168話 実母 Birth Mother — The Mother Who Didn’t Cry 【エジプト編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
父王の葬儀の時のことを思い出している。
今にして思えば、父王:アメンラーセケムは、偉大な王だった。
安定と繁栄の治世だったといってよい。

それがわかるのは、ネフェルイウリアの夫であるトトメスの代になったとたんに、戦争に巻き込まれたからである。
大臣や宮廷官僚だけではなく、末端の役人に至るまで、官吏たちは葬儀につめかけた。
来たからといって、みんなは父王の棺に近づくことすらできないのにである。
泣いていない人はいなかった。
一人を除いて・・・・

ネフェルセトである。
もちろん、葬儀の運営を見守る責任がある母が気丈にふるまうことは良い。
が、あれだけの涙の中で、もらい泣きすらしないとは・・・
母は、父王のたくさんいる妻の中の第八夫人だった。
前の正妃:ネフェルタメトが亡くなった後、王家の血筋である母は、正妃の座を射止めている。

ネフェルイウリアの実母であるにもかかわらず、母は王座をトトメスにする仲裁をした。
その時も、正直・・・
「あれ?」と思った。
使者が報告を告げに来た。

動画 帯剣の王妃 Video:The Sword‑Bearing Queen 【エジプト編】
波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~

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