175話 事典 Encyclopedia — A Secret Weapon Found Only Here 【青春編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
世の中というのはわからない。
いつの間にか、ユウカはコノハに並び、モリヤマ校長お気に入りの最右翼に躍り出た。
「校長に気に入られている生徒をコノハ以外にユウカは知らない。」
といっていた本人である・・・
大学生の娘がいる話など、コノハでも知らないはずだ。
もともと歴史の先生でもあった校長は、なにやらいろいろと調べだしている。
まあ、その火をつけたのもどうやらユウカらしい・・・

ユウカはというと、古本屋に行き始めた。
店の奥の方に、いつからあるかわからないような変色した本があって
これが、実は宝の山だったりする・・・
残念ながら、この辺の本になると220円では買えない・・・
少なくとも数千円はするのだ

ただ、おそらくもうここにしかない・・・みたいなものがあって、座り込んで品定めをする。
ユウカは、建長寺の本、宮ケ瀬の落人伝説の本、鎌倉の事典の三冊を見比べて悩んだ。
いずれもほかの店にはないと思われる・・・

悩んだ末、鎌倉の事典を買った。
刊行は昭和51年(1976年)である。
それは、少しだけではあるが六代御前のことが書いてあったためである。
せっかく銭洗弁天で洗ってきたお金が減った。
――これは、私の秘密兵器にしよう。
私は50年も前のことを知っている。
そう思うと気分が良かった。

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