203話 山伏と天狗 Yamabushi and Tengu — The Goddess Is Not Here 【六代御前編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
山百合が怒った顔できた。
「あんたのせいで、未熟者め!」

瀬織様が天界に連れ戻されてしまった。
「あんたが付きまとったせいだ」
修行中なのに、女性に懸想している時点で未熟者だ。
波男は、瀬織の姿が見えないことに取り乱した。

山で落ち込んだ様子の波男のところに、天狗が来た。
「いかがされたのだ」

波男がぽつりぽつりと話すのを聞いていた天狗は、
「・・・そういうことか・・」
波男殿、その瀬織殿というお方は、我ら天狗族が昔から守っているお方だ。
言われる通り、お美しいお方であるが、あのお方は人間ではない。

「え?」
「龍神様だ」
いつもは天界におられるので、ここにはいない。

天界に帰られたのは、そなたのせいではない。
「もう一度お会いすることはできないだろうか」
「む・・・ここからは、天界には行けぬ」
昔、老師様が面白いことを言われておった。

若いころ、天狗にもらった種を植えて、その弦を登って天界に行ったことがあると。
「その種は、手に入るのか?」
天狗は、空を見上げた。

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