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【短編物語】#せりふ三題噺(宇宙・スープ・虫よけ)


はらとけいさんの企画に、参加させていただきます。
        ***

聖子さんは、見てると楽しい。


少しずつギアを間違えてエンストする何かみたい。

何も言わなくても、なぜか壊れていく。


「やだ……。蚊に刺されたかも。虫よけスプレーしてきたのに……」

オニオンスープを飲んでいた聖子さんがそんなしょげた声を上げた。


「大丈夫?塗り薬あるよ」

今どきクリームタイプの塗り薬。

そうと知ってか知らずか、聖子さんが背中を向ける。


「乙川くん、塗ってもらってもいい?」

うなじの辺り、プクリと膨れた赤い箇所があった。

聖子さんは……無防備すぎる。


「こういうのって、刺されてすぐに塗ったほうが、早く治るんだよ」

教育係だった聖子さんは……たまに僕より年下みたい。


無言で、薬をそっと塗ってやる。

指先に、吸い込まれそうな体温を感じる。

うっすらそばかすがあって……まるで宇宙みたいだ。

……小さな虫でさえ引きつける、ものすごい吸引力。


「見て、光ってる!」

こんな状況だというのに……子どもみたいに聖子さんが無邪気な声を上げた。

僕はギリギリのところで、ふっとため息をついた。

本当に聖子さんときたら……つかみどころがない。


「うん……あれは飛行機だね」

もしくは……この引力に抗えない、銀河を漂うUFOとかなのかもしれない。

違う企画ですが、どうしても続きで書きたくて……楽しませていただきました。

ありがとうございました😊

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