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「社会人にも学んでもらおう」って、言うのは簡単だけど。

大学といえば、18歳くらいで入学して、4年間学んで卒業する。

そんなイメージが、まだ一般的なのかもしれません。

でも、18歳人口が減っていくこれからの時代。

大学も、18歳の学生だけを待っているわけにはいかなくなっています。

実際、国の高等教育政策でも、社会人が大学などで再び学ぶ「リカレント教育」の拡大が重視されています。
2025年の中央教育審議会の答申でも、地域の大学には社会人が学びやすい環境をつくり、地域や産業界と連携した教育を充実させることが求められています。

方向性は、とてもよく分かります。

ただ、大学で働いていると、どうしても思ってしまいます。

「社会人にも学んでもらおう」って、言うのは簡単だけど。


1.そもそも、リカレント教育って?

リカレント教育とは、社会に出た後も、仕事に必要な知識や新しいスキル、あるいは教養などを学び直すことです。

「学校を卒業したら、あとはずっと働く」ではなく、

働く → 学ぶ → また働く。

そんなふうに、仕事と学びを行き来する考え方です。

技術も仕事もどんどん変わる今、必要性は分かりやすい。

大学にとっても、社会人にもう一度学びに来てもらうことは、新しい役割の一つになっていきそうです。

2.でも、社会人は大学に通えるのか

ここからが難しいところです。

社会人は、平日の昼間には仕事をしています。

では夜にするのか。
土日にするのか。
オンラインにするのか。

対面なら、教室や講師、受付などの体制が必要になります。

オンラインやオンデマンドなら参加しやすくなりますが、今度は全国どこの講座でも受けられる。

通信制大学でも、多様な年代や職業の学生が学んでいて、オンラインを含むさまざまな授業方法が広がっています。

そうなると、

「この大学で学ぶ意味は何だろう」

まで考えなければいけません。

地域の企業と一緒に学ぶ。
地域課題をテーマにする。
対面だからこそ生まれる交流をつくる。

地方の大学ほど、そんな「ここで学ぶ理由」が大事になる気がします。

3.講座をつくれば、人が来るわけでもない

もう一つ難しいのが、

「何を教えるか」

です。

大学には専門的な知識があります。

でも、大学が教えたいことと、社会人や企業が学びたいことが同じとは限りません。

だから文部科学省も、社会人や産業界のニーズを調べ、それを踏まえて大学と産業界が教育プログラムをつくることを重視しています。現在も、大学・地域・産業界が連携する「リカレント教育エコシステム」の構築が進められています。

大学の先生が得意なことを並べて、

「講座を作りました。どうぞ!」

だけでは、なかなか続かない。

学びたい人がいることと、大学が継続して提供できること。

その両方が必要なんですよね。

4.そして出てくる、「誰がやるの?」

ニーズを調べる。
企業と相談する。
講座を組み立てる。
受講料を決める。
広報する。
申込みを受け付ける。
受講生を管理する。
オンラインならシステムも準備する。

修了後には、効果の確認も必要になるかもしれません。

さて。

誰がやるのでしょう🤣

リカレント教育を担当する教員へのインセンティブや、大学側の体制整備まで国の答申に盛り込まれていることを見ると、「講座さえ作ればいい」という話ではないことが分かります。

大学として必要性は感じている。

事務職員だって問題意識はある。

でも、新しい仕事を始めるときには、いつものあの言葉が出てきます。

「で、担当はどこ?」

新学部をつくるときもそうですが、新しいことには、それを動かす人が必要です。

5.卒業しても、また大学に戻ってこられるように

前に、ホームカミングデーについて考えました。

卒業した人に、

「また大学に帰ってきてください」

と伝えるイベントです。

リカレント教育も、少し似ている気がします。

卒業したら大学との関係が終わるのではなく、

遊びに戻ってきたり、
誰かと交流したり、
必要になったら、もう一度学びに戻ってきたりする。

そんな大学になれたら、素敵だと思います。

18歳人口が減るから社会人を集める。

それだけでは、少し寂しい。

むしろ、

「人生の途中で、また学びたくなったら戻ってこられる場所になる」

という方が、大学らしい気がします。

……とは思うのですが。

その仕組みをつくるために、今日もどこかで、

「で、これ誰がやる?」

という会議が開かれているのかもしれません🤣

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