ガソリン価格高騰が問う地方都市と交通@クルマを1台減らして豊かな生活を手に入れよう外伝その5
さてガソリン価格が過去最高初のリッター190円台となり政府は補助金の支給を行うようです。さて今回はこれを枕に色々書きたいと思います。
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2008年のガソリン価格高騰がもたらしたもの

[ガソリン価格]最高値更新185・1円 卸値引き上げ響く@毎日新聞8/6
またしてもガソリン価格が値上がり、最早月初めの恒例行事と化しています。ただしこれまで月10円/lペースで上がっていたのに比べるとややペースダウンとしたのは不幸中の幸い…
ガソリン価格高騰と言うと思い出すのはリーマンショック前、令和インフレ前のガソリン最高値で思い出すのはリーマンショック前の2008年、この時も今に近いリッター190円近くまで上昇しました。この際の冷ややかな態度も1因となり政権を失った経験のある自民党にとってはデリケートな状況、故に即補助金支出を決めたのでしょう。

さてこの年と10年後2018年に行われた首都圏の移動の大規模調査東京都市圏パーソントリップ調査では2008年に初めて自動車の移動量、シェア双方が減少しました。そして注目したいのはその後ガソリン価格が低下した2018年に行われた調査でもその傾向は継続した事です。
blogを中心とした2010年代前半までのネットがもたらした大都市圏独身男性の資産形成の為の脱クルマ

さてなぜこのような現象が起こったのでしょうか?一言で言えばガソリン代は分かり易いがクルマを保有するコストの小さな一部でしかない、それが大きいと考えます。
上はカード会社の三菱UFJのニコスによる車維持費の試算です。仮に小型自動車を年利2%の5年ローンで購入した前提でシミュレーションすると
維持費:年44~53万円(48.5万円と試算)
ローン返済額:41.5万円(年利2%、5年ローン)
合計:85.5~94.5万円
ガソリン:9.5万円
こうして見るとガソリン代の負担はクルマ関連の支出の1割ほど、確かにガソリン価格の高騰は厳しいもののわずか1割、確かに上がった際の負担感は強いものの、安くなっても改善される負担は大きいものではない、そしてクルマのコストの高さへの意識だけは残る、だからこそガソリン価格が下がってもクルマ離れは止まらなかったのでしょう。
そしてその事は2010年代前半まではやったblog等ネットメディアで静かに確実に共有される事になりました。上は12年前に「年収260万円で貯金1000万円を貯めた」事で話題になったちるど氏のblog貯金1000万円の主要な原動力として実家住まいと共に「車を持たない」事は大きく語られています。

コロナ禍以降のYoutuberによるネットメディアの大規模化は既婚者と地方都市在住者を動かすのか
車の必要性を見直そう
車は買うな!買うなら中古!
そしてコロナ禍以降ネットの主役が動画に移り、多くの職業Youtuberが現れ、独身男性の閉じた中での知識になりがちだった「資産形成の為の有効手段として車を持たない」が広がっていく事になります。上は登録者数700万人のYoutuber両氏の140万部もの大ヒットをした著作からの引用、「車は買うな!買うなら中古!」と言う古くからの資産形成の知恵が数百万人に一気に広がった事になります。そう考えると今後これまでそこまで言われなかった2人以上の世帯や、地方でも比較的公共交通の残っている有力な地方都市でも様々な試行錯誤が始まるのではと考えます。

宇都宮LRTが好調です。利用者は1日1.3万人を超え想定以上の利用されている様子が報道されています。

実際利用者数を見ると平日は始発ターミナルの宇都宮東口に次ぐのが終点芳賀高見沢工業団地電停、HONDA工場へのアクセス電停で実に3000人以上の利用があり、通勤での利用の多さを浮かび上がらせます。
細心の時刻表を見ると
・日中は12分毎の待たずに乗れるダイヤ
・5時~23時代の幅広い時間帯の運行
とさすがに大都市に比べるとやや劣るものの通勤ニーズに十分対応したダイヤとなっています。
週5日の通勤が公共交通で対応できるのなら残り週2日なら例えば2人以上の世帯なら家族の、単身者なら商用のカーシェアなどでクルマの保有が1台減らせると思います。
そして1台減らせるならそれこそ上の維持費、ローン返済額年90万円、月7.5万円これは大きい
例えば現状大学進学率が大きく上がり過半数を超えました。大学に行くのが当たり前の時代に奨学金の返済負担が若い人の人生に大きく影を落としています。
それを考えると「子供の大学進学で奨学金と言う借金を抱え込ませないお金を貯めておきたい」家庭は多いと思います。
その際に「通勤をクルマから公共交通に移行させる」と言うのは有効な手段として今後注目されると思われます。ややとは言え2人以上世帯の資産1000万円以上の割合は減っている事を考えると猶更です。
富山県高岡市と栃木県足利市に見る地方都市の公共交通と言う資産の貧富


そう考えると今後地方都市においていかに「通勤に使える公共交通」をどれだけ確保し、維持・拡大の為にどれだけ投資出来るかは意外に大きく差が付き重要になっていくのではないかと思います。例えば上はそれぞれ人口10万人台の富山県高岡市と栃木県足利市を写した1枚です。人口10万人台でも路面電車を残し新車投入など投資を行った高岡市と路線バスが撤退し市のバスとして最低限の運行に留まる足利市と言う構図です。
時刻表を見るとその差は歴然です。
・日中15分毎平日終電が23時の高岡市の路面電車万葉線
・系統自体はそれなりにあるものの各系統が日に数本の足利市のバス
資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金をとっていく
言うなれば車を手放し個々の家庭にお金を入れてくれる存在としての地域の資産である公共交通の貧富が左右する場面が増えるのではないかと思います。
地域の知も問われる公共交通投資

そしてもう1つ重要になってくるのは公共交通への投資になると思います。例えば群馬県高崎市では信越本線で新駅豊岡だるま駅の開業が予定されていてblogでも取り上げました。
そしてこの記事では地元高崎市立大学高崎経済大学教授陣による手間暇かかった駅設置へ向けた提言も取り上げました。
実は宇都宮のLRTでも地元国立大学の宇都宮大学の教授陣がブレインとして活躍したというのはと言う話も聞いたことがあります。
どうしても大規模・複雑化しがちな公共交通投資では需要や効果の予測、コンセンサスの為の住民への説明などを考えると地域の知も試される場になります。
それでもこれからの時代「通勤に使える」公共交通の充実は地域の人達に「車を1台減らして使える資産を増やす選択肢を提供する」と言う意味は大きくなってくると思います。
まとめ
如何だったでしょうか?確かに今起こっている石油関連製品の価格上昇は経済にも生活にも厳しい逆風です。ただ故に「逆風をきっかけに生活を地域を変えるチャンス」と言う視点があっても良いのではないかと思います。
もし地方都市でクルマを一台手放したい時は(2026/3/24追記)
下のような記事も書いているので参考にしてみて下さい。
