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【第7回】トークイベントを赤裸々リポート

6月26日にテアトル新宿でおこなわれたトークイベントには、深川麻衣さんと小野寺ずるさんと冨永の3人が登壇しました。お客さんからの質問にお答えしながら作品を振り返ることができて、ちょっと映画祭に出たような気分になりました。ご来場ありがとうございました。
 
質問のひとつ目は劇中のコミックエッセイに関するものでした。「京都老舗赤裸々リポート」と題されたそれを描いたのは、役柄そのまま、小野寺さんでした。出演に加えて作画までお願いしたのは、日刊SPA!に連載中の「小野寺ずるのド腐れ漫画帝国」に明らかなように小野寺さんがコミックエッセイの鬼才だからです。『ぶぶ漬けどうどす』において、小野寺さん演ずる安西ちゃんの漫画は、iPadの枠を超えて回想シーンにも位置付けられるようになっていきます。
 
撮影前の「漫画打ち合わせ」では、小野寺さんが「写真を線画に変換できる」という漫画としては御法度かもしれないアプリを僕に見せてくれました。「それ使いましょう」と提案したのは御法度を破ることに興奮した監督でした。まどかの「敵」である上田がその餌食になりました。上田役に豊原功補さんを熱望したのも僕ですが、漫画の素材としてお写真をいじくりまわすことを事前に伝えていたかどうかが、今あやしくなっています。場面によっては撮影しながら小野寺さんがスケッチしていくので、そばにいる深川さんも相当に気になっていたようです。上田を糾弾するために漫画を使うなかでまどかと安西がますますバディの絆を深めていくのは脚本どおりに痛快で、深川さんと小野寺さんが役柄のとおりに打ち解けていったのは監督として嬉しい限りでした。
 
また「ジェンダーの視点を感じた」というご指摘には、ああ待ってましたという思いを抱きました。まどかが扇子屋の跡を継ぐと宣言するさいに夫の真理央の存在が欠けているのは、後継=男性という家父長的な旧弊にぶっ刺すための釘でした。後継ぎは家の都合ではなく、後継ぎになりたい人がなるのだと。京都の「いけず」文化の怖さを感じたことはあるか、というご質問もありましたが、たぶん全員なかったです。と言いたいところですが、小野寺さんが撮影期間中に京都の知人宅を訪ねた話を聞いて、まさかと思いました。その知人さんが「よう来てくれはりましたなあ」と笑顔で迎えてくれたのに、アポなしで訪ねたことを暗に咎められているような気がしてゾッとしたそうです。
 
劇場公開から1ヶ月が経ちました。まずは観てくださったみなさんに心から感謝します。いろいろな感想をいただいています。とりわけ目についたのは「ホラー」という指摘でした。コメディのつもりだったんですが、「むしろホラー」と言われても困りません。確かに後半からまどかが怖く見えてくるんです。その怖さも込みでコメディなんだと力説したい気もあるんですが、作者の力説ほど映画に邪魔なものはないので触れないでおこうと思います。引き続きよろしくお願いします。

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