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『さあ、その手を、離さないで』制作メモ

NEVER LET GO. / Making Notes 物語の裏側にある静かな設計図



Production Notes for

“さあ、その手を、離さないで。”



PRODUCTION NOTES

Project Status : Completed
Format : Serialized Fiction
Episodes : 8
Distribution : note

Release Cycle : Monday / Wednesday / Saturday




PRE-PRODUCTION


Why teaser and trailer existed




実は、
最初に teaser と trailer を置いたのには
理由があります。




noteで読まれやすい文字量は、
おそらく 2,000 字以下。



けれど、
今回は創作大賞への応募作でもあり、
テンポや密度を優先すると、
一話あたり 2,500〜3,500 字になりました。



つまり、



「本編を一話から投稿すると途中で離脱される可能性が高い」と





最初から、
予測していました。




特に連載は、
一話目より二話目のほうが難しい。


一話を開いてもらえても、二話まで来てもらえないと、
その先には繋がりにくい。



そこで考えたのが、



teaser → trailer → ep1 の構成でした。


noteでは 
あまり見かけない形式ですが



「これから何かが始まる」





という感覚を、
先に作りたかった。


teaser で“気配”を見せる
trailer で“温度”を上げる


その勢いのまま ep1 に入ってもらう




さらに ep1 と ep2 には
強めのクリフハンガーを配置しました。



二話まで読んでもらえれば、
全体の約 1/4 を読了したことになる。


そこまで来てくれた読者は、きっと
続きを読んでくれる。



そんな仮説で設計していました。



もちろん、
その先は構成ではありません。




読者が続きを開く理由を
文章そのもので作れるかどうか。



そこから先は筆致の勝負になると考えていました。



Release Schedule


更新は、
最初から毎日投稿にするつもりは
ありませんでした。




理由は、「読み返してもらう時間」
を作りたかったからです。



連載は更新頻度も大事ですが、
それ以上に、作品が読者の中に残っている。




この時間が大事だと考えていました。



当初は、
水曜日と土曜日の更新を想定していました。




しかし実際に始めてみると、



「早く続きを読んでもらいたい」




という気持ちが勝ち、



月曜日も追加。




結果として、
月・水・土 の更新サイクルになりました。



PRODUCTION


Episode Temperature Design



ep1 と ep2 は、前半での読者離れを防ぐため、
強めのクリフハンガーを配置しました。




ただ、
ずっと強い波だけでは疲れてしまう。




そこで、
穏やかな波と荒い波を交互に置く 、
という感覚で構成しました。




特に神経を使ったのは
ep3 と ep4 です。



「中盤の入り口は勢いだけでは成立しない」



しかし、



説明ばかりにもしたくない、
大きな事件も起こしにくい。




そのため、


内面描写や空気感を成立させるために
何度も書き直しました。




ep5 から ep7 は、
感情を揺らすことを意識しました。




「書きながら自分でも泣けるくらいの温度
まで持っていきたい」





と思っていました。




そして最も難しかったのが ep8 です。




今でも、
あの書き方が正解だったのかは
分かりません。




ただ、
自分が挑戦してみたかった表現には
届いた感覚があります。




各話のダイジェストではなく、



“記憶の羅列”

として終わらせる。




そのバランスが本当に難しかったです。



Character Revision



実は、初期プロットには
主人公の友人キャラクターは
存在していませんでした。



しかし
書き進めるうちに、





「この主人公に友達がいないわけがない」





と思ったのです。




そこから構成を見直しました。




その人物なら何を見るのか。
何を感じるのか。何を言うのか。





連載を通して最も大きく変化した部分
だったと思います。



EDITING


What Was Cut




この作品では、
本当に多くのものを削りました。




別のエンド案もありました。
当初はもっと長い作品でもありました。




ただ、



読者を信頼したかった。




説明や地の文章を削り、
想像の余地を残したかったのです。




削れば削るほど不安になりました。
それでも削り続けました。




……削り過ぎたかもしれません。


TEST SCREENING


Unexpected Reactions




teaser 投稿後の数字は、想定の三倍ほどでした。
ビューもスキも、予想を大きく超えていて、
本当に驚きました。




一方で 、trailer 公開時は不安でした。
teaser と似た構成だったため、



「まだ本編始まらないの?」




という声が、
聞こえてきそうだったからです。




数字は teaser の半分以下になる
と思っていました。



しかし、
結果はほぼ横ばい。




これは想定外でした。



嬉しかった反面、
本編への期待値を自分で上げてしまった
感覚もありました。




「これで本編がしょぼいと思われたらどうしよう」



と本気で考えていました。




途中からは、



「それならそれで、
期待値だけ爆上げして本編でズッコケた
伝説の作品になってもいい」



と少し開き直っていました。




もちろん、
ビューやスキが増えるのは嬉しかったです。



ですが、
それ以上に嬉しかったのは
コメントでした。





考察を書いてくださる方もいて、
本当に励みになりました。


The 13% Shock

第四話の試練




本編が始まり、


第三話まではスキ率
40% 前後
という予想以上の反応をいただいていました。



しかし、
第四話を投稿した直後、
その数字は


13%



まで下がりました。



もちろん、
数字だけで作品の価値が決まる
わけではありません。


それでも、
投稿直後にその変化を見たときは、
少なからず動揺しました。



第四話は、
意図的に温度を落とした回でした。




大きな出来事よりも、
登場人物の内側にある感情や、
これから訪れる現実の重さ
に焦点を当てたかったのです。




読者が気軽に、
「スキ」を押しにくくなる可能性は、
ある程度想像していました。




それでも、
実際に数字として現れると、



「この選択は正しかったのだろうか」



と考えずにはいられませんでした。




物語の進め方を変えるべきか。
もっと分かりやすい展開を入れるべきか。



そんな迷いもありました。



ただ、最終的には、
予定していた構成を変えませんでした。




物語に必要な静けさなら、
その静けさごと届けたい。



そう考えたからです。




今振り返ると、あの数字は
失敗の証明ではなかったのかもしれません。



読者が立ち止まり、
登場人物と同じ景色を見てくれていた。



もしそうだったのなら、





第四話は自分が思っていた役割を
果たしてくれていたのだと思います。


Upload Day




teaser と trailer の公開は




「まずは試してみよう」



という気持ちが少しだけ勝っていました。



しかし、
本編一話目の公開は別でした。






......本当に手に汗をかいていました。



VISUAL & PRESENTATION


Making note Feel Like a Film




この作品では、
映画のような雰囲気を作りたいと考えていました。


teaser や trailer に登場する制作チームは
実在しません。



個人制作感を消し
本当にどこかの制作会社が動かしている。



そんな空気を作りたかったのです。



各話の映画風ポスターも、
その質感を演出するために制作しました。




また、
物語だけでなく



「noteで読む体験」




そのものも意識していました。




改行を多めに使い、
画面の中の空白率は 7:3くらいに調整しました。



一気に読んでほしい場面では空白を減らす。
強調したい言葉では見出し機能を使用。




紙ではなくnoteだからできる
演出がある。




空白率、スクロール感覚、画面単位の演出。



そういった部分も含めて、
この作品でした。


FINAL REPORT




本プロジェクトは完了しました。



制作側が想定していたこと。
想定していなかったこと。
成功したこと。
失敗したかもしれないこと。




そのすべてを含めて、本作でした。



To you,
for reading this story all the way to the end.



最後までお付き合いいただいた皆さまに、
心より感謝申し上げます。




本当に
ありがとうございました。



END OF FILE




...writing
END CREDITS



“さあ、その手を、離さないで。”



Created by  
静かな設計者


This story was completed  
because someone kept reading.
Special Thanks



Ashley
梓/Keni Nacastli Atyalan Miguel
コウヅキハナエ
Soyo
柴犬アン
Nagi / Story Music
ロックハート



And You.





You stayed.  
That was enough.




END.



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