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大学、調査が多すぎませんか。

大学で働いていると、ふと思うことがあります。

「また調査が来たな……」

もちろん、調査や報告が多いのは大学に限った話ではないと思います。

でも大学は、文部科学省や各省庁、自治体、関係団体などから、本当にいろいろな調査の依頼があります。

毎年決まっているものもあれば、ある日突然やってくるものもあります。

私立大学なら私学関係の団体もありますし、附属学校や病院などを持っていれば、それぞれに関係する調査もあります。

さらに、大学ランキングや雑誌の大学特集のためのアンケートまで。

一年中、何かに答えている。

そんな感覚があります。

実際、文部科学省の学校基本調査は毎年実施されていますし、大学は認証評価や、病院であれば病院機能評価を定期的に受けることが義務づけられています。

私立大学・学校法人であれば、私学事業団の学校法人等基礎調査のような調査もあります。

こう書くと、
「数字を入力して出せばいいんでしょう?」
と思われるかもしれません。

でも、実際にはそう簡単ではありません。


大学には「定期便」と「突発便」がある

大学の調査には、いわば「定期便」と「突発便」があります。

定期便は、毎年ほぼ同じ時期にやってくるものです。

私立大学なら、学校法人等基礎調査のように毎年度対応するものもあります。

こういう調査は、前年の資料やマニュアルもある程度残っています。

「ああ、今年もこの季節が来たか」

という感じです。

一方、ちょっと困るのが突発便。

国の新しい施策に関する照会、自治体からの調査、関係団体からのアンケートなど、予定表になかった仕事が突然やってくることがあります。

そして意外と忘れがちなのが、大学ランキングや雑誌関係の調査です。

例えば朝日新聞出版の『大学ランキング』は、大学へのアンケート回答をもとに複数のランキングを作成しています。
東洋経済の「本当に強い大学」のように、教育・研究力、就職力、財務力、国際力など複数のデータから大学を評価する企画もあります。

つまり、役所だけではありません。

いろんなところから、

「大学について、教えてください」

が届きます。

しかもこうした外部調査だけでなく、自己点検・評価、事業報告、認証評価対応、将来構想のための基礎資料づくりなど、学内でまとめるべき「調査っぽい仕事」もたくさんあります。

調査は、数字を入れるだけでは終わらない

調査の大変さは、入力作業そのものよりも、その前後にあります。

まず、「この数字はどこが持っているのか」を確認します。
学生数なのか、教員数なのか、財務なのか、研究なのか。
担当部署が分かれていることも多いので、それぞれに確認が必要です。

さらに、調査票をよく読むと、見た目は似ていても定義が少しずつ違うことがあります。

「在籍者数」といっても、いつの時点なのか。
「専任教員」といっても、何を含めるのか。
「実績」といっても、年度ベースなのか、学年進行ベースなのか。

ここを読み違えると、きれいに数字を入れても意味が変わってしまいます。

だから大学の調査は、ただ数字を集めて書く仕事ではなく、数字の意味をそろえる仕事でもあるのだと思います。

いちばん大変なのは「根拠をそろえること」

個人的には、いちばん大変なのはここです。

調査票に答えるだけなら、まだ何とかなることもあります。
でも実際には、

  • なぜその数字なのか どの資料をもとにしたのか 昨年度と比べて増減した理由は何か 他の調査と数字が違うのはなぜか といったことまで説明できるようにしておく必要があります。

ときには、
「この前の調査と数字が違いますよね?」
と言われることもあります。

でも、別の調査では定義が少し違っていたり、基準日が違っていたりするんですよね。
現場としては「そこが違うんです……!」と言いたくなることもあります。

だから調査対応は、数字を出す仕事というより、
数字の背景を整えて、説明できる形にする仕事
に近いのかもしれません。

それでも、手は抜けない

ここまで書くと、調査って大変だなあ、で終わりそうですが、手を抜けない理由もちゃんとあります。

たとえば学校基本調査は、学校教育行政に必要な基本事項を明らかにするために毎年実施されている調査です。

認証評価も、大学の教育研究や組織運営の状況を第三者が確認し、その結果を公表して大学の改善につなげるための制度です。

私学事業団の学校法人等基礎調査も、私立学校を対象とする経営全般の基礎情報として利用されています。

つまり、調査は単なる「お役所仕事」ではなく、

  • 大学の実態を把握するため 社会に説明するため 改善につなげるため 支援や施策の判断材料にするため に行われています。

だからこそ、
「面倒だから適当に出す」
というわけにはいきません。

数字ひとつ、文章ひとつでも、大学の見え方に関わることがある。
そう思うと、やっぱり丁寧にやらざるを得ないんですよね。

だから今日も、何かに答えている

調査は大事。
それは本当にそうだと思います。

でもその数字や記述は、どこかの大学で、誰かが資料を探して、関係部署に連絡して、前年度のファイルを見返して、定義を確認して、ようやく整えているものでもあります。

大学の仕事というと、華やかな改革や新しい取り組みに目が向きがちです。
でも、その土台には、こうした地道な確認作業がたくさんあります。

大学は、いつも何かに答えている。

そしてその裏側では、今日もどこかで、

「この数字、前の調査と定義が違うんですけど……」

と、静かに頭を抱えている大学職員がいるのかもしれません🤣

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