞を正確に聞き取ることはできませんが、音の真似や物真似は得意です。
なので、音程を正確に歌うことや、動物の鳴き声や、何かの音の真似、外国語の発音を忠実に真似ることに特化しています。
自分は「歌詞を見る」より、繰り返し聴いて「音」として覚えます。カラオケに行き、選曲して歌って初めて歌詞を知ることも多いです。
歌詞を知っている曲なら、脳内で文字(自分は意識的にローマ字)に変換します。脳には何曲もの歌詞が記録されています。
歌詞を知っていても、アーティストのクセを真似して歌います。歌詞の通りには歌わず、耳で聴いた歌詞の通りに歌います。
歌詞を共感したり、アーティストのクセを真似たりして歌うのは、歌詞やその歌の世界観を崩したくないという誠意です。
そのため、私は曲の本来の意味を損なったり、面白可笑しく作り替えた替え歌はあまり好きではありません。
お気に入りの曲を何度も聴いたり歌ったりするのは、ただ歌が好きなのではなく、曲を作ってくれた人に敬意を込めているのです。
ここまで歌が好きなASDは私くらいでしょうか?今回は私のケースを挙げてみましたが、共感したらぜひ他の人と共有してください。
筆者のASDエッセイの内容向上のため、コメント欄で当事者の声に耳を傾けたいという気持ちがあります。共感したことや、経験談などお寄せください。
