我が平皿遍歴
平皿には何を盛り付けるか?
我が陣営において、平皿はもっとも出番の多い万能の食器である。朝食には家族のパンや目玉焼き(我は先の戦士飯を食らう)、夕食には主役の肉料理や炒め物を豪快に配置する。時には、酒の肴を小粋に並べることもある。深さのあるどんぶりや小鉢とは違い、何もない「皿の余白(=装飾)」を活かした盛り付けが組めるからこそ、乗せる料理によってガラリと表情を変えるのが、平皿最大の面白さである。
平皿の要件とは?
我が平皿に求める要件は以下の三箇条である。これらを満たす理想の一枚を求め、拙者の平皿探求の旅は始まったのでござる。
兵糧を引き立てる「色」と「余白」 食材の鮮やかさを邪魔せず、むしろ引き立てる色合いであること。また、中央に盛った際に美しく見える余白が確保できること。
日々の激戦を戦い抜く「頑強さ」と「軽快さ」 水洗いなどの手入れに神経質になりすぎず、日常の過酷な運用に耐えうるタフさが不可欠。さらに、配膳や片付けの折に腕への負担とならぬよう、取り回しの良い「軽量さ」もまた重宝する。
一族の胃袋を支える「適度な大きさ」 個別に盛るだけでなく、時には家族全員分のおかずをドサッとひとまとめに乗せられるほどの懐の深さがほしい。大きすぎず小さすぎず、食卓という陣地にちょうどよく収まりつつ、皆の食欲をしっかりと受け止める絶妙な規模感が求められるのである。
我が平皿リスト
ここからは、我が食卓という戦場を支えてきた(そして現在も支えている)、個性の異なる頼もしき歴戦の平皿たちをご紹介つかまつる。
① 圧倒的コスパと手軽さ:イオンの陶器コーナーの100円皿

料理の配膳例は示すまでもない
一人暮らしの陣を構えた当初、圧倒的なるコスパで我が食卓を支えたのがこの皿である。破格ながらも、日々ガシガシ使っても全く動じぬタフさ。万が一割れても心が痛まぬ安心感は頼もしさ満点であった。シンプルゆえにどんな料理にも合わせやすく、我が自炊生活の原点とも言える存在である。
(現在は、皿の数が増えてきたので処分した)
② 2025年 信楽焼陶器まつり で購入した皿




器の道に目覚め、初めて遠征した「信楽焼陶器まつり」にて一目惚れし、我が陣営に迎え入れたのがこの一枚。信楽焼ならではの土の風合いが、たまらなく無骨で渋い。使うたびに陶器まつりの熱気を思い出す。

③ 我が軍エース:尾張のとある窯元で購入した皿


我が陣営の絶対的エース。尾張のとある窯元へ直接足を運び、選び抜いた名器である。拙者が求める「色・軽さと頑強さ・適度な大きさ」の三箇条をすべて満たしており、手に持ったときの心地よい重み、料理を盛った際の風格たるや、まさに大将の器。我が家の食卓の士気を大いに高めてくれる。


まとめ
100円の皿から始まり、陶器まつりでの劇的な出会い、そしてある窯元との出会い。振り返ってみれば、拙者の平皿遍歴はそのまま「器への愛着と目利きが深まっていく武者修行」そのものであった。どれが良い悪いではなく、それぞれの時期にそれぞれの働きがあり、今の拙者の審美眼を育ててくれた大切な戦友たちである。諸君の食器棚にも、独自の遍歴を持つお皿が眠っているのではないだろうか。各地の窯元、陶器祭りを巡りながら、我が陣営に新たな歴史を刻む「平皿」を探し求めて参る。
【あとがき】新たなる気付きと次なる野望
日々の食事を終えた後の皿洗いにおいて、ある重大な理に気がついた。それは、皿の表面に釉薬が施されているか否かで、油汚れの落ち方が天地ほど異なるということ。釉薬というガラス質のコーティングを纏った皿は、頑固な油汚れもスルスルと見事に受け流す。一方で、土の素朴な風合いを活かした釉薬のない皿は、油が染み込みやすく、手入れに少々骨が折れるのでござる(が、皿を育てている感覚があるので良し)。見栄えや手触りといった美しさだけでなく、手入れの実用性にまでこれほど影響を及ぼすとは……焼き物の世界、誠に奥が深い。次なる陶器巡りでは、色や形だけでなく、この「釉薬の有無」という新たな兵法を胸に、各地の産地を巡ってみたいと目論んでおる。
