アンスリウム(根と酸素の関係②)
やっと続きを書く気になったw
忘れないうちに記録しておきたいことはたくさんあって、下書きに残してはいるものの、まずは根と酸素の関係の記録を完結させることにした。
前に記録した「根と酸素の関係①」において、「根に酸素が必要なのは細胞の代謝のため」と書いたが、では根が酸素不足になったらどうなるのか、どうやったら根に酸素を与えられるのかについて記録したいと思う。
▶️根が酸素不足になったらどうなるのか
まず、結論を一言で表すと、「根はO₂不足になると根腐れを起こす」
どういう経緯でO₂不足になったのかは違えど、いいかえると「根腐れは根のO₂不足によって起きる」ということになる。
根腐れによって、根が機能不全に陥ると、O₂も水も栄養素も吸収できなくなり、その結果地上部である葉や茎の成長にも異常が現れる。
葉や茎は光合成を行い糖を作り、根はその糖とO₂を使って成長するわけなので、このサイクルが乱れてしまい、結果的に株全体がダメージを受ける。
▶️根が酸素不足になる原因
では、何が原因で根が酸素不足に陥るのか。
👉物理的に空気が入らない
📌受け皿の水溜め、底面給水のやり過ぎ、鉢底が棚やトレーに密着するこ
とで、停滞水がたまったり、過加湿になる。
➡️土粒間の空隙(気孔)が水で埋まり、空気拡散が停止。
📌用土の崩れた微塵などが鉢のスリットなどを塞いでいる。
➡️乾いても復活しにくい“団子構造”になり、通気の道が消える。
📌根量に比べ鉢が大きすぎる、深鉢すぎる。
➡️下層が常時湿り、下層が慢性低酸素層になる。
📌藻・コケ・白い塩析や有機膜で表面がコーティングしている。
➡️表面からのガス交換が阻害される。
👉水・用土の“酸素そのもの”が少ない
📌水温・基質温度が上がるほど溶存酸素が低下する。
➡️夏の蛇口“ぬる湯”、温まった潅水タンク、昼間の灼熱棚は要注意。
📌バケツに長時間置いた水、循環しない受け皿の水を再利用する。
➡️既に溶存酸素が消費されている。
📌コンポストや有機液肥を入れ過ぎ・溜め過ぎ。
➡️微生物が酸素を先に消費してしまい、根に回らない。
👉酸素を要る側”が使いすぎる/届かない
📌常湿→極端乾燥→大量潅水を繰り返すことによる潅水間隔の極端な振れ。
➡️乾燥ダメージで根皮層が壊れ、再潅水時に酸素利用能力が低下する。
📌換気・送風不足:ラック内が無風・密閉。
➡️表層のガスが更新されず、鉢内に新鮮空気が入りにくい。
👉栄養・塩類・pHの副作用(間接要因)
📌肥料濃度が濃すぎると、根が水を取り込みにくくなり、代謝が落ちてO₂取り込みも鈍る。
📌pH崩れ・Ca不足により、酸素需要・供給のバランス崩壊し、結果、根端の細胞壁更新が滞り、根毛更新が止まる。
▶️溶存酸素とは?
水道水や雨水には溶存酸素が溶け込んでいて云々って、よく聞く話。
それがアンスリウムの根にどんな効果があるのかを調べてみた。
溶存酸素とは、水に溶け込んでいる酸素のことであり、空気中のO₂が水面から拡散して溶ける。溶解度は水温が低いほど多い。
冒頭にも書いたとおり、溶存酸素は水道水にも雨水にも溶け込んでいる。
それぞれの特徴はこんな感じ。
👉雨水の特徴
雨は大気を通って落ちてくるときに 大量の酸素を取り込む。
落下・飛沫の過程で常に撹拌されるので溶存酸素が高め。
しかも、雨は軟水でCO₂も少し含むため、pHはやや酸性気味(弱酸性)。
➡️ 結果的に 「酸素をよく含み、植物根に優しい水」 になっている。
👉水道水の特徴
浄水過程でエアレーションされるので溶存酸素は比較的高い(7〜9 mg/L)。
溶存酸素がアンスリウムに与える効果として、
・根呼吸がしやすくなる
→ O₂が豊富な水が鉢内に入ると、一時的に根周囲の酸素濃度が上がる。
・根腐れ防止
→ 逆に、溶存酸素が極端に低い水(ぬるま湯、停滞水)は嫌気状態を促しやすい。
・根張りの促進
→溶存酸素が多いほど根端のATP産生が活発化し、 細根が増え、用土内に広がりやすい。
▶️根が酸素不足になっているときの見極めポイント
👉水をあげても葉が元気にならない
➡️酸素が届いていない
👉鉢底や根のにおいが酸っぱい・どぶ臭い
➡️用土内で微生物活動が嫌気化している
👉葉脈の緑を残したまま周囲が黄変
➡️わかりやすい根の酸素不足サイン
👉新芽が止まり、古葉が急に黄ばむ
➡️根圧喪失している
▶️根が酸素不足にならないようにするためには?
根が酸素不足にならないようにできること・・・
一言でいうと、とにかく用土内の通気をよくすること!
用土内の通気をよくするためには、周りの空気も常に新鮮でなければならない。
具体的にできることはこんな感じ。
👉構造面
📌スリット鉢など、通気性のよい鉢を使う。
底面や側面にドリルなどで穴を開けて通気口を増やすのも有効。
📌鉢底を浮かせる工夫をする。
せっかく鉢底に穴が開いていても、
鉢底がトレーや受け皿にぴったりくっついていたり、
アクアセルなど常に濡れているものの上に置いていたりすると、
鉢内に酸素が取り込めない。
📌水はけのよい用土を使い、排水性を持たせる。
また、用土に微粉が混ざっていると、水やりを繰り返しているうちに
用土の微粉が粘土化し、排水用の穴やスリットを塞いでしまうことに
より通気できなくなる。
👉環境面
📌24時間、常時微風で空気の流れを作る。
ラックを使用している場合は、ラック内での空気循環だけでなく、
ラック外から新鮮な空気を取り込み、ラック内の空気を排出する空気の流れを作る。
📌湿度が80%以上で無風になると鉢内の酸素が急減するため、
湿度75〜80%/昼28℃・夜25℃前後/気流ありの環境を作る。
👉管理面
📌水やり時に、水道水で鉢内の用土を丸洗いするかのようにしっかりと
水道水をかけ流し、根に滞留していたCO₂や揮発性有機酸を押し出
し、ガスをリセットする。
📌水を置き水せず、酸素が抜ける前に潅水する。
▶️まとめ
いやぁ、長かったw
結局のところ、ポイントはこんなところかな。
・局所的な空気の流れだけでなく、ラック内、ラック外含めた空気循環を作る
・鉢内の用土が通気できるように工夫する
・水やりは酸素を供給できる絶好のチャンスととらえる
我が家ではこのあたりを改善したことで根腐れが激減しただけでなく、アンスが早く大きく育つようになり、今、花芽ラッシュ。
逆に、空気循環がうまくいってないところに置いていたアンスは根腐れさせてしまった・・・。
いかに根に酸素を供給することが大切なことであるかよくわかった。
