竜の寝床―― 遠くに見る夢4Days/ Day3
遠くに見る夢 4Dyas
MC: ユウ
── 太陽に背を向けて、這いつくばってでも一番深い闇へ向かう。人間って、本当にどうかしている生き物だよね。
みんな、こんばんは。ユウだよ。
昨日のミライちゃんの深海の話、面白かったね。
分厚い鉄の球に守られて、一番深い場所へ落ちていく狂気とロマン。
今日はね、私がみんなを、もっと直接的に「閉じ込められる」恐怖の世界へ連れて行くよ。
これから向かう場所には、潜水艇みたいな気の利いた乗り物はないの。
自分の手と足を使って、泥だらけになりながら、地球の奥深くへと自ら「生き埋め」になりに行く人たちの話。
ジョージアにある世界最深の洞窟、「ベリョフキナ洞窟」への旅だよ。
地球の腸へ続く縦穴
見渡す限りの絶景が広がる山の頂上に、ぽっかりと開いた不気味な黒い穴。
そこが入り口。
現在確認されている深さは、なんと約2,212メートル。ただの洞窟じゃないの。
下へ下へと続く、果てしない「縦穴」の迷宮なんだ。
想像してみてほしいな。
太陽の光は入り口から数メートルで完全に消滅する。
気温は数度しかなく、どこからか冷たい地下水が絶え間なく流れ込んでくる。
そこを、探窟家たちはヘッドライトの頼りない光だけを武器にして、何百メートルもロープでぶら下がりながら降りていく。
時には、自分の肩幅よりも狭い岩の隙間を、息を吐き出して胸を凹ませながら、芋虫みたいに這って進まないといけない。
眠る時は、真っ暗な縦穴の岩肌にテントを吊るして、虚無の上に浮かんだまま夜を明かすんだ。
一番恐ろしいのは、突然の「水」なの。
地表で雨が降ると、その水は一気に洞窟の中へ流れ込んでくる。
地下の狭い空間であっという間に水位が上がり、逃げ場のない鉄砲水となって探窟家たちを襲うんだよね。
実際、数週間かけて底を目指していたチームが、突然の激しい出水で身動きが取れなくなり、冷たい水と滝のような轟音の中で、死の恐怖と戦い続けた記録も残っているんだ。
助けを呼ぼうにも、電波なんて絶対に届かない。
地上に戻るには、降りてきたのと同じだけの距離を、重い荷物を引きずって、何週間もかけて自力で登り続けるしかない。完全な孤立無援。
ここは、竜の寝床。
私たち人間を誘い込んで、二度と外へは出さないための巨大な罠みたいだよね。
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