国を信じた人をなぜ国は助けようとしないのか? 8/26 厚労大臣のスピーチ
8月26日「薬害根絶デー」に、厚労大臣がスピーチを行いました。スピーチが終わった後に、コロナワクチン接種後の健康被害に苦しむ方たちが大臣に声をかけましたが、大臣は立ち止まることなく立ち去りました。その様子は、CBCの大石氏が取材した映像にも残されています。そのことについて、厚労大臣の会見でも質問が出ていたので掘り起こしました。
厚労大臣の会見より
前回の記事で取り上げた「第26回薬害根絶デー集会」の前に、全国薬害被害者団体連絡協議会(略称薬被連)は薬害根絶に向けた要望書を厚労大臣に提出しました。提出された要望書は、下記のサイトで公開されています。
第27回厚生労働省交渉
厚生労働省への要望書および厚生労働省からの回答書(2025)(pdf)はこちら
要望書の内容と厚労大臣のスピーチは、厚労省が動画を公開しています。前後に余分な録画があるので該当箇所から再生されるように設定しました。
これに関連して、大臣の会見で記者から質問がありました。
8月29日会見
記者:福岡大臣は、8月26日の「薬害根絶の誓い」に出席され、スピーチをされた後、コロナワクチン被害者の方が声をかけたにも関わらず、立ち止まることなくお帰りになりました。1年前の武見大臣や2年前の加藤大臣は、同様のケースにおいて足を止めて話を聞いたり、対話をされたりしています。そこで伺います。例年、薬害根絶の誓いの後、被害者から声をかけられていることを福岡大臣は事前に承知されていたのでしょうか。今回はなぜ、立ち止まらなかったのでしょうか。また、今後コロナワクチン被害者の声、ご遺族の声にどのように向き合っていくお考えでしょうか。
大臣:これまでの例として、参加された方から直接ご要望を伝えられることがあったということについては、承知しております。新型コロナワクチンに限らず、他の医薬品による被害に遭われた方もいらっしゃる中で、全ての方の要望を直接お聞きするということは、物理的にも難しいと考えていることは、この前も申し上げたとおりです。ご意見については、事務方が協議の場においてお聞きし、丁寧に対応させていただいています。
(以下略)
記者:大臣に声をかけた女性の中に、奈良県から車椅子で来た方がいらっしゃいます。コロナワクチン接種後に車椅子生活になった看護師の方なんですけど、その方は、私あの後聞いたんですけど、大臣になんておっしゃったのか。「元の体に戻りたい」、それから「元の生活がしたいです」と大臣に呼び掛けてらっしゃいました。こういう、元の状態に戻りたいという声に対しては、大臣、どのようにお受け止めになりますか。
大臣:様々なご発言があったことは承知しており、出て行くときに、今おっしゃった、「元の体に戻りたいです」ということを訴えになられた方がいらっしゃったことは、私の耳でも確認しました。私はその場でその方としっかり目を合わせて、その気持ちを受け止めますという意味で会釈して退出させていただいたという認識です。
記者:具体的な行動としては、この声を受け止めて、大臣としてどうでしょうか。
大臣:今申し上げましたように、様々な健康被害が起こらないような、そういった今後の在り方については、不断の見直しをしていかなければなりませんし、副反応が出られた方々、そういった方々が日常生活に戻れるための支援の在り方等についても、当然、厚生労働省としても全力を挙げていきたいと思います。
厚労省の動画では、被害者の方が声をかける前までしかありませんが、CBCの大石氏が取材した動画にはその部分も映っています。
動画
前半は救済制度で認められたかった方たちの取材、後半の6:23頃から薬害根絶デーの取材です。
放送日:2025年8月26日(チャント!内)
記事
「元の体に戻りたい」と大臣に呼びかけたのは、前回の記事で紹介した薬害根絶デー集会に登壇された方たちです。
動画の中で、接種した理由についても語っています。
木村さんは、もしコロナに感染したら自営業をしているご主人に迷惑をかけてしまうと思って、接種することにしたそうです。接種券とともに送られてきた説明書に新薬であるからわからないことも多いと書かれていたので不安を感じたけれど、元ワクチン担当大臣と有名YouTuberとの対談動画を見て、接種を決めたとのこと。
その動画は非公開となりましたが、下記の記事にスクショを残してあります。非常に無責任な発言であり、実際にそれを信じて被害にあわれた方がいるのです。
倉田さんは看護師として働いていたので、接種するのが当たり前という状況だったそうです。5回目の接種で歩けなくなるほどの症状が出たとのことですが、3回目の接種でもかなりの副反応が出ていたにもかかわらず、医師が接種を止めることはなかったとのこと。そして接種直後に高熱で倒れて、視力の低下、下痢、頭痛、倦怠感、体の痛みなど様々な症状が現れました。一番ひどいときは、娘さんの顔もわからなくなってしまったそうです。車椅子生活になり、看護師としての仕事も休職しなければならなくなりました。
倉田さんについては、2024年11月にMBSが取り上げていました。「予防接種健康被害救済制度」に申請し、接種から1年以上経った2024年の春にようやく認定されたことも語られています。
2024年11月6日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より
詳細はぜひ薬害根絶デー集会やMBSの動画を見ていただきたいのですが、被害者の方たちは、国が説明したワクチンの効果や安全性、そして医師の言葉を信じて接種したのです。
HPVワクチンもコロナワクチンも、被害者の方たちを誹謗中傷する人たちはワクチンの効果や安全性を信じているのだと思います。そうであるなら、被害者の方たちと同じ立場のはずです。それなのに、なぜ被害者
の声に耳を傾けないのでしょうか。
コロナワクチンを接種しなかった人たちの中には、非国民扱いされたり、職場や学校で肩身の狭い思いをした人も少なくありません。一方で、国や医師を信じて接種した結果、家族を亡くしたりご自身が健康被害にあった方たちの多くも、「デマ」扱いされたり、きちんと診察してもらえないという経験をしています。接種して何も起きなかった人だけが「正しい」というような考えは、どこから来ているのでしょうか。
薬害イレッサ訴訟の最高裁判決主文には、下記のように記されています。
4(1) 医薬品は,人体にとって本来異物であるという性質上,何らかの有害な副作用が生ずることを避け難い特性があるとされているところであり,副作用の存在をもって直ちに製造物として欠陥があるということはできない。
医薬品は人体にとって、「異物」なのです。安全性に疑問を持ち、それを体に入れたくないと思う人がいても、体に入れたせいで健康被害にあう人がいても、排除されるべきではないはずです。
食べ物だって、エビや蕎麦を食べても大丈夫な人と、アレルギー反応を起こす人がいます。医薬品も同じように、人によって反応が違っても不思議ではありません。なぜそれが、「正しくない」ことのように言われるのでしょうか。
途上国へのワクチン支援に約810億円
厚労大臣の会見では、ビル・ゲイツ氏と石破総理の面会についても質問がありました。
記者:国のワクチン政策について質問します。8月19日、ビル・ゲイツ氏と石破総理大臣との面会において、日本政府からGaviワクチンアライアンスに対し、今後5年間で最大5億5000万ドル、約810億円を拠出することが決まりました。この決定に遡る8月5日、アメリカの厚生省は、mRNAワクチン開発計画に対する連邦政府の約5億ドル、約740億円の資金提供を打ち切ることを発表しています。アメリカの厚生省が打ち切った資金約740億円と日本の拠出金約810億円がほぼバランスしており、失われた米国連邦政府からの資金を日本に補填させたようにも見えます。日本政府は今回の拠出金について日本国民に対する説明を十分に行ったとは思えません。この度のゲイツ氏への拠出金の決定について、経緯、理由などご説明いただけますでしょうか。
大臣:Gaviについてはワクチンの開発ではなく、途上国における予防接種率を向上させ、人々の命と健康を守る活動を実施しています。この「日本政府によるGaviワクチンアライアンスへの貢献の表明」と、ご指摘があった「米国のワクチン開発計画に関する動向」は、全くリンクしておらず、関係はありません。
(以下略)
Gaviワクチンアライアンスの概要(Gavi the Vaccine Alliance)
Gaviについては、外務省のサイトに下記のように説明されています。
低所得国の予防接種率を向上させることにより、子どもたちの命と人々の健康を守ることを目的として、2000年にスイスで設立された官民連携パートナーシップ。
他国の予防接種率を向上させて人々の命と健康を守るために、今後5年間で最大約810億円を拠出するとのことですが、他国のことよりも、自国のコロナワクチンによる健康被害に苦しむ方たちを救済すべきではないのでしょうか。国を信じて接種して働けなくなった方たちは医療費の負担も大きく、治療法の確立とともに医療費の支給も必要な状況です。明らかに接種後に起きた症状なのに、救済認定されない人も多くなりました。
CBCの大石氏は、コロナワクチン接種後に重い症状が出た女性二人にも取材しています。お二人は、医師に診断書を書いてもらえなかったり、救済申請したものの「通常起こりうる副反応の範囲」として否認された現状を語っています。3年も寝こむ状態が、「通常起こりうる副反応の範囲」といえるでしょうか。
多くの国民がこのような現状に目を向け、国の対応は「おかしい」と思わなければ、安全性を軽視してスピード重視で次々と新しいワクチンが実用化され、同じような被害にあう人が出てしまうでしょう。そして、国が勧めたことであっても、国は責任をとらなくてもいいことになってしまうのです。
まず国民が現状に目を向けなければ、国は国民に目を向けようとはしないでしょう。
継続されていた治験結果は公表しなくていいのか?
厚労大臣の会見では、ファイザー社が薬事承認後も継続して実施していた臨床試験の最終解析結果についての質問もありました。
記者:ファイザー社の新型コロナワクチンの治験結果の公表についてお尋ねします。ファイザー社の同ワクチンの治験結果について、福岡大臣は7月29日の記者会見で、「厚生労働省から公表する予定はございません」と答弁されています。治験結果の概要が米国の臨床試験の公的データベースで公開される予定とのことですが、我が国の今後のワクチン政策に反映させるため、国内でも公表するべきだと思いますが、ご検討されるおつもりはありませんか。
大臣:ご指摘のあったファイザー社の新型コロナワクチンの第3相試験については、薬事承認時点で確認された結果が公表されており、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページにおいて掲載されています。今ご指摘がありました、薬事承認後も継続して実施されていた当該試験の最終解析結果については、当該試験を実施した実施者の責任のもとで公表されるものであると考えています。
記者:安全性と有効性を高めるためにも、この重要な臨床結果を役立てない姿勢は、国民の理解が得られないと思いますがいかがでしょうか。
大臣:薬事承認中に継続中であった臨床試験の最終解析結果において、仮に、製造、販売後に安全性及び有効性に関する懸念が判明した場合等においては、根拠となる臨床試験結果の公表などを含め、必要な対応を検討することになります。この時点で、ご指摘のファイザー社の第3相試験の最終解析結果については、そのような状況におかれているものではないと承知しています。
記者:健康被害救済制度でも1,032人が既に死亡認定されています。これは考慮に値しないものなのでしょうか。
大臣:ですから、そこは1例1例、審議会において適切に判断していただくということです。
(以下略)
記者:確認ですが、一般社団法人ワクチン問題研究会が8月26日、mRNAワクチンの承認取消し及び市場回収を求める英文の論文を発表されているのですが、そのことを大臣はご存じですか。
大臣:私自身はその内容について、詳細は把握しておりません。
「mRNAワクチンの承認取消し及び市場回収を求める英文の論文」というのは、下記だと思います。
記者の質問に出てきた7月29日の会見は下記です。
福岡大臣は、「第3相試験の結果については、追加の注意喚起を要する安全性の懸念は認められていないと承知している」と言っていますが、2020年12月の時点で承認審査報告書には下記のように書かれています。
ファイザー社 審査報告書(申請年月日 2020年12 月18 日)より


・海外 C4591001 試験成績において、本剤の長期の有効性に関する情報は現時点で得られていない
・製造販売後に得られた情報については、適宜、医療現場等に情報提供する必要がある





・本剤接種後の長期の有効性及び安全性や重症化抑制効果は現時点では不明

・本剤の COVID-19 重症化抑制効果は、臨床試験の結果からは十分な情報が得られていない

・本剤の SARS-CoV-2 感染予防効果は、臨床試験では評価されていない。

・基礎疾患を有するフレイル患者について、海外の使用許可後又は製造販売後に、因果関係は不明であるが、本剤接種後に死亡を含む有害事象が報告されている
・当該患者における安全性情報は現時点で十分に集積されていない
・当該患者に対する安全性情報は引き続き収集し、集積された情報は速やかに公表するとともに、その後も適宜、情報を更新する必要がある
このように書かれているのに、なぜ国民に何も報告する必要がないといえるのでしょうか。
副反応疑いの報告や予防接種健康被害救済制度で認定された事例など、厚労省が集めたデータをただ厚労省のサイトで公開しているだけでは、「知らせた」ことにはならないと思います。
「誓いの碑」には、「医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を重ねていくことをここに銘記する」と書かれています。
けれども、承認審査の時点でわからないことがたくさんあったにもかかわらず、それを知らせずに接種を勧め、厚労大臣は今も「安全」だと言い続けています。「誓いの碑」は、何のために建立したのでしょうか。
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