第2章 ㉑ 小さな娘から向けられた愛情
新しい抗がん剤治療が始まると、副作用は前回よりもひどく出た。
ようやく生え始めた髪も、また抜け落ちてしまった。
「また、ツルツルになったよ。」
そう言って、少し照れたように笑う主人。
その笑顔を見るたびに、胸が締めつけられた。
そして、私も一緒に笑った。
でも、自分でも分かるくらい顔は引きつっていた。
「ごめん……上手く笑えていない。」
心の中で、そっと謝った。
そんな中、申請していた娘の保育園が決まり
心からほっと出来た。
育休明けは社員として復帰する予定だった。
でも、主人の看病を考え、思い切ってパートへ切り替えて仕事に戻ることにした。
収入は減ったけれど、お金の見通しが立ち、少しだけ心が軽くなった。
仕事復帰をすると
私の体は悲鳴を上げていた。
そういえば……
私、全然休んでいない。
妊娠8か月まで働き、
2か月後には娘が生まれ、
その6か月後には主人の看病が始まった。
気がつけば、自分のことはいつも後回しだった。
仕事から帰ると、ソファーに倒れ込むように横になる日がしばらく続いた。
それでも、娘は毎日、小さな手で私の手をぎゅっと握ってくれた。
そのぬくもりが、どれほど私を支えてくれたことだろう。
心も体もボロボロになって初めて気づいた。
私が全てを支えていると思っていた毎日
本当は、娘の小さな愛に、私自身が支えられて生きていたのだ。
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