Jabra Elite生産終了。名機Elite 10が“最後のJabra”になる理由。(更新25/07/12)
●本記事について
“名機”はこうして静かに消えていく。
2024年、ワイヤレスイヤホンブランドとして世界中にファンを持つ「Jabra」が突如として、一般消費者向け市場からの撤退を発表した。
音質・接続性・通話品質…どれをとってもプロ仕様に近い完成度で、地味ながらも確実に支持されてきたJabra Eliteシリーズ。
しかし、激化する市場競争の中で
「Jabraは、最後の2機種をもって静かに幕を閉じる。」
(Jabra Elite 10 Gen2、Jabra Elite 8 Active Gen2日本未発売)
という選択をした。
本記事では、日本の最後のJabra Elite 10、Jabra Elite 8 Active が“最後のJabra”となる理由、歴代機種への想い、そしてファンとして「ありがとう」と言いたい、その背景と心情を深く掘り下げていこうと思う。
1.Jabra Elite、Talkシリーズ生産終了
(1)突然の発表とその背景
①GNグループは、海外で「Jabraブランド」の新イヤホンを発表した同日、完全ワイヤレスイヤホン「Eliteシリーズ」、ヘッドセット「Talkシリーズ」の現行機種をもって撤退することを発表した。
②この決定は、より収益性の高い事業分野へ重点を移す戦略転換の一環である。
③GNグループCEO ピーター・カールストロマー氏は、Jabraがトップブランドと競争し、イノベーションを導入してきた実績を称えた上で、市場動向の変化と満足のいく投資収益率の難しさが撤退理由であると語った。
(2)今後の対応
①GNグループは2024年末までに対象製品の在庫を削減しつつ、数年間にわたり顧客サポートを継続すると約束している。
②なお、この発表は新たに発表された「Elite 8 Active Gen2」および「Elite 10 Gen2」の販売には影響しない。
③これらが「Jabra Eliteシリーズ」の最終機種となる予定であり、両機種とも日本国内では未発売である。
(Jabra Elite 10、Elite 8 Activeが日本での最終機種となった。)
2.「Jabra」とは、どんなブランドか。
(1)GNグループとその事業
①GNグループは、「GNヒアリング」(補聴器)と「GNオーディオ」(音響機器)を主要事業会社として持つ。
②世界100カ国以上で営業展開し、補聴器分野で50%強、音響機器分野で50%弱のシェアを持つ。
(2)Jabraブランドの位置付け
①「GNオーディオ」が展開するコンシューマー向けブランドが「Jabra」である。
②高品質なヘッドセットやイヤホンを中心に、業界内でも確固たる地位を築いてきた。
【参考:Jabra日本公式サイト】
3.Jabraが過去最高のイヤホンを発表
今回の撤退発表は、Jabraが静かに消えていくのではなく、大胆に撤退する事を選んだ。
高く評価されているElite 8 ActiveとElite 10のバージョンアップ版、Elite 8 Active Gen2、Elite 10 Gen2をそれぞれ発表後、同日中にコンシューマー向け製品からの撤退を発表した。

Jabra.comより引用

Jabra.comより引用
そして 同社は、音質とノイズキャンセリングの強化が期待される「これまでで最高のイヤホン」であると主張している。
しかしこのGen2シリーズは、イヤホンとしての最大の特徴は、革新的な充電ケースにあります。
このケースを使用すると、AUX ポートまたは USB ポートを介して外部デバイスに接続し、オーディオを直接イヤホンに送信できます。
これにより、Bluetooth ペアリングが不要になり、ワイヤレス接続がない機内エンターテイメント システムなどのデバイスに簡単に接続できます。

Jabra.comより引用
Jabra の Elite シリーズは、その優れた音質、ANC や長いバッテリー寿命などの機能で常に賞賛されてきました。
しかし、ワイヤレスイヤホン市場は最近非常に競争が激しくなっており、手頃な価格のブランドが急増しています。

Jabra.comより引用
同時に、AppleやSONYなど業界大手は熱心な顧客基盤を築き、最高級の選択肢としての地位を固めており、Jabraのようなブランドが収益性の高いニッチ市場を切り開くのは困難になっていました。
4.GNグループの歴史

同社の流れを更に遡ると歴史は長い。
1869年にデンマーク・コペンハーゲンで設立された。
当時は電気通信事業者
「グレート・ノーザン・テレグラフ株式会社」
として世界に電信線を張り巡らしていた。
日本には1871年(明治4年)初めて海底ケーブルを陸揚げした。
日本では一般的に「大北電信会社」と呼ばれていた。
その後、メーカーとして無線機や電話の開発などを開始したのは1947年のことである。
そこから更に、補聴器やヘッドセットなどの音響製品に参入し、更に紆余曲折を経て、2009年にブランド名をJabraに統一した。
携帯電話事業などもサービスしていたが、2011年末に電気通信事業からは完全に撤退している。
5.Jabra製品にたどり着くまで。
当時、仕事でJabra製品を利用する事が多かった。
会社で利用する、リモート会議用スピーカーやヘッドセットなどは、その他のメーカーの製品も利用していたが安定性や品質はJabraが一歩先をいっていた様に感じる。
そうしたJabraに対するイメージの下地はあった。
初めてのワイヤレスイヤホンを家電量販店に購入しにいった。
そして、オーディオはやっぱりSONYでしょ!と最終的にSONYのワイヤレスイヤホンを購入した。
3行で簡単に書いたが、SONY製品に決定するまで実は相当な時間をかけた。
それはワイヤレスイヤホン黎明期で、各メーカー接続性など安定性に対して切磋琢磨していた頃だと思う。
当時、口コミサイトなどインターネット上のレビューは、どのメーカーも評判は芳しくなく、途切れなど接続性についての不満、電池持ちに対する不満、片方しか音が出なくなるなど、様々な不満の数々が書き綴られていた。
実はJabraは頭になかった。そもそも個人向けワイヤレスイヤホンを発売している事を知らなかった。
なので、SONY、BOSE、JBL、Victor、オーディオテクニカなど、知っている馴染みのメーカー製品は一通り確認した。
2019年初夏には、2024年も終わろうとしている現在とは違い、各メーカーハイエンドからミドルレンジ、エントリーモデルまで何機種も取り揃えているわけではなく、1機種をメイン機種として発売していた様に思う。
当時SONY製品ではWF-1000Xが販売されていた。


口コミやレビューの評価を見た印象はあまりいい印象はなかった。
しかしもう少し待てば、新機種としてWF-1000XM3が発売されるという情報を得た。


俺は数ヶ月待って、WF-1000XM3を購入した。
SONYのワイヤレスイヤホンの評価は
「高いけど使い物にならない。」
という酷い印象だった。
ブツブツ途切れ、雑音が入り、すぐにiPhoneに接続してくれないワガママな製品だった。
そして音声通話時のマイク性能も、周りの雑音を拾いすぎてしまいノイズキャンセラーが全く機能していない。最悪すぎる。
4万円近くした記憶があるが、嫌になり2ヶ月もしないうちに利用を辞めてしまった。
安かろう悪かろうは諦められるが、高かろう悪かろうは最悪のばかやろうである。
そして、ワイヤードイヤホンを利用していたが、やっぱりワイヤレスイヤホンを利用したくなった。
そして、色々探しているうちにJabraがワイヤレスイヤホンを発売していることを知り、購入を決めた。
当時Jabra Elite 65tを販売しており、初めはあまり期待していなかった。

jabra.comより引用
ワイヤレスイヤホン黎明期としての接続の安定性はピカイチだったと思う。
6.Jabra製品にすっかりハマっていた。
それからすっかり気に入り、今回でJabraのワイヤレスイヤホンは4機種目である。
Jabra Elite 65t→75t→85t→Jabra Elite 10
ハッキリ言って、SONYやBOSEの様な派手さというか、誰しも知っている超有名メーカーという訳でなく、そんなに知名度もないし、シンプルなデザインでパッとはしないかもしれない。
でも、使っている人を見たことがない。それもまたいいと思った。
Jabraは接続性など安定していて、自分としては満足な音で音楽を聞けて、ワイヤレスイヤホンとして音声通話も問題なくできるマイク性能が一番の安心感だった。
これからも買い換える時にはJabraを購入していこうと思っていた。その時はJabra Elite 85tを利用していた。
少し前にJabraが新機種を何機種か発売していたのは知っていた。
これからもJabraがワイヤレスイヤホンを製造し続けると信じ切っていた俺はJabraの新製品にそこまで、興味を示さなかった。
「買い換える時にまた調べたらいい。」
その後、しばらくして、Jabraがコンシューマー向けから撤退するというニュースを見た。
2024年末、今発売されている製品が最後の製品だと思うと正直さびしい。
おそらく知っている人は少ないメーカーなんじゃないかと思うが、撤退してしまうのはさびしい。
壊れるまで大切に利用していきたいと思う。
7.ありがとうJabra。そしてさようなら。
買ってしまった、Jabra Elite 10。値段を見てみたら、正直すでに処分価格で公式サイトでも発売されており、半額を少し切る値段で購入できた。

jabra.comより引用
Jabra Elite 85tもまだまだ、現役で利用できる状態でなんの不満もない。
だけど、Jabraが日本で最後に発売した機種をどうしても使いたくなった。そして気がつけば、ポチッ。
実機も確認せず、そこまで調べず購入。Jabraなら大丈夫。
そしてその気持ちも期待を裏切るものではなかった。
ブラックが良かったけど、在庫切れでココアになってしまいました。
Jabra Elite 10 Gen2が日本で発売されないのがすごく残念。
円高ならアメリカAmazonで注文するのに。


ありがとうJabra。壊れるまで大切に使い続けようと思う。
そしてさようなら。


2025/04/16追記
8.そういえばバージョンアップは?
Jabra Elite 10とJabra Elite 8 ActiveはソフトウェアバージョンアップでBluetoothの新オーディオコーデック、LE Audio LC3に対応予定。
しかし発売から約1年が経った現時点ではアップデートのアナウンスは無し。
LC3は「Low Complexity Communications Codec」の略で、高品質・低消費電力が特長で、従来のBluetoothオーディオ(Classic BluetoothのA2DP)の必須コーデック・SBCより大幅に効率化されており、SBCと同等の音質を半分ほどのビットレートで実現できるといわれている。
ビットレートが約半分で済むため、消費電力も半分で収まるというしくみで、反対にSBCと同等のビットレートであれば、消費電力はほとんど変わらないままSBCを大きく上回る音質が手に入ることになる。
現時点では「Xperia 1 Ⅳ」「Xperia 5 Ⅳ」のみLE Audioに対応。
今後、iPhoneや他のスマートフォンでも対応の拡大が期待されているコーデックのため、AAC、SBCのみ対応のJabra Elite 10の対応が期待されている。
9.Jabra Elite 10のバージョンアップ
Jabra Elite 10 LC3対応アップデート開始!
ただし、iPhoneは現状LE Audio(LC3)には対応しておらず、従来通りAAC、SBCコーデックのみの対応に止まる為、従来通り...。
これはJabraが悪いわけではなく、Appleがいつまで経ってもこの古いコーデックにしか対応していない事が原因。
Appleは有線接続以外でいつハイレゾ対応するのさ。
リリース年月日: 2025/05/27
リリースバージョン: 4.4.4
アップデート内容
LE Audio(Bluetooth Low Energy Audio)のサポートが追加されました。
LC3コーデックとAuracast™を有効にすると、サポートされているデバイスからオーディオストリームに参加できるため、イヤフォンを共有しなくても同じコンテンツを楽しむことができます。
要件:オペレーティングシステム:Android 15以上が必要です
対応デバイス
スマートフォン:Google Pixel 7 / 7 Pro、8 / 8 Pro、Samsung Galaxy S23 / S23 Ultra / S24 / S24 Ultra / S25 / Z Fold5 / Z Flip5
LE Audioは、サポートされているスマートフォンで有効にする必要があります。この機能を有効にする方法については、メーカーにお問い合わせください。
LE Audio 接続が正しく確立されていることを確認するには、LE Audio を使用する場合は、アップデート後に既存のペアリングを削除し、イヤホンをスマートフォンと再ペアリングする必要があります。
注:このリリースの時点で、iOSはLE Audioをサポートしていません。
アップデート記事
アップデート自体もうないかなと期待していなかった分、突然のアップデートで嬉しいサプライズ。
ちなみに日本のECサイト、Jabra公式サイトでは既に販売されている場所はなく、Jabraの公式サイトに関してはサポート用イヤホンも全て販売終了になっており、そもそもコンシューマー向けページが削除されている。
ちなみにアメリカAmazonでも公式からの販売は確認できなかった。もうJabra製品を利用することはできないのかと思うとかなり残念。
10.複数社のワイヤレスイヤホンに脆弱性
(1)通話の盗聴や内部データへアクセスが可能
2025年7月3日のニュース記事
ドイツのセキュリティー企業ERNWは6月26日、ソニーやBoseなど複数のメーカーで採用されているAiroha製Bluetoothチップに関する脆弱性情報を公開した。
一連の脆弱性を悪用すると、攻撃者は周囲で稼働する脆弱性をもったBluetooth機器(ヘッドセット、イヤホン、ドングル、スピーカー、ワイヤレスマイクなど)を乗っ取り、通話の盗聴や、ペアリング中のスマートフォンの内部データ(電話番号や連絡先情報)へのアクセスなどが可能になるという。
当該チップを製造するAirohaは、6月第1週の段階で、脆弱性の緩和策を含む新バージョンのSDKを公開済み。今後、各メーカーが修正版のファームウェアを随時配信するとみられる。
対象端末にJabra Elite 8 Activeが含まれる。
もし、対象端末を利用している方は今後のアップデートを意識し、利用の際は脆弱性について注意されることをお勧めします。
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チップくれるんですか??嬉しいです。笑
