『有料で届ける』を一度手放します――連載『心理士ときどき患者』当面無料化のお知らせ
こんにちは。向田灯(むこうだともり)です。
心理士ときどき患者の連載が、5回を数えることができました。これを機に、本連載は、医療現場のすれ違いを減らすヒントを一人でも多くの方に届けるため、当面の間【全文無料公開】でお届けすることとします。
それにはこんな思いがあります。
自己紹介にも書きましたが、私は先天性の疾患により、0歳のころから何度も入退院を繰り返してきました。高校生か大学生くらいになってからは、その中で経験した様々なことを、いつか文章の形にして誰かに伝えたい。そう考えたのは、長い入院生活の間、本を読んで過ごしたこともひとつの理由だと思います。
その頃は、私が経験した、いやだったことをいつか公開してやろう!という、どちらかといえば恨み辛みを暴露したい!に近い思いがありました。
しかし大人になって心理士という仕事に就き、また時代も変わって医療と人々の付き合い方も変化する中で、考え方が変わってきました。昔のようなお医者様は絶対!という風潮は薄れ、患者の意思決定を促すことや、インフォームドコンセントといった言葉が社会に広く知られるようになりました。しかし、残念ながら診察室では今もすれ違いや誤解も含め、納得のいく医療につながらないやりとりが多く行われています。また、患者からの理不尽な要求や不当な態度のような、サービス提供者の側をさらに疲弊させるようなことも起こっています。
そんな中、私の長年にわたる病院との関わりと、心理士としての知見、この二つの視点を掛け合わせることで、患者と医療の関係をもっと良くできる可能性があるのではないか、そういう力になりたいという思いが湧いてきたのです。
そういう理由でこの連載を始めたわけですが、私にはもうひとつ、小さい頃から強く抱いている思いがあります。それは、経済的自立です。
小さい頃から人より上手くできないことが多かったせいか、自分ができることで認められること、ひいては対価をいただけることに強い願望を持っているのです。
だからこそ、この連載を始めたとき、私は「価値ある有料記事にして、自分の力で対価を得るんだ」と意気込んでいました。
しかし、有料という形をとることで必要な方に届かず、現場のモヤモヤを減らすお役に立てないのだとしたら、本末転倒です。 まずは一人でも多くの方にこの情報を届け、患者と医療者が少しでもラクになれる対話の循環を作ること。それこそが、心理士であり患者でもある私にできる、最大の社会還元だと考え直しました。
そこで、本連載は当面の間【全文無料公開】でお届けすることにいたしました。
(※最新の第5回では、診察室でそのまま使える『命の安全網を引き出す3つの問い』をまとめていますので、ぜひ合わせてお読みいただけると嬉しいです)
【最後にお願いです】
本文はすべて無料でどなたでもお読みいただけますが、もしこの記事や過去の連載を読んで「現場のヒントになった」「自分のモヤモヤが言語化された」「向田の活動を応援したい」と感じてくださった方がいらっしゃいましたら、記事下部の「サポート(投げ銭)」よりお気持ちを届けていただけると、大変励みになります。
また、皆さんの感想や体験談もお待ちしております。
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これからも、静かで誠実な対話の場を皆さんと作っていければ幸いです。今後とも『心理士ときどき患者』をどうぞよろしくお願いいたします。
