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vol.199おひとりさま編【ハラッサー】我慢発うつ病行き 1430


3月5日(木)、風は冷たいけれど、明るく柔らかな陽射しが降り注ぐ朝。
天赦日で一粒万倍日で寅の日で大安の大吉日。
二十四節気の啓蟄で、土中で過ごしていた虫や生き物たちが目覚めて活動を始める日。
なのに私の目覚めったらどう?
眠りは浅いし、首は凝るし、喉は痒いし(花粉症)、耳鳴りはするし、もう一度土の中に潜ってしまいたい。

昨日、ほぼ4年ぶりにSさんの姿を見かけた。
というか、正面からすれ違った。
Sさんは私に気づかなかったと思う。
なのにどうして私は気づいちゃったんだろう。
会いたくなかった。

Sさんは前職時代の部下さんのひとり。
お互い異動前の部署でも一緒に仕事をしたことがあり、そのときはSさんが先輩という立場。
かつての後輩が上司でゴメンネって感じ。
私の業務の一部をシェアし、その業務についてのみ権限もシェア。
いずれSさんが独り立ちしてツートップの体制が整えば、Sさんの職位は上がるし、手当もつくし、私のオーバーワークも緩和され、双方万々歳。
……のはずだった。

業務を指示すると「それ、……さん(私)の仕事ですよね?」
ミスを修正するよう伝えると「……さんがやればいいじゃないですか」
勤務日がすれ違うからと、伝言をメモしてレターケースに入れると「脅迫状を入れないでください」
メモをやめて業務日誌に書くと「量が多すぎてどれが大事か判らない」
判りやすく赤字で書くと「圧が強い」
Sさんの確認印があるのに「見たという印であって、解ったということではありません」

私が業務の指示をすると「パワハラ」
ミスを指摘すると「言い方がキツイ」
連絡事項を伝えると「怖い」
些細なようだけれど、毎日毎日朝から退勤まで続くとメンタルは擦り減るし、業務シェアどころかオーバーワークに拍車がかかる。

Sさんはストーリーテラーでも女優でもある。
「……さん(私)と同じ業務をやらされてる⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ (マスターできてない)のに、いつまで経っても手当をつけてもらえない」と、内情を知らない職員にふれ回って同情を買う。
就業時間中に行き先も告げず社携帯も持たずに行方をくらまし、他部署との予定をすっぽかす。
おまけに他部署の上長には、「この時間に行くように……さんに頼まれました」
「こんなことを言われた」「こんなことを押し付けられた」「前はこう言ってた」等々……

間もなく私はSさんから無視されるようになった。
挨拶•返事はもちろんのこと、1対1になりそうな状況になると走って逃げ出してしまう。
社会人よ?仕事中よ?職場よ?
私だってSさんと関わりたいわけじゃない。
お給料をいただくからには、「好きな人と好きなことだけする」では済まないことくらい解るでしょ?

かと思うと、
「○○のライブに行ってきたんですけどね」と推しの話をしてきたり、
「……さん、お誕生日だったでしょ?」とプレゼントを買ってきたり、
「これ美味しかったので、……さんもどうぞ」とお福分けをくれたり、とても同じ人とは思えない。
プレゼントもお福分けも、断れば何を言われるか?何をされるか?と思うと不本意ながら受け取らざるを得なかった。
Sさんが私を怖がる以上に、私にはSさんが怖すぎる。

上長に報告も相談もしていた。
責任者は「Sさんが変わっていることは、……さん(私)の部署に異動させる前から解っていた。
残念ながら次に異動させようにも受け入れ先がない」と、同情は寄せてくれたけれど、何の足しにもならない。

直属の上長は、
「……さん(私)が上司やのに、何でSさんのことを怖がるのか俺には解らん。
……さんの部署やねんから、……さんが思うように運営したらいいねん」と、お話にならない。
それができるなら報告も相談もしませんって。
彼のことは、vol.67〜77に書いた。



Sさんとのことは解決しないまま。
酷い嘔気とめまいで、目を開けることも、顔を上げることも、立ち上がることもできなくなり、タクシーに押し込まれて職場を後にした。
翌日、予約していた精神科を受診。
うつ病と診断され、主治医の指示で職場には一度も足を踏み入れていない。

うつ病の原因は複合的。
母との関係、きょうだい格差、宗教2世、H(元夫)のモラハラ、亡親の介護、弟との不和、パワハラ、オーバーワーク、オーバーワーク、オーバーワーク……
中でも一番恐ろしくて、一番気持ち悪くて、一番訳が解らなくて、一番比重が大きいのがSさんだった。

Sさんの破壊力たるや、今も思い出すと動悸が激しくなる(なっている)。
書けないようなことも多々あるのだけれど、書けることだけ書き散らし、文字に置き換えてお焚き上げ。
今日が出勤で良かった。
仕事中はSさんのことを思い出さずに済んだ。

退勤後に寄ったスーパーで、3週間ぶりにF澤先生にばったり。
あれ以来ずっと持ち歩いている、F澤先生と進(仮名、次男)のツーショット写真を、ようやくお見せできた。


「わあ、懐かしい‼︎
進くん、随分とオニイサンになったでしょうね」
「オニイサンどころかオッサンになってますよ」
「進くんはね、ものすっごー勉強ができてん。
理科とか得意やってんよ。
(ご自身の写真を指し)F澤先生、あんまり変わってないやん」
「先生は全然変わっていらっしゃいませんよ」
「私、幾つになったと思ってんの?
もう○○歳よ、あははははー」

会いたい人に会えて嬉しい。
昨日とは打って変わって良い気分。
今夜はきっとぐっすり眠れる。
明朝はきっとすっきり目覚められる。
大吉日でなくても、明日はきっと良い日。
そうだ、進にLINEで知らせなくっちゃ。

シシガシラ(寒椿)

                 2026.3.5.木







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