第2章 番外編① 大切な人が癌と告げられた時の私の気持ち
主人から告げられた。
「精巣癌だって」
驚いた——というより、最初は不思議と冷静だった。
精巣癌。
聞いたことのない言葉だった。
でも、少し後から頭の中を2つの言葉が駆け巡った。
転移は、ないか。
命に、関わらないか。
それだけだった。
それしか、考えられなかった。
やっとだよ。
やっと、幸せな家庭を築けたと思っていたのに。
小さい頃の夢は、お嫁さんだった。
家庭環境が複雑だったから。
ただ、普通の家庭に憧れていた。
子どもも2人欲しいと思っていた。
普通の、ありふれた幸せが欲しかった。
精巣癌で、睾丸を一つ取ることになった。
私の夢がまた一つ、消えてしまうかもしれない。
主人の体も心配だった。
娘のことも、自分のことも。
全部が一度に押し寄せてきて——
もう何も考えられなくなってしまった。
でも、その時に覚悟した。
育休から仕事に復帰して、全てを自分が支える。
それだけを、決めた。
あなたならどうしますか?
読んでくれてありがとうございます。
#エッセイ #実話 #家族 #喪失 #がん #生きる #創作大賞#オールカテゴリー部門
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは、皆さまに物語を届け続けるための活動費として、大切に使わせていただきます。