記事のまとめ方から見えてくる利害関係
NHKのサイト(よくある質問集)には、「NHKの行う公共放送は、政府の業務を代行しているわけではありませんので、放送法ではNHKがその使命を他者、特に政府から干渉を受けることなく自主的に達成できるよう、基本事項を定めています」と書かれています。本当に政府から干渉を受けていないなら、なぜ国民にとって重要なことを報じないのでしょうか。
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先日、アメリカのホワイトハウスが、新型コロナウイルスに関する新たなウェブサイトを公開しました。
下記の記事で取り上げた報告書からの引用とのことで、報告書もダウンロードできるようになっています。
以前はワクチンや検査、治療に関する情報を提供していた連邦政府のサイト(https://covid.gov/)が、現在はこの特設サイトにリダイレクトされるようになったことが、日本でも報じられました。これについて、2つの記事を比べてみます。
時事ドットコム
「新型コロナは武漢研究所から流出」 米ホワイトハウスが特設サイト
時事通信 外信部2025年04月19日20時29分
【ワシントン時事】米ホワイトハウスは18日、新型コロナウイルスの起源が中国の武漢ウイルス研究所だったとする説を採り上げる特設サイトを立ち上げた。大流行当時の世界保健機関(WHO)の対応について、「中国の圧力に屈し、中国の政治的利益を優先させたため失敗した」と厳しく批判している。
同サイトは「研究所からの流出 新型コロナの真の起源」と題し、研究所と感染者が多発した生鮮食品市場との距離を地図に示す、物々しいつくり。「ウイルスが自然界に見られない特性を持つ」「武漢研究所の職員が(パンデミック直前の)2019年秋に症状を呈していた」などと指摘し、「実験室関連の事案が起源となった可能性が最も高い」と結論付けた。
同サイトはまた、第1次トランプ政権下で動物起源の自然発生説を唱えたファウチ元国立アレルギー感染症研究所長を批判。ロックダウン(都市封鎖)が米経済や国民の心身に与えた悪影響に言及した上で、バイデン前政権が「SNS企業と結託し、コロナ対策に関する反対意見を検閲した」と主張した。
NHK
“新型コロナ発生源 中国研究所か”米ホワイトハウス 新サイト
2025年4月19日 11時43分
アメリカのホワイトハウスは、新型コロナウイルスの発生源をめぐり、中国の研究所から流出した可能性を強調する新たなウェブサイトを公開しました。
ホワイトハウスが18日に公開したウェブサイトは「研究所からの流出・コロナウイルスの真の発生源」と題したもので、あわせてトランプ大統領の写真も掲載されています。
この中で「コロナウイルスは自然界には存在しない特徴を持っている」とか、「中国の武漢にある研究所では不十分な安全レベルで研究を行っていたことがある」などと記載しているほか、武漢の衛星写真を掲載し「研究所に関係した事故が発生源である可能性がもっとも高い」と強調しています。
また、感染予防として、マスクの着用が有効だという決定的な証拠はないとも主張しています。
アメリカのメディアは、これまで新型コロナウイルスの検査やワクチンに関する情報が掲載されていた政府のサイトにアクセスしようとすると、このページが表示されるようになったと伝えています。
ホワイトハウスは、議会下院の新型コロナウイルスに関する委員会がまとめた報告書から情報を引用したとしていますが、有力紙ワシントン・ポストなどは議会の報告書は、共和党が主導して作成したものだと指摘しているほか、発生源については、情報機関や専門家の見方も一致していないと伝えています。
時事ドットコムが約400文字、NHKは約500文字です。どちらもコロナウイルスの発生起源に関することが書かれていますが、時事ドットコムはWHOやファウチ氏に関する批判が書かれていることにも触れています。
一方NHKは、マスクの着用が有効だという決定的な証拠はないという主張があることと、有力紙ワシントン・ポストなどがどう指摘しているかについて触れています。
他のメディアがどう指摘しているかより、NHKこそ、ファウチ氏についての批判があることに触れるべきではないのでしょうか。
私は以前、ワクチン問題とファウチ氏の発言に関するNHKの記事を掘り起こしました(下記参照)。
当初はワクチンに対して慎重な意見も発信していたのに、ファウチ氏のある発言を機に慎重派の意見が消えていったのです。
NHK 2020年12月23日の記事より
アメリカ政府の新型コロナウイルス対策チームのファウチ博士が22日、ワクチンの接種を受け、「ワクチンの有効性と安全性に絶大な信頼を持っている」と述べ、国民に接種を呼びかけました。
日本でファイザー製ワクチンが申請されたのは2020年12 月18日なので、まだ審査が始まったばかりでした。
さらに、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長を退任した後も、ファウチ氏に独占インタビューを行っていました。
NHKの記事において、ファウチ氏の発言はかなり重要な役割を果たしていたと読み取れます。ホワイトハウスがそのファウチ氏を批判する内容を書いているなら、NHKはそれについても報じるべきではないのでしょうか。
予防的な恩赦
バイデン前大統領は、ファウチ氏に「予防的恩赦」を与えました。
ホワイトハウスの特設サイトより

バイデン前大統領は、次の大統領となるトランプ氏が強く批判したり、敵対したりした人たちについて、刑事訴追から守るためとして、予防的な恩赦を与えました。ファウチ氏も含まれていましたが、予防的な恩赦を与えたということは、ファウチ氏が罪を犯している可能性があると言っているようなものだと思います。先に恩赦を与えておくなんて、どう考えてもおかしな話です。
そのような人物の発言からワクチンは安全だと言い続け、国内で多数起きていた接種後の死亡事例などを報じなかったNHKは、政府から干渉を受けていないと言えるのでしょうか。
メディアが国民に必要な情報を伝えなかった罪は、重いと思います。
パンデミック条約の合意
さらに、NHKの記事はWHOへの批判についても触れていません。ホワイトハウスがWHOを批判していることは、日本にとっても関係がある重要なことです。
昨年は合意に至らなかったパンデミック条約の条文案が、5月に採択される見通しとなったことは、NHKも報じています。
トランプ政権はWHOからの脱退を表明しましたが、日本は依然としてパンデミック条約にも積極的です。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ghp/page23_004456.html より

NHKの記事には、「条文案には、ワクチンの製造などに関する技術や知識の途上国への移転を促進することや、ワクチンや治療薬の開発を加速させるため、病原体の情報を各国間で共有する、新たな枠組みを立ち上げることなどが盛り込まれています」と書かれていますが、途上国側は納得できていないようです。
下記は、ステークホルダーのリストにある「Third World Network」の記事です。
INB事務局とWHO事務局がとにかくできるだけ早い時期に交渉を決着させようとしていて、途上国が主張している公衆衛生を重視する重要な提案は弱体化してしまったと書かれています。この記事を読む限り、途上国側が「合意」しているとは思えません。
NHKは、パンデミック条約によってワクチンの製造などに関する技術や知識の途上国への移転を促進されるかのように報じていますが、途上国側はこの条文ではその実現は難しいと考えているのです。NHKは、なぜその事実をきちんと報じないのでしょうか。これで、政府から干渉を受けることのないメディアと言えるのでしょうか。
<参考>
ホワイトハウスのサイトについて報じたニュース動画
