アンスリウム(根と酸素の関係①)
コンサル時代に、ESGにおけるサステナビリティの実現への企業の取り組みのコンサル業務をしていたことがある。
製造業などだと、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルの取り組みが企業にとって大きな課題となっており、その課題解決の1つの方法として「カーボンオフセット」という考え方がある。
細かいことを語り始めると長いので端折るけれども、カーボンオフセットの手段の1つに植物を植えたり、森林を作ったりして、自社が排出したCO₂(二酸化炭素)を植物に吸収してもらうことにより、CO₂の排出を相殺しようというものがある。
そういう仕事で身に着いた知識があったから、植物はCO₂を吸収して大きくなるものだというイメージが強かった。
そのため、植物がO₂を必要とするという発想すらなかったが、アンスリウムに限らず、熱帯性の着生植物は「根と酸素の関係」が非常に深い、らしい。
前置きはこれくらいにして・・・
通気性だとか、雨水や水道水の溶存酸素がどうのとか、アンスリウムを育てている人は一度は聞いたことがあるのではないかと思う。
そこで、アンスリウムの根と酸素の関係性について調べてみたので記録する。
▶️まず、CO₂はいらないのかというそもそも論をつぶす
植物がCO₂を吸収して大きくなるという話は間違っていたのか!というとそういうことではなく、地上部はCO₂を必要とし、根は O₂を必要とするという違いがあるだけのことらしい。
植物は光合成で、
CO₂(二酸化炭素)+ H₂O(水)+ 光 → 糖(炭水化物)+ O₂(酸素)
を作る。
このとき CO₂(二酸化炭素)が原料になるので、周囲のCO₂濃度が高いほど光合成効率が上がる。
大気中のCO₂濃度は現在約420 ppm(0.042%)ほどで、植物の光合成が頭打ちになるCO₂濃度はおおよそ 1000〜1200 ppm。
つまり、大気中より高め(600〜1000 ppm)だと光合成が促進され、葉が大きくなりやすい・成長が早くなる、らしい。
アンスリウムは熱帯雨林の樹上植物で、森の中でも周囲の呼吸や分解でCO₂がやや高めであるため、地上部の成長においてCO₂の濃度も重要なポイントではある。
でもですよ、植物は根っこがしっかり育ってないと地上部も育たないわけで、根っこがしっかり育っていてこその地上部だと思う。
▶️アンスリウムには2種類の根がある
アンスリウムを育てていると、確かに2種類の根があることに気づくと思うが、これらはどうやら役割が違うらしい。
👉地下根(substrate roots)
用土に潜り込み、水や養分を吸収。
👉気根(aerial roots)
空気中に伸び、湿度や光を利用しつつ酸素交換を行う。
▶️根が酸素を必要とするワケ
アンスリウムの根は「水+養分吸収器官」であると同時に、「酸素を取り込む呼吸器官」でもある。
森林の樹上に生えるため、常に湿った空気に触れていても窒息しない構造となっており、根表面のベルベリン層(白っぽいスポンジ状の組織)はO₂を取り込みやすくできている。
では、本題の根が酸素を必要とするのはなぜなのか。
生物的に詳しく記録すると小難しくなるから、ざっくりサマる。
👉根が酸素を必要とする理由
根は光合成をしないため、糖は地上部から送られてくる。
根の細胞は、その糖を分解してエネルギー(ATP*)に変えるが、そのとき
必須なのが酸素。
結果、根毛の伸長や細胞壁の組み換えが行われる。
*ATP・・・アデノシン三リン酸。細胞活動の“エネルギー通貨”で、
根が水や養分を吸収するための燃料になる
終末電子受容体としてのO₂の働きとしては、根のミトコンドリアが糖を
分解して得たNADHの電子を受け取るという仕組み、らしい。

難しいねw
まぁ、根に酸素が必要なのは細胞の代謝のため、くらいに覚えておけばよいのではと思う。
▶️まとめ
長くなってきたので、この記事では根にとって酸素が必要な理由の記録までとして、次の記事では
・根が酸素不足になったらどうなるのか
・根に酸素を与える手段(溶存酸素の話も含む)
について、記録しようと思う。
ということで、次回は酸素が足りないと何が起きるか”を深掘りする。
