愛の配合薬 #ふぉれすとどわあふ
カンナ|をかし探究隊隊長さんの ①オーウェンを助けて
から続きます。

大鴉の血が混入してしまったオーウェンは魔女、正確には大鴉によって憑依されてしまった者たちよりも、病いの進行度が早かった。
それはまるで、オーウェンとエルフ族の王女であると判明したケイラがいた時代に流行した「黒死病」の症状によく似ていた。
エルフ族の医術師モリスが未来から持ち帰った薬によって眠らされていたケイラは目覚めると、大鴉に憑依されていたとはいえ、己の魔術の未熟さによって、たくさんの人々を恐怖に陥れてしまったことを詫びた。
「ケイラさん、ご自分を責めないで。ケイちゃんも、シドニーもヨークも無事に戻って来られたのですから」
とミユがケイラに優しい言葉をかけた。
「それに、たくさんの薬草と」
ヨークが元気を取り戻したことが明確にわかる声で言うと、シドニーもそれに続けた。
「私はモリスさんと合流して、素晴らしい薬品を手に入れたしね」
「ケイラ姫、これらの材料とミユさんの錬金術をお借りして、早急に解毒剤を調合しましょう」
とモリスが言った。
「早く取り掛からないと、オーウェンの命が持たない」
ケイラはベッドで苦しんでいるオーウェンを悲しげな瞳で見つめた。

大鴉は、暗黒の冥土の地から蘇り、古代の地上へ這い出ていた。
他者に憑依し、疫病という恐怖を植え付け、治療と評して自らの血を混入して生きながらえてきた。
もう、二度と誰からも魂を奪わせない。
「モリスさんが25世紀から持ち帰ってきてくれた薬が凄いです。『薬草の書』を確認しても配合が難しくて作れなかった物が出来上がっていたんです。これなら、オーウェンを助けることができるわ」
ミユは調合した器を持ち上げると、ケイラに視線を合わせ頷いた。
「これが成功すれば、多くの人たちを救い、たくさんの病いを根絶できます」
エルフ族の医術師モリスが微笑みながら言った。

ミユたちが作った薬をオーウェンに飲ませて、様子をみることになった。
「黒死病」のような症状は食い止められてはいるが、二日が過ぎてもオーウェンは目を覚まさなかった。
「オーウェン、天国へ行っちゃったの?」
仔猫のケイが悲しげな声で鳴いた。
「大丈夫。彼は強い人よ」
ミユはみんなを励ますように言った。
静かな時が流れる中、ケイラはベッドサイドへ行きオーウェンの頬をなで、そして、彼の口びるに優しくキスをした。それは、もう魔女の時のような恐ろしいキスではなかった。
森の住人たちが、みなオーウェンを心配して小さな雑貨屋『ふぉれすとどあわふ』に集まっていた。
仔猫のケイがベッドへ上がり、オーウェンの胸に身体をうずめた。
「オーウェン、死んじゃイヤ」
「重くなったな、ケイ」
「オーウェン!!」
ふぉれすとどあわふの店舗が揺れるほどのドヨメキが起きた。
「やったー! 薬が効いたわよ」
「『薬草の書』が戻って、本当に良かったね」
「この本の力もあるけど、成功したのは、ここに集まったみんなの思いやりの力のおかげよ」
ミユが集まった森の仲間たちに笑顔を向けた。
「心配かけて、申し訳なかった」
オーウェンはベッドから起き上がると目の前にいるケイラを抱き寄せた。
「私こそ、ゴメンなさい」
これで、ふぉれすとどあわふに、世界に、平和が訪れる。

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①平和じゃ、平和じゃ、酒盛りじゃ~💕
②森の仲間と秋の大運動会
あと、楽しく〆ましょう😽

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