第29話 中学時代の修学旅行について
チカノベの人生史小説。タイトルは『精神障がい、性的違和の知暖が学んだ「真実の愛」と「人生の正解」を目指す道』。
脳の障がいによる障がい特性を持つ主人公の知暖が、人生でたくさん失敗し、苦しんで、たくさん泣いて叫んで、報われない経験をして生きてきた。
そうやって、いろんな人たちと関わっていく中で「社会性」と「愛の形」と「人生の正解」について学んでいくお話。
今回は、第3章『自分に向けた「ありえない」を覆した中学校生活』から『第29話 中学時代の修学旅行について』です。
目次はこちらです。以前の話や次回以降の話を選んで読めます。

(Geminiさんで生成したイメージ写真)
中学時代の修学旅行について
中学校の修学旅行。行き先は東京。2年生の後半から、学校側は行事として、自分は個人的に、着々と計画を進めていた。自分にとっては初めての東京で、今まで北日本を出たことがない自分が経験する新世界になるはずだった。
修学旅行でまず決めたのが、選択プログラムの時間。確かナイターショーやコメディ、歌劇団などが選択可能で、自分は歌劇団を選択。小学生の頃、社会科見学先で見たと思うが、歌劇団のポスターを初めて見て、違和感を覚えた。そのポスターは、男女の主役と思しき写真。男性のはずなのに、女性的な顔立ちとメイクで、性別がよくわからなかった。山形先生に訊くと「歌って踊る」と教えてもらった。それが歌劇団を知ったきっかけ。中学生になる頃には、その歌劇団が女性のみで構成され、各組にトップスターが存在する華やかな世界であることを知っていた。
女性が男役を演じることに、男勝りで「女性より強い女性」に憧れのようなものを抱き、自分も将来は歌劇団の劇団員になりたいと思い、障がい者施設の人に「男役になれる」と言われたものの、母の話やメディアの情報を知って到底無理だと思った。幼少期からバレエの英才教育を受けていないと難しいことや、狭き門であること、辞める人が多いこと、母の同級生が歌劇団の養成学校に合格したことを教えてもらった。
自由散策の内容も計画した。遊園地の行動でも、親友のりずはもう一緒に行動するメンバーが決まっていて、クラスメイトのゆきほも一緒に行動しないことになった。担任との2人行動になる。自分は当時はまっていたカードゲームや携帯ゲーム機のキャラクターたちがいて、カードやキャラクターグッズを大人買いしようと思って、そのキャラクターショップのある港区を散策することにした。
列車の乗り換えを自宅のPCで検索し、最寄り駅から徒歩何分とか、移動時間を計算し、キャラクターショップの近くにある資料館も見学しようと思ったし、自分の名前みたいな美術館も興味があった。昼食はビルの中にある、古風な名前の食事処で摂ることにした。担任は体が弱く、免疫も弱く、普通の人と同じ食べ物が食べられないため、当日どうなるのか、弁当をどこかで食べるのかなとか、少し考えた。
選択の鑑賞の内容が変更になり、自分は東京タワーに選び直した。紙に書き出した散策内容も特に変更するつもりはなかった。そして、初めての入院では、修学旅行での集団生活に適応できるかもかかっていた。
しかし、中学1年生の頃から仲良くしていて、校長室にも入れてくれて、信頼していた校長先生からの、あまりにも非情な宣告だった。「保護者の同行がなければ、修学旅行への参加は認めない」というものだった。当時の学校生活や日常生活、入院生活でのかんしゃくの程度が酷く、校長は「この程度の精神状態なら行かせられない」という判断が下った。母は仕事を休めず、同行はできない。
せっかく計画を完璧に近い状態でやったのに、行けないことになった。自治体からの補助金も母が返却した。学校だよりには『ハイテンションな校長先生』という見出しとともに、校長先生がスカイツリーを楽しむ姿が掲載されていた。自分ひとりを置き去りにして心から楽しんでいるその姿に、激しい憤りを感じた。「人ひとり置いておいて、心から楽しんでいるなんて」と思った。校長先生から、遊園地の巾着とキーホルダーをもらい、同級生の知的障がいクラスのあゆむくんからもお土産をもらった。自分は家族で、県内の地域で旅行をしたので、仲違いして険悪な関係だったけど、あゆむくんに県産の果実の色素が入ったクッキーを渡した。結構興奮して受け取っていて、よかったのだと思う。
のちに、あやめさんも3年生になって修学旅行に行き、浅草で購入したカエルの形の鈴をくれた。高校通学中に紛失したが、祖母が近所で拾って、今ではペットのおもちゃになっている。ゆりえさんも、当時の自分の担任と2人で修学旅行に行ったと文化祭のときに聞いた。
知的障がいクラスの3人が、修学旅行を満喫する中で、なぜ情緒クラスの自分たちだけが排除されなければならないのか。その不平等さに、言いようのない不自由さと悔しさを覚えた。人と違うと、集団生活もまともに送れず、普通の人と同じ扱いや生活、というか普通の人と同じように授業をうけ、学校行事に参加し、受験勉強をし、高校3年間を毎日通学し、アルバイトもして過ごし、就職して、結婚して家庭を作るということができないなんて、本当に不自由な暮らしだと思う。
自分は普通の人と違う学生生活や20代までの生活を送って、普通の人と同じように生きたい、まっとうな暮らしがしたいと思うのに、学生生活の乱れや障がい特性のせいでうまくいかない。支援学級の人は、生徒会のアンケートには参加できず、1年間のテーマや文化祭のテーマソングなども集計の対象ではない。障がい者で、支援学級である自分を当時は非常に悔やみ、嫌悪感を抱いた。大人になって、性格や好きな人間のタイプが構成されていくと、障がい者でよかったと思ったり、もっと人懐っこくなったりする。
修学旅行が終わり、1学期を過ごし、今度は夏休み。今でこそ、あの人も笑い飛ばしてくれるが、当時の自分にとっては、人生を揺るがすほどの大事件が幕を開けようとしていた。人生で最も激怒した日のこと。自分が一生、唯一恨みを持ってしまう相手とは。
おことわり
この物語は、自分の主観と記憶を辿り、実体験をベースに綴ったノンフィクション・エッセイです。一部、プライバシー保護のために、地名や人名、団体名、家庭事情等を伏せたり書き換えたりしています。そして、歳月の経過による記憶の断片を繋ぎ合わせています。当時の心情風景としての描写が含まれることをご了承ください。
あとがき
もしかしたら、学校だより「ハイテンションな校長先生」の部分は、記憶違いで、別の年度の学校だよりのことかもしれません。
修学旅行は、小学生の頃しか行っていません。高校は修学旅行がない、通信制高校でした。
今でも、東京には行ったことがなく、北日本(北海道・東北)から出たことがありません。東京や大阪に憧れもありません。
でも、北海道や東北以外で、興味がある地域はあります。石川と福井に興味があります。20代半ばまでは、30万円貯めて行ってみたかったです。
加賀太きゅうりカレーを食べ、カニ食べ放題をし、美術館のプールのアートを予約して入り、庭園巡りをし、金箔ソフトクリームを食べたかったです。
福井では、大型インコがたくさんいる動物公園に行きたかったです。でも、今は旅行のための貯金より、母に学校生活でかかったお金を返したいです。
自立や結婚をする目標の年齢まで、あと2年程度しかないので、将来のためにも貯金がしたい気持ちがあります。
作者の近況
今、第10章を生きる作者の近況。今日は調子がいいのか悪いのかわかりません。躁状態なのかうつ状態なのかも境界線がわかりません。
お昼は、通販購入品が届いて、大興奮して、彼のことを思い出して、お花見の汽車の時刻表を見て、計画もしていました。
いつもは15時半以降に延ばしてしまう洗濯も、14時半にできました。今日は小説を書こうと思ったのに、小説も書いていません。
記事も、やっと編集を始められました。自分の精神状態がよくわかりません。欲しい物が手に入って元気ではあります。
最近は、自分の中で計画している記事の投稿予定も変更しながら、毎日投稿を続けています。まだ話していない、大切な近況もあります。
僕は今日、とても落ち着きがありません。生理前のせいで、多動多弁、興奮気味ですが、家族以外の人を極端に避けることはないです。
明日は、お花見のプランを最終確認しようと思います。天気予報は、最近雨の予報しかないです。お花見に行きたいと思っている日も雨の予報です。
昨日、傘の盗難が発覚したので、新しい傘がないと困ります。家族の傘を借りるか、家族に傘を買ってきてもらいます。
だから、この前まで使っていた傘に「カメムシ大好き」って書けばよかったのにと思います笑。
こんなことが書かれた傘、誰も喜んで使わないはずです。それ以外の方法で簡単に盗難対策ができたらいいですね。
誰も盗みたくないような、奇妙なシールや落書きがされているほうが、盗む側もぎょっとしてしまうのではないでしょうか?
でも、元の傘立てに戻すより、道に捨ててしまう可能性もあります。自分にしか使いこなせない、独創的な傘をデザインしてみたいですね。
「僕昆虫食べたい」「お金なんて要らない」「5つ子のママ」「ハオランが大好き」「僕は大声を出します」など、自己紹介や目標を書けば良さそうです。
創作のお話かもしれませんが、傘泥棒の常習犯に「私この傘盗りました」と書いた傘を盗ませて、傘泥棒から足を洗った人がいるそうです。
調べたところ「この傘お前のじゃない」「警視庁」などと持ち手に書けば、盗難防止になるそうです。「カメムシ愛好会」でもいいんじゃないの?
大っぴらに、頭がおかしいことを書くのも、自分の身を守ることにはならないので注意が必要ですね。
無差別で人を襲う加害者は、世の中が「排除すべき」と身勝手にレッテルを貼っている人々をあえて狙い、自身の凶行を正当化しようとするそうです。
自分は、障がい者への犯罪行為と、障がい者が起こす犯罪行為を厳罰化する署名を集めたいと思っているくらいです。
そうなれば、障がい者の尊厳が法によってより強固に守られる社会に近づくのではないか。私はそう信じています。
あ、傘は新しい物を手に入れるまで、自宅にある折りたたみを持って凌いでいくことにします。
実はこれ、元々は自分の物なのですが、以前家族が修学旅行に行く際に貸し出したもので、今でも家族の名前がはっきりと記されています。
皮肉なことに、名前が書いてあるものほど盗難には遭いにくいと言われています。でも、肌身離さず持っておきます。
トップ画像説明と次回予告
トップの生成写真、自分が港区(汐留)を訪れているところをイメージした写真にしました。服装は指定しなかったと思います。
次回、第3章『自分に向けた「ありえない」を覆した中学校生活』から『第30話 障がい者施設の出禁事件』です。
知暖が障がい者施設で理不尽なことを言われ、かんしゃくを起こし、人生で最も怒り狂った日の出来事です。
