第2章⑤手術室の外で、私はただ祈っていた
神様にお願いすることなんて、普段はない。
でもあの日は、自然とそうしていた。
何度も、何度も。
スヤスヤ眠る娘を抱きしめながら、心の中で繰り返し願った。
思ったより、時間が長かった。
不安が、じわじわと募っていった。
やっと、主人が帰ってきた。
ベッドで眠る寝顔を見た瞬間——
体の力が、抜けた。
娘を抱いていられないくらい、力が抜けてしまった。
娘をベビーカーに預けた。
なかなか麻酔から目が覚めない。
「あと30分くらいしたら目が覚めると思います」
看護師が笑顔でそう言った。
その顔を見て、少し安心した。
ちょうど30分が経とうという時、主人の目が覚めた。
「大丈夫?」
「もう手術終わったんだ」
いつもの声。
いつものトーン。
それだけで、ホッとした。
医師と看護師が、術後の様子を見に来た。
その時——主人の様子が、明らかにおかしくなった。
読んでくれてありがとうございます。
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