#1204 アルバム論93|GEAR BLUES / thee michelle gun elephant(1998)
本日のアルバム論は、ミッシェル史上最高傑作との呼び声も高い、1998年にリリースされた4thアルバム「GEAR BLUES(ギヤ・ブルーズ)」について紹介しましょう。
GEAR BLUESとは?

前作「Chicken Zombies」が売れて、更にはその後にリリースされた「G.W.D」「アウト・ブルース」「スモーキン・ビリー」がスマッシュヒットし、ミッシェルは完全に「見つかった」状態でした。
そんな最中に登場したフジロックは伝説と化しています。
この時期は「洋楽が一番カッコいい」という価値観がまだまだ根強かった気がしますが、こうしてミッシェルがフジロックでありながら最高にカッコいいステージを魅せて、更にはジャンルは違えどハイスタも同じような感じでシーンを盛り上げ「邦楽もカッコいいじゃん」的な感じでシーンが盛り上がっていく、この90年代後半の日本のロックは熱かったですね。
で、そんな感じの邦楽ロックムーブメントが起きているど真ん中の時期、ミッシェルがドロップしたのが本作です。
このアルバムは日本ロックを愛する高橋ヒロシもQPの巻末で「名盤」として挙げていたり、ミッシェルファン以外でも名盤として挙げられることが多い、モンスターアルバムですね。
もう考えるな、感じるな!
という感じなので、早速紹介して参りましょう。
GEAR BLUES 魂の全曲解説
1. ウエスト・キャバレー・ドライブ(West Cabaret Drive)
そんなモンスターアルバムGEAR BLUESはこの曲で始まる。
「西のキャバレーまで運転」という意味ですかね?
前作のオープニングナンバー「ロシアン・ハスキー」はとにかくコテコテのパンクな曲でしたが、このウエスト・キャバレー・ドライブはヘヴィーなベースとドラムで始まる重厚な感じで、何となくイメージですが遠くの方からのそのそとゆっくりメンバーが歩いてくるというか、何か余裕を感じさせる序章的な印象があります。
そんな感じで「ウェスト・キャバレー・ドライブ」と10回位宣言して、今回のアルバムと言う旅が始まるという感じですかね。
2. スモーキン・ビリー(Smorkin' Billy)
ミッシェルの10thシングルで、本アルバムの先行シングルですね。
アルバムでもベストでも2曲目という、THE 2曲目という感じな曲です。僕がライブでやった時も2曲目にやりましたね・・・
ミッシェルのシングルでも1~2を争う、ドストレートでド直球のロックンロール。この曲を嫌いなロックンローラーは存在しないでしょう。
まず「タバコ」というのが僕らティーンエイジャーに刺さりました。
あの時期はまだカッコいいのステータスに煙草があり、吸ってない奴の方が少数派の世界だったので、率先して煙草を咥えながら叫ぶチバは本当にカッコよかった。
あとこの曲はクソシンプルな構成がカッコいいですね。
ギターリフからのイントロ、Aメロ、サビのみの構成で、ちょっと間奏があるくらいですが、これだけシンプルでこれだけカッコよく仕上げられるのは本当に凄い。
そしてライブでオーディエンスが大合唱するこのフレーズ、
「愛と言う憎悪」
このフレーズはチバしか書けないでしょう。メチャクチャカッコいいですね。
まさにバンドが脂にのっていた最高の時期だったのが分かる、そんな勢いのあるシングルですね。
3. サタニック・ブン・ブン・ヘッド(Satanic Boom Boom Head)
もうタイトルの時点でかっこいいのです。
「悪魔の様にブンブン頭をまわせ」という意味でしょうか?
とにかく曲もクソシンプルで、ひたすらリフに合わせて「サタニック・ブン・ブン・ヘッド」とチバがつぶやくんですが、8回目の「サタニック・ブン・ブン・ヘッド」からスイッチが入ってテンポアップ!上がります!
CISCOにも近い感じですね。
最後に何て言ってるか謎ですが、非常にカッコいいですよね。
「Luck Yourself!」とかですかね?
4. ドッグ・ウェイ(Dog Way)
王道のロックンロールが続きます。
歌詞では色んな種類のワンちゃん達が登場して「犬がたくさんいる通り」という風な歌詞でイヌミチと言っていますが、多分ドーベルマンとかこまっしゃくれたプードルとかは何かを揶揄した表現で、「イヌの方法」「イヌのやり方」みたいなそんな感じの意味でしょう。
「トカゲ」「マングース」「バードメン」、アルバムでも「チキンゾンビーズ」、歌詞では猫について歌った「恋をしようよ」とか、チバはタイトルや詞に動物を使うのが好きですね。
(ちなみに「ロシアン・ハスキー」もここに並べようと思いましたが、正しくは「シベリアン・ハスキー」でした)
5. フリー・デビル・ジャム(Free Devil Jam)
「自由に悪魔とジャムる」という意味ですかね?
3曲目に続いて悪魔が登場します。この頻度はD.M.C.にも通じるものがありますね笑
歌詞、展開(構成)、グルーヴなどが臂臑にミッシェルらしい曲ですが、やはり毎回「変化」をつけてくるのもまたミッシェルであり、この曲Bメロの「あわてふためいて~」のところはキューちゃんが歌っています。
何気に結構奇麗な声で歌っていていい感じなんですが、そのキューちゃんのターンが終わってチバに切り替わり、
Yeah!ストップ・ザ・モーニング!
に代わる所がメチャクチャカッコいいです。
6. キラー・ビーチ(Killer Beach)
とにかくメロディ・展開がメロウで美しく、そんな美しいながらもチバの声とエグい歌詞でミッシェル風にしているという感じの曲で、今までに無かった曲では無いでしょうか?(しいて挙げれば世界の終わり?)
このアルバムでBEST3に入る好きな曲ですね。
とにかくメロディが素晴らしい。
Aメロもいいし、Bメロもいいし、サビも全部美しいメロディなんですけど、この3つ全部コーラスが「Uh-Uh-Uh-」と入ってくるんですが、そのコーラスも非常にメロウで秀逸。センスを感じます。
そして何と言ってもイカれた歌詞ですね。
スプラッターというか何と言うか、もう25年くらい聞いてますが、未だに意味がサッパリ分からない笑
登場人物は男女っぽいので、ナチュラル・ボーン・キラーズのミッキーとマロリーみたいな夫婦がビーチでいちゃついてるという民明書房の説が一番支配的な気がしますが・・・
「ナイフで貫いたオイラの心臓くらえよベイビー」
「はらわた切り裂いてあたしのお肉を食べてよダーリン」
この歌詞はマジで頭おかしくて最高です。
これこそが「愛という憎悪」かも知れませんね。
で、このメロディに合った美しい歌詞でもなく、このヘヴィーな歌詞にあったヘヴィーなメロディでなく、この美しいメロディにヘヴィーな歌詞が乗っているアンビエント具合が素晴らしい。
「真夏の太陽に食いちぎられる空」とか、この辺を今日みたいなクソ暑い日に聞いたら本当に最高です。
そんな感じで大好きな曲ですね。
あと、ベスト10でも触れましたが、この曲を知らないのにGiGSかバンやろについていたスコアをでベースを覚えて、曲を聞く前にベースが弾けたという、謎の思い出がある曲でもありますね笑
7. ブライアン・ダウン(Brian Down)
シンプルな感じで、ちょっとエモーショナルな曲ですね。
「スロー」とか「ブギ―」とかに近いものを個人的には感じます。
このブライアンがどのブライアンなのか分かりませんので調べてみたんですが、ブライアン・ジョーンズというローリングストーンズの創始者に贈った曲とのことです。
メロディと言い歌詞と言い、イエモンが歌ってそうな曲ですね。
8. ホテル・ブロンコ(Hotel Bronco)
ほぼインストの曲で、サタニック~と同じ感じの曲です。
ただ、「サノバビッチ」とだけチバが語ったり、叫んだりする謎の曲ですね。よっぽどクソみたいなホテルだったんでしょう笑
そんな感じで個人的にはブライアン・ダウンまでが前半で、ギヴ・ザ・ガロンからが後半で、その両方を繋ぐインタールード的な曲と言う位置づけで聞いております。
9. キヴ・ザ・ガロン(Give The Gallon)
ガロンは液体に使う単位で、約4リットルの単位ですね。
「液体をくれ!」というタイトルで、更にグレイプをギブ・ザ・ガロンと言ってますが、「ブドウジュースをリットル単位で欲しいのかな・・・」とか思ってしまうのですが、あまり深く考えない方が良さそうですね笑
なかなか「幸せに踊れよ」の繰り返しなど、歌詞が深いです。
この曲もブライアン・ダウンよろしく淡々と曲が続くんですが、この曲が熱いのはラストで、最後の皆で「Ah Ah」とハモる所のグルーヴが非常にいい感じですね。
10. G.W.D
僕が初めてミッシェルの曲を知ったのは、CMでみたこの曲と記憶しています。炎の中で歌うチバ、中3の僕にはかなりセンセーショナルでありました。
ミッシェルで一番売れたシングルはこの曲みたいですね。
もうこの曲はタイトルに尽きますね。
がなるのG、われるのW、だれるのD、合わせてG.W.D!
このタイトルの時点で買ったも同然だったと言えるでしょう。
サビ然り、盛り上がるべくして盛り上がる曲ですが、個人的にはラスサビ前の「キ!ザ!んだ瞬間を」の所が好きですね。あそこは何回聞いても上がります。
とにかくこの曲はベーシストが弾いていて最高に楽しい曲なので、その補正も入っていますが、冒頭の「ドゥドゥ」から初めて、ヴォーカルに溜息つかせて、そしてあのフレーズですね。最大の見せ場です。
それ以降のAメロのベースも結構楽しいですし、終始弾いていて楽しい曲ですね。
11. アッシュ(Ash)
この曲は普通にシンプルでありながら、メロディアスでカッコいいですね。歌詞にカウボーイも出てきますし、なんとなくウエスタンなグルーヴを感じます。
ギターのリフとほぼユニゾンな感じのベースラインが非常にカッコいいですね。
灰になった歌が黒塗りをつんざいた
このフレーズもカッコいいですね。
12. ソウル・ワープ(Soul Warp)
この曲はカッコいいですね。
横文字が繰り返され、ブランキーの「HAPPY SUNDAY MORNING」にも似たグルーヴを感じるような、感じないような損な曲です。
とにかくシンプルですが、ライブでクソ盛り上がる感じの曲ですね。
13. ボイルド・オイル(Boiled Oil)
この曲も「ブライアン・ダウン」「ギヴ・ザ・ガロン」系の曲なんですが、この曲はサビがシンガロングできる感じで、先の2曲よりライブで盛り上がる感じがしますね。
そして、恐らく「ギヴ・ザ・ガロン」はこの曲に繋がってるんでしょう。
「沸騰したオイルを、ガロンでくれ!」って感じですかね。
ラスサビで速くなるところからが凄くカッコよくて、そしてこの歌詞がいいですね。
天国だ地獄だ
知らねえってんだ
LOVE ME TENDER
ぶち込んでんだ
非常にロックですね!
14. ダニー・ゴー(Danny Go)
そしてこのモンスターアルバムのラストを飾るのは、僕がミッシェルで一番愛する曲ですね。この曲は本当に素晴らしい。
高校に入学して割とすぐに、友人から「ワールド・ギア・ブルース」のVHSを借りて、シングル曲数曲しか知らない状態で通して見て、この曲が一番気に入りました。それくらいのパワーを与えてくれた曲ですね。
この曲もG.W.Dと同じくベースが非常に楽しい曲です。
冒頭と中間のベースソロ、難しくは無いんですがずっと繰り返しなので若干手が疲れるんですが、それでもカッコいくて見せ場なので頑張れたりします。
で、この曲ってコードが全部一定なんです。
イントロも、Aメロも、サビも、間奏もすべて同じコードで進むんですが、その中でソロを入れたり、ブレイクを入れたり、変化をつける事で退屈しない名曲になるという感じは本当に凄い。
皆で「ダニー・ゴー」と歌う所とか、本当にカッコいいですよね。
あとは何と言っても2002年のライジングサンですね。
最後にこの曲を聞けて本当に幸せでした。
まとめ
そんな感じで結構文量も多くなってしまいましたが、やはり思い入れのあるアルバムですね。
改めて名盤であったことを感じます!リスペクト!
そんな感じで次はカサノバ・スネイクですね!
ここからはリアルタイムで聞いていたので印象に残っております!
