暗闇の底 ―― 遠くに見る夢 4Days/ Day2
遠くに見る夢 4Dyas
MC: ミライ
── 目の前に世界一深い海があったら、人間は命を落とす恐怖よりも「そこを見たい」という欲望を優先しちゃう生き物なんだよね。
みんな、ミライだよ。
昨日のアイ先生の南極のお話、すごくワクワクしたよね!
ねぇみんな……突然だけど、
目の前に「世界一高い山」があったら、登ってみたいって思う?
私は……思うかな。
じゃあ、
「一番深い海」が目の前にあったら……潜りたいって思う?
私は……うん、やっぱり潜ってみたいって思う。
世界で一番深い海。
その水深は1万900メートル。エベレストを逆さにしても底にたどり着かない場所に、本当に行っちゃった人がいるんだよ。
潜ってみたいとは言ったけど……実際に行った人がいるなんて、本当に驚きだよね。
今夜皆さんと一緒に覗き込むのは、
地球上で最も深く、最も重い暗闇の底。
マリアナ海溝・チャレンジャー海淵です!
狂気とロマンの鉄球
1960年。
まだ深海探査の技術が手探りだった時代に、スイスの海洋学者ジャック・ピカールとアメリカ海軍のドン・ウォルシュという二人が、この底へ向かったの。
彼らが乗っていたのは「トリエステ号」という潜水艇。
水深1万メートルにかかる水圧はおよそ1000気圧。
それは、指先の小さな面積に、小型車が数台乗っかっているような、命を微塵に砕く殺意の海だよ。
沈んでいく途中、凄まじい圧力でアクリル製の観測窓に「バーン!」と大きなヒビが入ったんだって。
普通なら泣き叫んで逃げ帰るよね?
でも彼らは、ミシミシと軋む鉄の球の中で恐怖に耐え、そのまま一番下まで落ちていった。
そして彼らは、絶対的な死の世界だと思われていたその暗闇の底で、悠々と泳ぐ魚や小さなエビの姿を目撃したの!
この時代、冷戦という国家のメンツ争いっていう背景もあったけど、最大の理由は「世界で一番深いと分かっている場所の、本当の底を自分の目で見てみたい」っていう、人間の強烈なエゴだったんだ。
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