見出し画像

為替市場の矛盾と真実:戦争の原因が米国でもドルが買われる理由

ドル円相場が一時163円台まで急騰し、約40年ぶりの円安水準となりました。

円安が進む背景には、日本の低金利や財政への懸念だけでなく、世界的なドル買いの勢いも大きく影響しています。

世界で緊張や紛争が高まるとドルが買われる現象は、昔から有事のドル買いと呼ばれています。

しかし、よく考えると疑問が浮かびます。紛争の当事者や原因に米国が関わっている場合でも、なぜドルが買われるのでしょうか。

今回は、その不思議な仕組みについて分かりやすく解説します。


理由その1:圧倒的な流動性(換金のしやすさ)

世界で危機が起きると、投資家や企業はすぐに現金化できる安全な資産へ避難しようとします。

このとき重要なのは、その通貨が世界中で使えるかどうかです。米ドルは世界最大の取引量を誇る基軸通貨であり、どんな混乱の中でもすぐに他の資産へ換金できます。

たとえ米国自身が問題に関わっていても、世界で最も確実に決済できる通貨は米ドルしかありません。

理由その2:米ドル建て債務の返済圧力

世界中の企業や政府は、米ドルで大量の借金を行っています。

地政学リスクが高まり世界経済が不安定になると、貸し手は返済を求めたり、追加の担保を要求したりします。その結果、世界中で緊急に米ドル現金を確保する動きが一斉に強まり、ドル高を引き起こします。

理由その3:エネルギー取引(ペトロ・ドラー)の影響

中東などで緊迫が高まると、原油価格が上がりやすくなります。

世界の原油取引は基本的に米ドルで行われるため、原油価格が上がると原油を買うために必要な米ドルの量も増えます。

さらに、現在の米国は世界最大級のエネルギー輸出国でもあるため、原油高自体が米国経済やドルにとって追い風になります。

まとめ

市場で働く投資家や企業は、道徳的な正しさではなく、危機が起きたときに決済が止まらないかという実利で動いています。

その結果として、米国が当事者であるかどうかに関わらず、世界で最も崩れにくいインフラである米ドルに資金が集まることになります。

表面のニュースだけでなく、こうした裏側の仕組みを知ることで、為替や世界情勢の動きがより深く理解できるようになります。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー