「大丈夫?」では救えない。死にたい生徒への正しい声のかけ方
昨日のミニレクチャーの続きです。
〜ここから〜
「今回は前回に引き続き、死にたい気持ち、つまり希死念慮についてお話しします。
前回、先生方には、①正常性バイアス、②ハインリッヒの法則、③ノーマークの生徒ほど要注意ということをお話ししました。
今回は、①人はなぜ死にたくなるのか、②死にたい人との話し方についてお話しします。
①人はなぜ死にたくなるのか。
これにはもう、色々な理由があります。
まず多いのはうつ状態。
うつ病かどうかは、医師の診断が必要ですが、以前よりも眠れない、食欲が落ちた、好きなことが楽しめない、などの症状があったら、うつ状態を疑っても良いです。
うつ状態でよく誤解されているのが、『ストレスなどの原因があるはずだ』ということです。
これは誤解です。
うつ状態は脳の調子の悪さなので、原因がなくてもなることがあります。
もちろんキャパオーバーや嫌な出来事などのストレスが引き金になることも多いですが、『特にストレスがなくても、脳の調子の悪さでうつ状態になることもある』というのは覚えておくと良いです。
うつ状態になると死にたくなることが多いです。
また、うつ状態以外でも、一時的な落ち込みで死にたくなることがあります。
一時的な落ち込みには理由があります。
友人関係、家族関係、体調不良、勉強や進路のプレッシャー、何か失敗して自信をなくすなどです。
『こういう理想があるんだけど、なかなか現実とのギャップが大きくて』と思い悩むことが多いです。
これらは時間が経つとたいてい立ち直りますが、嫌な出来事が重なったり、長く続いたりすると、死にたい気持ちが強くなることがあります。
希死念慮が強いと、1分1秒が辛い、息をしているだけでも辛いような、余裕がない状態になります。
学校にいる時、授業中にそうなることもありますので、もし辛そうであれば、声をかける必要があります。
声のかけ方、話し方については、この後述べます。
②死にたい人との話し方ですが、まずは声のかけ方。
生徒は『大丈夫?』と聞かれたら、よっぽど話したい時や、信頼している人以外には『大丈夫』と答えます。
特に死にたい人は、『迷惑をかけたくない』という気持ちが強いからです。
そのため、休み時間など、先生がすぐ話せる時は『ちょっと話そうか。なんかしんどそうだから』と声をかけ、落ち着いて話せる場所に移動しましょう。
授業中など、すぐに話せない時は『保健室行っといで。なんかしんどそうだから。後で話そうか』と言って、保健室に行かせると良いです。
できれば一人で行かせず、付き添いの先生がいると理想的です。
生徒に付き添わせると、突発的な行動に対応できないおそれがあります。
もしそれでも『大丈夫です』と言われた場合は、『じゃあ、しんどかったら言ってね』と言って、注意深く見守ります。
心配な生徒について、ほかの先生とも情報共有できると良いです。
もし話ができて、その中で『死にたい』という言葉が出てきたら、死にたい気持ちを否定しないことが大事です。
『そりゃあ、一生懸命生きてれば、死にたくなることもあるよね。でも何とか死ななくて済む方法を、一緒に考えたいな』という姿勢で話を聞きます。
人間には一次意識、二次意識があります。
一次意識とは自然に湧き上がるネガティブな気持ちで、この場合は死にたい気持ちです。
二次意識とはこれからつくるポジティブな気持ちで、『まあ、何とかできることをやっていこう』という気持ちです。
一次意識を否定せず、その上で二次意識をつくります。
そうすると死にたい気持ちは弱くなっていきます。
これらが死にたい人と話すコツです」。
〜ここまで〜
もしよろしければ、参考にしてください。
