洲本城の点群を、見せる準備をする
前回は、洲本城跡の点群データをNavisworksで扱えるところまで準備した。
今回は、その続きである。
空間翻訳社の作業として、点群からレポート用のビュー画像を作っていく。
完成した画像だけを見ると、視点を決めて、画像を書き出せば終わりに見えるかもしれない。
でも、実際にはその前に、いくつか調整している。
今回は、安定した品質の裏側にある作業を少しお届けする。
まず、洲本城跡の中から、見る場所を決めてビューを登録した。
今回登録したのは、
洲本城
展望デッキ
茶屋
洲本城入口
八王子神社
八王子神社参道
トイレ
東登り石垣
の8か所。
顧客側の使い方として、レポートを見ながら、それぞれのビューを選んで表示を切り替えるという使い方を想定している。

それぞれ見る角度を調整し、レポート用の画像を書き出した。








これだけ見ると、点群を表示して、ビューを決めて、画像を書き出しただけに見える。
ところが、ここでもう一つ調整しているものがある。
点の表示サイズだ。
点群が薄い場所では、点のサイズが小さいとスカスカしてしまい、形状が分かりにくい。
そこで今回は、点の表示サイズを1から9まで段階的に変えて確認した。
たとえば「茶屋」。

点サイズ1だと、かなりスカスカしている。ほぼ見えない。
これでは、建物や周囲の形状を読み取りにくい。
では、点を大きくすれば見やすくなるのか。

今度は点が密になりすぎて、細かな形状が潰れてしまう。
その間も確認する。

今回の「茶屋」では、点サイズ4が一番自然だと判断した。
ところが、ここで終わりではない。
茶屋で見やすかった点サイズ4を、そのまま別のビューに使えるとは限らない。
実際、洲本城のビューでは、点サイズ4にすると点が潰れて見づらくなった。
つまり、点群全体に対して、一つの「正解の表示サイズ」があるわけではない。
見る場所によって、最適な表示が変わる。
「茶屋」以外にも、「東登り石垣」は点サイズ9を採用した。
見る角度を決める。
点の表示サイズを変える。
見比べる。
必要なら調整する。
そして、レポート用の画像を書き出す。
こうした作業を、ビューの数だけ繰り返している。
完成した画像には、こうした調整の過程は写らない。
でも、空間翻訳社では、「とりあえず画像を書き出す」のではなく、その場所の形状が読み取りやすい状態まで整えてから、レポートにする。
今回の洲本城跡では8つのビューを作った。
その8枚それぞれに、見る角度と表示設定を調整している。
こうした細かな作業の積み重ねが、場所が変わっても、できるだけ安定した品質のレポートを作るための土台になる。
点群を扱う仕事というと、データを読み込んだり、加工したりするところに目が行きやすい。
でも、実際に「人が見るもの」にする段階にも、判断することはたくさんある。
今回は、その裏側の一部を紹介してみた。
