大学事務は、案外「決める人」ではない。
大学事務の仕事というと、
窓口対応や書類作成、会議の準備などを思い浮かべる人が多いかもしれません。
もちろん、そういう仕事もたくさんあります。
でも、大学で働いていると、ときどきこんなことを思います。
「この仕事、もう少しこうした方がいいのでは?」
「この仕組み、見直した方がいいのでは?」
実際、事務の現場では、そういう話はよく出ます。
もっと分かりやすくしたい。
もう少しスムーズに進むようにしたい。
今のやり方を少し変えた方がよさそう。
でも、そこで話がまとまったからといって、
「じゃあ明日から変えましょう」
とは、なかなかなりません。
事務は、案外「決める人」ではない
大学事務は、大学の運営にかなり深く関わっています。
制度を調べる。
資料を作る。
関係する部署や教員と調整する。
会議にかける準備をする。
決まったことを実行に移す。
こうして書くと、かなり“動かしている”ように見えます。
実際、その通りだと思います。
でも一方で、案件によっては、
最終的に判断するのは、学内の委員会だったり、教授会だったり、執行部の会議だったり、法人側の会議だったりします。
つまり事務は、
「何かを考え、整え、動かす側」ではあるけれど、
いつも「最後に決める側」とは限らない。
そんな立場なのだと思います。
大学は、「相談して決める」ことが多い組織
大学の物事がすぐ決まらない理由のひとつは、
関係する人が多いことだと思います。
教育に関わること。
研究に関わること。
学生支援に関わること。
規程や制度に関わること。
法人運営に関わること。
一つの案件でも、
「ここだけで決めていい」とはなりにくいことがあります。
事務としては、
「これならよさそうだな」
「この方向で進めた方がいいのでは」
と思っても、
それをそのまま実行できるとは限りません。
関係する部署とすり合わせて、
必要なら会議にかけて、
意見をもらって、
修正して、
また説明して。
そうして少しずつ形になっていきます。
慎重すぎるように見えることもありますが、
大学という組織は、そもそも『相談しながら進める”ことを大事にしている』のだと思います。
変えたい気持ちはある。でも、すぐには変えられない
ここが、大学事務のちょっともどかしいところかもしれません。
現場では、改善したいことがいろいろあります。
もっと効率よくしたい。
分かりやすくしたい。
無理のない仕組みにしたい。
できれば、将来も続けられる形にしたい。
でも、変えたいと思ったときに必要なのは、
アイデアだけではありません。
説明する力。
納得してもらうための資料。
関係者との調整。
そして、決まったあとに運用できる仕組み。
結局、
「こうした方がよさそうです」だけでは動かないのが大学です。
だからこそ、事務職員は、
ただ書類を作っているだけではなく、
実はずっと『通る形に整える仕事』をしているのかもしれません。
それでも、事務の役割は小さくない
ここまで書くと、
「じゃあ事務って、あまり力がないの?」
と思われるかもしれません。
でも、私はそうは思いません。
たしかに、最後に決める立場ではないことは多いです。
でも、何をどう整理し、
どんな選択肢を示し、
どう説明するかで、
議論の方向や、決まり方はかなり変わります。
会議の前に、すでに半分は勝負が決まっていることもあるかもしれません。
ちょっと大げさでしょうか。
でも、事務の仕事は、
決裁欄に名前を書くことではなくても、
物事が決まるまでの道筋をつくることなのだと思います。

大学が変わるには、事務だけでも、教員だけでも足りない
大学を変えるのは、簡単ではありません。
それは、大学が古いから、というだけではなく、
教育や研究という大事な営みを支える組織だからこそ、
慎重さも必要だからだと思います。
でも一方で、
変わらないままでいいわけでもありません。
だから、
教員だけでもなく、
事務だけでもなく、
それぞれの立場から少しずつ動かしていくしかないのだと思います。
大学事務は、案外「決める人」ではない。
でも、
決まるまでのあいだを支え、
決まったあとを回し、
ときには変化のきっかけを整える人
ではあるのかもしれません。
そして今日も、
次の会議のための資料を作っています。
たぶん、
その次の会議に向けた説明用の資料も、これから作ります🤣
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