Photo by
airdancegame9_
星の降る町 ショートショート (#空想地名祭)
どうしても叶えたいことがあって、ある町へ行ってみた。そこは東北の、とても寒い所にある。雪は好きなので、それほど苦ではなかった。
駅を降りると、銀色の森が目の前に広がっている。思わず感嘆の声を上げた。ブーツを踏みしめながら、一歩一歩進んだ。
「もうここに住もうかな…」
とまで思う。それほど生活に疲れていたし、全てがどうでもいいと投げやりになっていた。
願いを叶えられる星形の氷の欠片は夜降ってくるので、それまで散策することにする。
町のあらゆるところに、星のモチーフが散りばめられていた。
街灯が星形だったり、星のアクセサリーを売っていたり、星形のゼリーがたくさん入っているパフェが喫茶店に置いてあったり。
見ているだけで、沈んでいた気持ちが浮き立ってくる。歩いている人たちもみな、どことなく楽しそうだ。
「寒いけど、いいところだなあ」
『星空珈琲店』という喫茶店へ入ってコーヒーに星形の砂糖を入れ、星形のプリンを食べながら外を眺めていた。
欠片が降ってくるにはまだ時間はあったけど、もう手に入れなくてもいい気がしながら、その店でくつろいでいた。
やがて夕暮れの空が藍色になり、空に煌めく欠片がちらちらと見え隠れしはじめる。
それを見ているだけで願いが叶った気がして、ただ茫然とその景色を眺めていた。
了
PJさんの星雪町へ行ってみました。とてもきれいな街でずっといたいと思いました(期間限定だけど)
ありがとうございました…!🙏
