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10代が追加接種するベネフィットは何?

新型コロナワクチンの3回目接種について、早ければ4月以降に対象年齢が12歳以上に引き下げられます。中学生や高校生で、接種後の症状により長期にわたり学校に行けなくなっている事例が多数あるのに、それを無視し続けて、なぜ追加接種を勧めるのでしょうか。10代が追加接種するベネフィットは、あるのでしょうか?


新型コロナウイルス感染症対策分科会の資料

内閣官房のホームページに、オミクロン株に対する追加接種について書かれた資料が公開されています。

新型コロナウイルス感染症対策分科会
2月25日 第13回資料 より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

「感染予防効果は十分なデータがない」と言っています。報告というのは、英国健康安全保険庁によるもののようです。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

18歳以上の者を対象にした症例対照研究と書いてありますが、何人を対象にしたどのような研究か書かれていません。元の資料にも、具体的な人数などは見当たりませんでした。複数の記録データや調査結果から分析されたもののようですが、ただパーセントだけ出されても説得力がありません。
COVID-19 vaccine surveillance report: 3 February 2022 (week 5)


https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

※1 英国で承認されている全てのワクチンを含む。
※2 英国における入院予防効果の定義は、NHSに登録された救急科を受診し、入院、搬送及び死亡した場合を指す。
※3 年齢、性別、過去の感染歴、地域、人種、重症化リスク因子、旅行歴、リスクグループの状態、時期で調整しているが、入院者が少ないためワクチンの種類ごとには解析していない

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

左側のデータは、人数などが書かれていますが、気になるところは、下に小さく書かれた注です。このデータは、「英国で承認されている全てのワクチンを含み、英国における入院予防効果の定義」によるものです。それは、日本人にとってそのまま参考になるデータといえるのでしょうか。

さらに、「入院者が少ないためワクチンの種類ごとには解析していない」と書かれています。入院者が少ないのに、入院予防効果を分析したデータというのも、説得力がないように感じます。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

そして、上記のようにまとめていますが、きちんとした比較になっていない変な文章です。

オミクロン株に対する1、2回目接種による発症予防効果は、デルタ株と比較して低下するものの、3回目接種により発症予防効果は回復するとの報告がある。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf
■がデルタ株 ○がオミクロン株

「オミクロン株に対する1、2回目接種による発症予防効果は、デルタ株と比較して低下する」と言っているのに、次の文では「3回目接種により発症予防効果は回復する」となっていて、デルタ株との比較が消えてしまっています。データを見れば、回復してもデルタ株に対する効果より、低いことに変わりはありません。

デルタ株と比較するなら、「オミクロン株に対する1、2回目接種による発症予防効果は、デルタ株と比較して低下する。3回目接種により発症予防効果は回復するものの、デルタ株と比較すると効果は低い」と書くと思います。そう書かないのは、デルタ株のときより効果が低いことをごまかしたいからのように思えます。

オミクロン株に対する1、2回目接種による入院予防効果は、デルタ株と比較して一定程度の低下を認めるものの、発症予防効果と比較すると保たれており、さらに、3回目接種により入院予防効果が回復するとの報告がある。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

これも、前半はデルタ株と比較しているのに、途中から入院予防効果と発症予防効果を比較している変な文章です。

発症予防効果


○がオミクロン株、■がデルタ株

入院予防効果

「オミクロン株に対する1、2回目接種による入院予防効果は、デルタ株と比較して一定程度の低下を認める。しかし、発症予防効果ほどの低下はなく、3回目接種により効果が回復するとの報告もある」と書けばいいのにと思います。

デルタ株に対する効果より低下するとはっきり言いたくないから、あのような書き方をしているように思えます。

オミクロン株に対して、追加接種において交互接種を行うことにより、発症予防効果や入院予防効果が回復するとの報告がある。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

ファイザーもモデルナも互換性に関するデータはないと添付文書に書いてあるので(下記参照)、メーカーが行った研究ではありません。交互接種の安全性については、誰が確認したのでしょうか。

元になった資料COVID-19 vaccine surveillance report: 3 February 2022 (week 5)には、下記のような表もありました。

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1052353/Vaccine_surveillance_report_-_week_5.pdf

上段の表がオミクロン株に対するデータですが、感染予防効果(Infection)はすべて、「Insufficient data」(不十分なデータ)となっています。さらに、発症予防効果(Symptomatic disease)の数値は「Medium Confidence」、それ以外は「Low Confidence」というレベルです。この表を、先ほどの資料に出していないのはなぜでしょうか。

資料に出してはいませんが、これらのデータも見ているからこそ、分科会の資料には下記のように書かれているのです。

27ページ

オミクロン株に対しては、追加接種により、重症化予防効果は回復することが報告されているが、感染予防効果は十分なデータがなく現時点では評価困難とされている。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai13/gijisidai.pdf

3月11日 第14回資料では、3回目接種で重症化予防効果が83%という部分が追記されていますが、10週までしかデータがないとも書いています。10週って、たった2ヶ月半です。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai14/gijisidai.pdf

画像では切れていますが、出典は「SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 34, UK Health Security Agency」となっており、前述の資料8(入院予防効果:左側)のことです。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai14/gijisidai.pdf

すでに、4回目接種の話も出ています。3回接種しても、長期の効果は期待できないということでしょう。


重症者の割合

一方で、10代で重症者はどれくらい出ているのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の国内発生動向:2022年3月15日24時時点

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000913990.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000913990.pdf

10代の重症者割合は0%、致死率も0%です。

追加接種による重症化予防効果は10週までしかデータがなく、感染予防効果はわからないのに、ほとんど重症化しない10代に追加接種するベネフィットはリスク(下記参照)を上回るといえるのでしょうか?