建設現場のデータを繋ぎたい。そう言葉にした日
今まで点群やBIM、DXのことを考えていた。
考え続けているうちに、自分でも何を考えているのか分からなくなってきた。
頭の中にはずっと何かがある。
でも、それをうまく言葉にできない。
そんな状態が続いていた。
そこで、市の相談会場へ行くことにした。
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相談会場はオフィスビルの上の階にあった。
少し早く着いたので屋上へ出てみた。
対岸の山と、海が少し見えた。
ペットボトルのお茶を飲みながら風にあたり、しばらく景色を眺める。
考えてみれば、自分が頭の中で考えていることを、誰かにまとまった形で話すのは今日が初めてだった。
深呼吸をしてから会場へ向かった。
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事前に相談内容は伝えてあったので、私は勝手にDXや建設分野に詳しい人が出てくるものだと思っていた。
実際はそうではなかった。
だから最初は少し拍子抜けした。
出てくる話も、
「マーケティングが必要ですね」
「同業者の調査をしてみては」
といった、よく聞く内容だった。
正直なところ、
「その同業者が見つからないから困っているんだけどな」
と思った。
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それでも、自分が考えていることを少しずつ説明していった。
点群のこと。
BIMのこと。
現場で日々発生している情報のこと。
そして、それらが別々に存在していて、うまく繋がっていないこと。
私は個々の会社のBIM運用を改善したいわけではない。
点群データを作りたいわけでもない。
建設現場の中にある情報と、その外にある情報。
その間にある断絶を少しでも繋ぎたい。
そんな話をした。
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その時だったと思う。
先方の反応が少し変わった気がした。
もちろん気のせいかもしれない。
でも、少なくとも私はそう感じた。
そして不思議なことに、相手の反応よりも、自分自身の方が変わっていた。
話しながら、
「ああ、自分はこれがやりたかったのか」
と思ったのだ。
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答えをもらいに行ったつもりだった。
でも帰る頃には、答えより先に、自分が何を考えていたのかが見えていた。
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言霊という言葉がある。
言葉には魂が宿るとか、願いを言葉にすると現実になるとか、そういう意味で使われることが多い。
私はそこまで神秘的なことは分からない。
でも今日思った。
頭の中だけにあるものと、言葉になったものは違う。
何年も考えていたことでも、言葉にして初めて輪郭を持つことがある。
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今日初めて、
「建設現場のデータを繋ぎたい」
と人に向かって言葉にした。
それが正解かどうかはまだ分からない。
仕事になるかどうかも分からない。
それでも、今日初めて、自分が進む方向が見えた気がする。
図面で事故る現場、空間で判断する現場―点群とBIMを“重ねるだけ”で現場の意思決定はどう変わるか― 施工現場を変える空間インフラという発想 ―
