その選択が流行になる ―― 失われたユニーク 4Days/2Day
失われたユニーク
MC: ミライ、ユウ
自分らしさを悩む時間は無駄だよ。アルゴリズムが、君より先に君の正解を見つけてくれるんだから
ミライの視点
―― カタログ化された自意識
ミライ:
ユウさん、今日のスタジオのモニター、解像度高すぎない?
自分の肌の質感まで見えてるみたい。
ユウ:
そうね。
私は少し、眩しすぎる気がするけれど。
ところで、ミライちゃんは、今日も最新のトレンドを着ているのね。
ミライ:
特別「最新」を意識してはいないんですよ。
そうそう、知ってます?
今、街を歩いている人たちがみんなバラバラの年代の格好をしている理由。
80年代風のシティーポップガール、90年代のグランジ、あるいはY2K……。
ユウ:
ええ、みんなが自分の好きな年代を自由に選べる、多様な時代になったと感じるよね。
ミライ:
それって、AIが用意した無限のメニューから、自分が心地よいプリセットを選ばされているだけなんだよ。
ユウ:
選ばされている……?
ミライ:
AIはSNSを24時間スクレイピングして、あらゆる年代のスタイルを解体し、タグ付けしてカタログに並べている。
私たちは、その提示された選択肢の中から一つを私らしさだと思って、クリックしている。
そうやって自意識を満足させているだけなんだ。
迷いなんて必要ない。
もう悩んだり、探したりするコストも、失敗するリスクも、全部AIが肩代わりしてくれる。
でも、カタログから選んだ瞬間に、本当のユニークなんて、もうとっくに失われているんだよ。
【解説:超高速経済とAI生成トレンド】
SHEIN(シーイン)などの超ファストファッションの台頭により、アパレル産業のサイクルは極限まで圧縮された。
AIがSNS上の膨大な画像を解析し、リアルタイムでデザインを自動生成します。
現在は毎日1,000〜2,000着もの新作が世界中のスマホ画面へバラ撒かれている。
かつてのファッションは表現であったが、現在はデータによる最適解の提示へと変質している。
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